ジョージ・ルーカスが原案と総指揮を務め、米・アカデミー賞受賞監督のロン・ハワードが監督を務めた1988年公開の映画「ウィロー」は、当時の最先端視覚効果を用いて誰も見たことのないような剣と魔法のファンタジックな世界を描き出し、後のファンタジー作品に多大な影響を与えた、まさに伝説の作品。そのウィローの続編として34年ぶりにルーカスフィルムによって制作されたのが、11月30日よりディズニープラスで配信されたオリジナルシリーズの「ウィロー」。初週は第1話、第2話が同時に配信されたので、衝撃のラストシーンが展開された第1話を振り返ってみよう。(以下、ネタバレを含みます)

■前作映画の20年後が舞台

1988年に公開された映画「ウィロー」は、世界を救う運命にある人間の子どもを拾った小人族のウィロー(ワーウィック・デイヴィス)が、悪の女王を倒すために冒険と戦いを繰り広げるファンタジックアドベンチャー。戦いを終えて故郷に戻ったウィローは、新しい闇の時代が始まるという夢を見た。

恐怖が支配する時代に生まれた救世主がいる。その名は“エローラ・ダナン”。闇の者から守るために、エローラの存在を隠すことに。エローラ自身、自分が“救世主=エローラ”であることを知らない。今回のオリジナルシリーズは、映画で描かれた世界の“20年後”が舞台。かつてウィローと共に世界を救ったプリンセスのソーシャ(ジョアンヌ・ウォーリー)は現在、王国の女王となっている。そんな王国に、ウィローの夢の通り、邪悪な気配をまとう新たな脅威が近づいており、その不穏な空気が伝わってきている。

キット(ルビー・クルス)とエリク(デンプシー・ブリク)は、ソーシャの子ども(双子)で、キットは反骨精神あふれるプリンセス。剣などの鍛錬にも熱心で、プリンセスらしさを求めるソーシャとはあまり反りがあってなさそう。エリクは女性にモテる自由奔放なプリンス。恋多き男だが、キッチンメイドのダヴ(エリー・バンバー)と出会い、彼女に対しての気持ちが本気だと伝える。最初はうそっぽく聞こえていたが、その後の言動を見ると、意外と本気でダヴとの今後のことを考えてるんじゃないかと思えてくる。

キットはガラドーンという王国のプリンスであるグレイドン(トニー・レヴォロリ)と結婚する予定。と言っても、本人が望んだことではなく、いわゆる政略結婚として。キットがそんなことに従うわけがなく、仲のいいジェイド(エリン・ケリーマン)に王国を守っているバリアを超えて、一緒に冒険に出ようと誘うが、そんな時、闇の勢力が王国を襲い、エリクが拐われてしまうという事件が発生。

映画の続編ではあるが、序盤でここまでの経緯などをしっかりと説明されているので、映画を見ていなくてもスッと物語の世界に入り込めるようになっていると感じた。ウィロー役のワーウィック・デイヴィスやソーシャ役のジョアンヌ・ウォーリーなど、映画に出演していたキャストも続投されており、映画を見ているとより楽しめるので、未見の方は見ておくことをオススメするが。

■今回の仲間たちは個性豊か

冒険もののパーティー(仲間)は、それぞれに与えられた役割があるが、エリクを救いに行くためのパーティーもそれぞれ個性のあるキャラクターが配置されている。キットはその主役的存在。双子の兄を救うために先陣を切って突き進んでいくキャラ。剣の腕が確かなジェイドはキットをサポートする信頼できる存在。乱暴な囚人のボーマン(アマール・チャーダ・パテル)は“バリア”の外に行ったことがあり、道案内役であり、用心棒的存在。いざという時には頼れる存在になる可能性も。ウィローは経験豊富な魔法使いということで、キットの相棒的な感じであり、師匠的な存在になっていくのではないかと予想できる。

キットと結婚する予定だったグレイドンは無理やり参加することになったが、剣術が得意そうではなく、どちらかというと温厚な性格。冒険にはあまり役に立たなさそうな感じだったが、他の人たちが読めなかった文字が読めたり、“知力”担当と言える。エリクと恋に落ちたダヴは勝手に付いてきた形で参加しているが、協調性はなく、愛するエリクに会いたい一心で動いているので、第1話でもかなり無謀なこともやっている。キッチンメイドということで料理は得意。


意思疎通が取れていなかったり、不安要素は多いが、とりあえず、役者はそろったといったところ。第2話からいよいよ本格的な冒険がスタートする、と思われたが、1話の最後に衝撃的なシーンが…。一番役に立たなさそうなダヴが、実は隠された“救世主エローラ”だったということが発覚。お荷物的存在からいきなり重要人物へとポジションチェンジ。パーティーの中での扱いも変わるのか、変わらないのか? 今後の展開が気になる終わり方となった。

個人的にはキットが嫌々ながらもダヴことエローラを守りながら進んでいくんじゃないか、と。そんなふうに予想しているが、果たしてどうなることやら。

◆文=田中隆信