悲願の頂点まで、あとひとつだ。

 現地6月29日、バレーボール最強国を決める「ネーションズリーグ(VNL)」はポーランド・ウッチで準決勝が行なわれ、2年連続のメダルを狙う日本代表(世界ランク2位)はパリ五輪に出場するスロベニア代表(同3位)と激突し、セットカウント3-0(25-21、27-25、31-29)のストレートで撃破し、初の決勝進出を決めた。
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 試合前に行なわれた準決勝第1試合で、パリ五輪のホスト国であるフランス(同5位)が地元のポーランド(同1位)をフルセットの末に競り勝ち、ひと足早くファイナルに駒を進めた。オリンピックの前哨戦として位置付ける今大会で決勝進出を狙うフィリップ・ブラン監督はエースの石川祐希、西田有志、関田誠大ら準々決勝(カナダ戦)と同じスタメンでスタート。フランスが待ち構える決勝に向け、スロベニア討伐に出陣した。

 第1セットは小野寺太志のブロックポイントで、日本がまず先制点を挙げる。カナダ戦で最多26得点をマークした石川の攻撃を相手が警戒するなか、日本は大塚達宣のスパイク、山内晶大の速攻などで11-7でリードする。スロベニアもブロックポイントなど一時同点に追い付くが、大塚が難しいボールをレシーブして石川の打点が高いスパイクが決まる。さらにサーブで崩しながら、相手のミスも重なるなど先にセットポイントを握ると、最後は西田のサービスエースが決まり、25-21で先取した。

 続く第2セットはスロベニアが流れを掴み、日本は劣勢の展開になる。しかし、チームの強みである粘り強いバレーが終盤に発揮。5回以上に及ぶ長いラリーをキャプテン石川がライトから決め切ると、この日一番大きなガッツポーズが飛び出した。エースの一打で息を吹き返した日本が、ついに23-23の同点に追い付く。このあとスロベニアの反撃でデュースにもつれるも、日本が再びセットポイントのチャンスを得る。西田が第1セット同様、サービスエースを再び決めるとコートを叩いて絶叫するほど感情が爆発。27-25で日本が逆転した。
  完全に波に乗った日本は第3セット序盤から大塚、石川の攻撃が躍動して得点を積み重ねる。リードを奪った日本はじわじわ調子が上がってきた西田にボールを集め、チームメイトの期待に応えるかのように弾丸スパイクを決めて点差を広げる。しかし、負けられないスロベニアが気迫の5連続得点で逆転に成功。セットポイントを握るが、日本も意地を見せて同点に追い付く。お互い1点ずつを取り合う緊迫した痺れる展開が続き、最後は日本が31-29の接戦を競り勝ち、ストレートで難敵をねじ伏せた。

 VNL初の決勝進出を果たし表彰台を確定させた日本は悲願の金メダルを懸けて、現地6月30日(日本時間7月1日)にフランスと対戦する。

構成●THE DIGEST編集部

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