お笑い芸人たちが人生を一変させるチャンスをつかむ、お笑いの“賞レース”。今年も「キングオブコント2021」、「M-1グランプリ2021」「―THE W」の予選やエントリーがスタートし、既に熱を帯びてきた。そんな中、「賞レース全部出る!」と自身のラジオ番組で宣言し、注目を集めているのが、アルコ&ピースだ。バラエティー番組などで独自のスタイルが人気を博している結成15年目で、今年が“M-1ラストイヤー”となる彼らに、なぜ挑戦を決意したのか、インタビューで聞いた。

■M-1ラストイヤーにして、再参戦した理由とは?

――ラジオでは、「サラリーマン金太郎」を読んだことがきっかけとおっしゃっていた、お2人の賞レースへの参加。他にも何かきっかけがあったのでしょうか?

平子祐希:「総合的な理由があるんですが、50歳くらいになったときに、出とけばよかったと思いそうだなというのがリアルに想像できて。夏場から年末は、若手芸人にとって結構緊張感がある季節なんですよ。それを何年も過ごしていたんですが、18年を最後に出なくなり季節感をちょっとなくしていて。昔は、秋口になってキンモクセイの香りがするころが「キングオブコント」の準決勝だったので、あの香りが香ってくるといつもハラハラしていたんですよ。なので今年はそれを呼び戻そうかと思いましたね」

酒井健太:「それを平子さんから聞いて…。僕からの発信はないですね(笑)。まぁやるからには頑張ろうかなと」

――出場していないときは、賞レースに対してどのような気持ちで見ていたんですか?

平子:「普通に気楽な感じで見ていましたね」

酒井:「それなりに楽しんでいましたよ。ただ、心のどこかであの舞台はいいなという思いはありましたね。やっぱり輝いて見えるというか。あの独特な空気をまた味わってみたいというのは、あったのかもしれないです。あとマヂカルラブリーみたいに昔から一緒にやってきた人たちが優勝すると、余計に気持ちが強くなる部分もありました」



■出ると決めてからネタ作りに時間がないと実感

――今年は、「キングオブコント」と「M-1」のどちらにも参戦することを発表されていますが。

平子:「ちょうど『M-1』がラストイヤーなので、『キングオブコント』も同じ区切りにしちゃおうかなと思い、両方出ることにしました。もちろん『キングオブコント』は無制限なんで、よっぽどいいネタができたらまた参加したらいいんですけど、実質ラストという感覚ですね。やってみて分かったことなんですが、昔と比べたらネタを合わせる時間がなさそうなんですよ」

酒井:「準々決勝からの参加とはいえ、『キングオブコント』(※キングオブコントでは過去に決勝に進出しているコンビはシード権が与えられている)もまだネタ合わせなどは何もやっていない状態ですからね(笑)」
平子:「今回出ると決めてからネタ作りに時間がないと実感していて…。一切できていないんですよ」

――そもそも、お2人はネタをどのようにして作っているのですか?

平子:「僕らは、僕がなんとなくガワをつくって、そこから2人で合わせて、削ったりいいところを膨らましたりするんですが、ガワができていないので、酒井にはまだ何も」
酒井:「なんで、僕はまだ全然スタートしている気持ちになっていないです。どんな夏がやってくるのか…」
平子:「賞レースだと思うと考え過ぎちゃうんですよね。おそらくその感覚はいらないんでしょうけど。素直に作れていないです」
酒井:「あと今は昔と違ってライブに出ているわけではないので、ネタをかける場所もないんですよ」
平子:「下手したら予選が1発目のネタかけになる可能性がありますね。昔は月20本くらいライブでネタをやっていたので、環境ががらりと変わっています。あとネタも今までのパターンで散々落ちてきたので、それがハネないのは分かっているんですよ。なので、『ドン・キホーテ』に衣装探しに行こうかなとか考えています。そういうところから遠ざかろうとしていたけど、40歳も過ぎたしアリな気がしてきました(笑)」

――今までとは違ったパターンのネタが見られる可能性があるんですね。

平子:「そういう感じはします。でもまぁ直前に怖くなってすごく落ち着いたネタをやる可能性もありますが(笑)。ただ無理矢理変えるのもわざとらしいと思うので、バランスが難しいですよね。ガラッと変えてきたぞって思われるのは恥ずかしいし…。だからちょっとだけ後悔してるんですよ。出るって言ったことを」


■今年のKOCはエンタメ性が上がりそう

――今年から「キングオブコント」はユニットの参加もOKになったりと変化があるのも面白いですね。

平子:「やる側はすごく難しそうですよね。注目度も高くてハードルも上がるだろうし…」

酒井:「もちろんピンの人でもコントをやりたいと思っている人はいるとは思いますし、前回の『M-1』のおいでやすこがさんみたいな売れ方もあるんですが、やっぱり有名な方だと失敗できない怖さがありそう」

平子:「賞レースの一番のハラハラは業界の図式が変わる瞬間だと思うんですよ」

酒井:「その賞レースで、新しいスターが生まれるかどうかで。話題にもすごくなるし」

平子:「今回はどうなるのか…。エンタメ性が上がる気がします」

――やはりバラエティー番組と賞レースは違うものなんですね。

酒井:「やっぱり勝負なので、評価がはっきりしていますよね。負けは負けだし。ただ今はどっちに転んでもいいかなという気持ちにはなっています。ハネなくてもイジられたりすると思うし。負けていいこともある世界なんで」

平子:「優勝だけがすべてでないのは、長年やってきたからわかったことです。アツい気持ちはあるけど、それはやっぱり今までとはまた違った熱な気もします。まぁ、今の僕らができるものをお見せできると思います」

■インタビュー後編は8/3(火)配信予定!