有村架純と中村倫也がW主演を務める金曜ドラマ「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」(毎週金曜夜10:00-10:54※初回は夜10:00-11:09、TBS系)の第1話が7月8日(金)に放送される。このたび、同作のプロデューサー・新井順子氏と監督の塚原あゆ子氏にインタビューを行い、前・後編に分けて紹介。後編では、撮影現場の様子やキャスト陣の魅力などについてたっぷりと語ってもらった。

同作は、金曜ドラマ「アンナチュラル」(2018年)や「MIU404」(2020年)、「最愛」(2021年、3作品全てTBS系)を生み出してきたプロデューサー・新井氏と演出・塚原氏、そして二人とは初タッグとなる脚本家の西田征史氏が手掛ける完全オリジナルドラマ。

4回司法試験に落ちた崖っぷち東大卒パラリーガル・“石子”こと石田硝子(有村)と1回で司法試験に合格した高卒の弁護士・“羽男“こと羽根岡佳男(中村)コンビが誰にでも起こりうる珍トラブルに挑む“リーガル・エンターテインメント”だ。

また、カフェで充電をしていたら訴えられてしまう“石羽コンビ”にとって最初の依頼人・大庭蒼生役で赤楚衛二、「そば処 塩崎」で働く塩崎啓介役でおいでやす小田、潮法律事務所の所長で、石子の父・潮綿郎役でさだまさしも出演している。

■ コミカルな演技こそ光る、中村倫也の“振り幅の広さ”

――撮影が進んでみて、有村さんや中村さんの印象はいかがですか?

塚原あゆ子監督(以下、塚原監督):有村さんは、コミカルなせりふ回しに対して、自ら“乗っかるぞ!”と思って演じてくれていて。今までやってきた路線とは違う、表情豊かなキャラクターになっているなという印象です。

中村さんは、こういう役をやってないというわけじゃないと思うので、羽男というキャラクターの中で振り幅をつけてくださっていて。コミカルなだけではなく、彼のバックボーンや、いろんなものを抱えている中での表情に、中村さんだからできる幅の広さみたいなものが反映できればいいかなと思っています。

新井順子プロデューサー(以下、新井P):中村さんって完璧なんですよね。鍛えられているから、何でもできちゃうんです。

塚原監督:うまく言えないのですが、芝居をするということとしないという選択肢があって。もちろんドラマなので“(芝居を)しない”ということは絶対的にないんですけど、そこまで顔で表現しなくても分かると(視聴者に)信じてもらうという努力が、引き算した先と足し算した先の振り幅になればと思っています。

コミカルだけれども、ちゃんとグッとくる表情も押さえていくようなやり方にしたいですね。

新井P:第1話で有村さんの髪がぼさぼさになるシーンがあるんですけど「ぼさぼさいいね!」って言いながら撮影しています(笑)。「いいぞ、いいぞ! 風吹け!」みたいな(笑)。

――お二人の役への向き合い方はいかがでしょうか?

塚原監督:本当にお二人とも真摯(しんし)に台本を読み込んで、役と向き合ってくださっています。なので、できるだけ何も言わず、演じながら考えていってほしいなと思っています。

コメディーって瞬発力の勝負だったりするので、決めちゃうと1パターンになっちゃうんです。台本の中の大きな流れが分かっていない場合は相談しますが、お二人ともプロで台本もしっかり読み込んでくださっているので。

このシーンの狙いはこうですということだけが共有できれば、いいのかなって。できるだけ自由に、遊んでもらえる土俵にしていきたいなと思っています。

新井P:真面目ですよね、二人。あれだけ芸歴が長いのに。

塚原監督:でもコメディーをやらなきゃいけないって分かっているから、真面目な顔では入らないようにするんですよ。プロだなって思います。

新井P:せりふも多いし、長いんですけど、絶対に(せりふを)覚えていますよね。撮影をしていて「なんだっけ」ってあんまり言わないんですよ。台本を持って現場に入らないし。今日ちょうどスタジオで撮影しているんですが、「法廷のせりふ覚えなきゃ」って言いながら頑張ってくれています(笑)。

塚原監督:弁護士はしゃべる仕事ですから、かわいそうに(笑)。

新井P:でも私はそういう中村倫也が見たい!

新井P&塚原監督:(笑)。

新井P:(せりふで)「数字はやめて」と言われていたんですが、めちゃくちゃ数字が入っている話もあって (笑)。それでもバッチリ覚えてきて“どこで息を吸っているんだろう”ってくらいのスピードで話していくんですよ。見ていてすごくワクワクします。

■赤楚衛二の芝居は「きっと感情で動いている」

――現場での赤楚さんの様子はいかがでしょうか?

塚原監督:赤楚さんは“天然素材”って感じかな。赤楚さんご自身がすてきな方だなと思います。赤楚さんは輪をかけて“天然素材”で…。

新井P:それほめてる?(笑)

塚原監督:ほめてますよ! こんなにも“天然素材”という言葉が当てはまる人はいるのだろうかと思うくらい、リアクションが新鮮で。一緒にいると心が洗われるというか。

いろんなお仕事もされてきていると思うのですが、素直な感想が出てくるということが素晴らしい才能だなと思います、尊敬する。汚れないで生きてほしいし、汚れた自分を恥じます!

新井P:(笑)。

――赤楚さんのお芝居で魅力的な部分があれば教えてください。

塚原監督:本当にハッとさせられる演技をするんです。「思っていたよりも(リアクションが)薄い…」という時もあれば、「そこはこんなにリアクションが来るんだ!」という時もあって。

想像外のところから来る感じがすてきです。どうやって生きたらそういうリアクションになるんだろうという感じで。頭で考えて芝居をするタイプじゃなくて、きっと感情で動いているんだろうなと伝わってきます。

――連ドラ初挑戦となるさださんのお芝居はいかがでしょうか?

塚原監督:さださんですよね…さださんは本当にさださんなんですよ。

新井P:(笑)。

塚原監督:とにかくいい意味でさださんの懐の深さに抱かれるっていう現場で。新井プロデューサーと一緒にコンサートに行ったんですが、こんなに自分って泣くんだって驚いて(笑)。俳優さんがガチガチに固めてお芝居をされるよりも、胸にきます。かっこいいです。

――おいでやす小田さんの現場での様子を教えてください。

新井P:撮影中、面白いからみんなが笑うじゃないですか。すると「違いましたか!?」と慌てているんですよ。「違うんじゃなくて、面白いんです」と返すのですが、芸人さんなのに、笑うと気にするんですよ(笑)。不安になるみたいで「え、違いました!? なんで笑うの?」って。不思議な人です。

塚原監督:台本には「あとは自由にお願いします」と書いてある場所で「わかってますよね?」という雰囲気が出ていると、本人はどう思ってるんですかね。やめてくれって思っているのか、来たぞって思ってるのか。もうちょっと仲良くなったら聞いてみたいです。

――なるほど、現場で作り上げていく場面も多いのでしょうか?

塚原監督:そうですね。台本は設計図だと思っていて、撮影は化学反応を楽しむものなので。一人が間違えば、そのシーンは間違ったまま進んでいくこともあります(笑)。

新井P:よくせりふがごちゃごちゃになることがあるんですよ。でも、きっとそれが“自然”なんだろうなと思って。なので「全然入れ替えてください」とお伝えしています。

――ありがとうございました。放送を楽しみにしております!

新井P:あ、ラブもあります!

塚原監督:時々ラブがね(笑)。