石川瑠華・青木柚がW主演を務め、8月20日(金)に公開される映画「うみべの女の子」の公開記念舞台あいさつが、8月3日に東京・新宿武蔵野館で行われた。同作は、「ソラニン」(2010年公開)以来11年ぶりの実写映画化となる浅野いにおの原作で、「思春期」「恋」「性」といったセンシティブな題材に真正面から挑んだ作品。舞台あいさつには、W主演の石川と青木と共にウエダアツシ監督、原作者の浅野が登壇。作品への思いや撮影の裏側、お互いの印象などを語った。

■浅野いにお「作品をすごく尊重してくれている実感がありました」

今回、舞台あいさつでMCを務めたのは本作の監督を務めたウエダ氏。ウエダ監督が原作者である浅野に映画のオファーを受けた際の気持ちを尋ねると、「原作は11年前に連載をしていた漫画なのですが、この10年間くらいほとんど実写化の話がくることはなかったです。内容的にも過激な部分があるので、あまり期待はしていなかったのですが、妙なタイミングで映画化の話をいただきました」と告白。

続けて、「僕とウエダ監督は世代が同じくらいなので、話を聞いていると、育ってきた中で見てきた景色が同じだったり、作品をすごく尊重してくれている実感がありましたので、これはお任せしても大丈夫かなと思い、オファーを受けました」と、丁寧に当時の印象を振り返った。

浅野の言葉を受けたウエダ監督は「ありがとうございます」と、照れながら感謝。また、本作の企画は5年ほど前からスタートしていたことを明かすとともに、「今の若い世代に向けて、昨今あまりない映画を届けたいということで、作ってきました」と思いを語った。

■オーデイション前に遭遇!?

本作で石川と青木が演じる小梅と磯辺は、オーデイションで決定。審査員として参加した浅野は、石川と青木の印象について「オーデイション以前から、青木さんに関する情報を事前にいただいていて、正直、青木さんじゃないと(磯辺役は)成立しないなというのが前提にありましたね」と告白。すると、青木は浅野の言葉に喜びながらも、「まじか…」と繰り返しつぶやき、驚きを隠せずにいた。

また、小梅役の石川の印象については、浅野が「オーデイション当日、会場でエレベーターに乗る時に、僕の前に制服を着た小さい女の子がいたんです。『何でこんなビルに中学生が来るんだろう?』って、思いながら一緒にエレベーターに乗ったんですね…」と、当時を振り返る場面も。

このエピソードを舞台あいさつの当日に聞いたという石川は、「私、誰と一緒に乗ったか全然覚えていなくて…!」と焦った様子を見せたが、浅野の「役どころとして、(小梅は)中学生役というのもありますし、難しかったと思うんですけれど、石川さんのオーデイションを見た時に満場一致で『この人しかいない』って感覚があったと思うので、すごく救われました」という言葉に笑顔を浮かべた。

■浅野いにおが感じたスタッフの執着

2020年の7月に撮影が行われた本作。撮影現場を訪れた浅野は「原作でも二人(小梅と磯辺)の関係性は特殊で、ストレートに仲が良いという話ではないので、非常に撮影も難しかったんじゃないかなと感じました」と、コメント。

また、石川と青木が作品内に登場する“うみべの女の子”について絶賛する場面では、浅野が「“うみべの女の子”が写ったデジカメの中の写真は、水着の柄から構図までほぼ完全再現なんですよ。他にも、台風のシーンで看板が裏返るところとか…なかなか狙ってやれないと思うんですけど、(看板が)ひっくり返る角度まで一緒なんです。そこにスタッフの方々の執着を感じましたね」と、静かに興奮を見せた。

ウエダ監督は「浅野さんの原作の背景は、実際の写真から書き起こされているものが多いので、映画化するなら、同じ場所でできるだけ撮りたいなっていうのはありましたね」と、作品へのこだわりを語った。

最後のあいさつで浅野は、「原作が過激な部分もある内容なので、特に主演のお二人にはいろいろな苦労があったと思い、責任を感じております。漫画というのは(物語が)終わったら終わりっぱなしというのが常なのですが、こういう機会をもらうことで“自分の漫画がまだ生きている”という実感を得ることが出来ました。ちょっと棘のあるような内容ですが、こういう映画を必要としている若い世代がいると思いますので、そういう人たちに見てもらえたらいいなと思います」と、感謝とともに思いを伝えた。

また、ウエダ監督は「企画から5年間かけてやっと公開にこぎつけました。この夏、外に遊びに行けない分、映画館で『うみべの女の子』を見て、夏の思い出を作っていただければと思っております」と、あいさつをして締めた。