研究者・大学教員・実業家・メディアアーティストと4つの顔を持つ落合陽一が、5月9日放送の「日曜日の初耳学」(MBS/TBS系)で林修と対談。教育に携わる二人ならではの視点で、日本の大学入試制度や人口減時代の生き方について語り合った。

■日本の大学入試制度は「実に公平」世界は…

今回は、林先生が時代のカリスマに対峙する「インタビュアー林修」第10弾。節目の回に登場したのは、林先生が「現代の最高の魔法使い」と一目置く天才・落合。

29歳から筑波大学准教授として教育に携わるかたわら、触れることのできるプラズマの絵の技術で2015年「ワールドテクノロジーアワード」ITハードウェア部門を受賞するなど、研究者・メディアアーティストとしても枠を超えた活躍を見せる。

そんな落合と予備校講師・林先生の意見が一致したのが、ペーパーテストが合否を大きく左右する日本の大学入試制度について。今、変革期にある日本の大学入試制度。今年から「センター試験」に代わり「大学入学共通テスト」が導入されている。

日本の大学入試制度について、世界を知る落合は「ペーパーテストはあった方がいいと思います。格差が出にくいから」と指摘。「海外の入試を見ていると、やっぱり(個人の)経済・資本格差がものすごく出ますね」「それに比べて(日本は)入学試験で点数取って…って本当にまっとうですよね。社会の格差を見れば見るほど、これは一発逆転ワンチャンあったほうがいいんだなと思うようになりました」と持論を展開した。

そして、林先生が「僕はペーパーテストで決まるというのは実に公平だなと思っているんですが、同意していただけます?」と問いかけると、落合は「完全に同意します。だってね、最強の経歴の人には勝てないですから」とうなずいた。

■落合「ガッツはレッドオーシャン」その意味は?

そして二人の関心事は、高齢化・人口減少が止まらない「日本の将来」へ。林先生が「今の日本の若者に対してどう思います?」と水を向けると、落合は「“若い”っていうことにあまり意味がないと思っていて」と主張。

「日本の平均年齢は47.7歳(2018年)だから、47歳でもまだ若者です。平均寿命を考えると昔の27歳ぐらいなんじゃないですか、残りの人生の時間は。(高齢化は)守りに入らず90歳まで頑張って働いてくださいっていうメッセージでもある」と少子高齢化への受け止め方を明かした。

そんな落合が著書でも語り、林先生の心をとらえたフレーズが「ガッツはレッドオーシャン」という言葉。“レッドオーシャン”とは敵が多く競争が激しい市場のことで、反対に、競争が少ない未開拓の市場は“ブルーオーシャン”と呼ばれる。

新入社員の面接の場に同席していた落合は、スタッフと採用希望者の「お前、何ができるの?」「ガッツあります!」「ガッツがあるっていう人はいっぱいいるんだよ」というやり取りを聞いていて「ガッツを持っている人はいっぱいいる…つまり、『ガッツあります』というアピールはすごくレッドオーシャン(競争が激しい市場)だ」と気付いたという。

■落合・林先生が伝えたい「これからの生き方」

ガッツはレッドオーシャン。だからこそ「ガッツで勝負しても絶対勝てない。根性があるのは前提で、それ以外のところでバリュー(価値)を出さないと」という落合に、林先生も「それは本当に若者に伝えたい」と納得の表情。

では、ガッツ以外の自分の価値をどうやって見出せばいいのか? 落合の主張は、自分の得意なものを全部やってみること、そして、得意なことを掛け合わせてライバルの少ない“ブルーオーシャン”を開拓していくことだという。

「今ってプロフェッショナルでもアマチュアでも生きていける。昔はプロは専業でなきゃいけなかったのが、二刀流、三刀流、四刀流が可能なわけで」と話す。自身も研究者と教育者、CEO、メディアアーティストの四刀流をこなす中で「四刀流ぐらいまでやると自分が好きな仕事だけをやって生きていける」という思いに行きついた。

たとえば歌手として月にサラリーマンの給料の半分を、そして料理人として4分の3を稼げれば、月収はサラリーマンよりも多くなる。「得意なことがいくつかあると思ったら、それをやってみればよくて。それだけでは食っていけないものも二つ合わせたら食えちゃった、みたいな。それで暮らせる人はいっぱいいます。そういう人は増えていますよね」と、現代にフィットする生き方を提示した。

林先生は、落合の自由な発想力に感心しきり。対談を終え、「ちゃんと勉強すれば見える世界がどんどん広がるんです。『知らないから見えない』ということが大きいので、何をやればいいか分からないという人がもしいれば、何かを一つ学んでみる。そのことによって広がる世界に向かっていくというのは一つ有効な方法だと思いましたね」と締めくくった。