藤子・F・不二雄が描いた刺激的でシュールなSF短編漫画の実写化「藤子・F・不二雄SF短編ドラマ」(毎週日曜夜10:50-11:05ほか、NHK BSプレミアム)の新作が6月4日(日)より放送されることが分かった。今回の放送では、4月に放送された「メフィスト惨歌」「定年退食」「テレパ椎」「昨日のおれは今日の敵」「流血鬼(前後編)」「おれ、夕子」「親子とりかえばや」7作品に続き、「箱舟はいっぱい」「どことなくなんとなく」「イヤなイヤなイヤな奴」3作品が放送される。

さらに、永山絢斗、袴田吉彦、さとうほなみ、古田新太が「箱舟はいっぱい」に出演が決定した他、「どことなくなんとなく」には岡山天音、竜星涼、西野七瀬が、「イヤなイヤなイヤな奴」には増田貴久、萩原聖人、野間口徹、浅利陽介、飯島寛騎、竹中直人が出演することが発表された。

■「箱舟はいっぱい」大山役・永山絢斗コメント

漫画原作はとても面白くて、ぜひやってみたいと思って飛び込んでみたものの、いざ自分が演じるとなると、いろいろ難しかったです。監督が藤子・F・不二雄先生の熱烈なファンということで身をゆだねて演じました。漫画のコマと同じような構図で撮りたいとおっしゃられるのですが、なかなか漫画そのもののように表現することはできず、やはり生身の人間が演じるということでそれなりに工夫したつもりです。原作を知らない方にも十分楽しんでいただけると思いますので、お楽しみに!


■「箱舟はいっぱい」細川役・袴田吉彦コメント

藤子・F・不二雄先生の生誕90周年という節目に出演のお話を頂きありがたい思いです。数多くの作品の中から今回、「箱舟はいっぱい」細川役を演じさせて頂きました。1974年に発表されながら、今も現実に起こりうる可能性があるのでは? と考えさせられる不思議な作品。人類の終焉(しゅうえん)が訪れるという事を実際に自分が知ったらいったいどんな時を過ごしていくのだろうと、考えさせられました。皆さんもこの物語の1人として実在するなら誰とどんな時を過ごしていくのか考えながら見て欲しいです。

■「箱舟はいっぱい」大山の妻役・さとうほなみコメント

彗星(すいせい)が地球に衝突し、人類が滅亡してしまうかも知れない。何が本当で、誰がうそをついているのか。「箱舟はいっぱい」は約50年前に描かれたお話で、私は出演のお話を頂いてから初めて漫画を拝見しました。彗星に限らず、今の時代にも有り得そうな、意外に身近な内容だと感じ震えました。本多アシタ監督の原作への愛と敬意を存分に受け、永山さん演じる大山もとても愛らしく、楽しませて頂きました。ぜひお楽しみにお待ちいただければと思います。

■「箱舟はいっぱい」連絡員役・古田新太コメント

藤子・F・不二雄先生はほんわかした空気の漫画が多いですが、実は非常にブラックな漫画も描く人だということは知っていました。原作を読んで、最後ハッピーエンドに終わらせないぞ、という気概が見えて、ちょっと悪い感じで終わるのがF先生っぽいな、と思いました。演じた連絡員の役は、原作でもかなり間抜けな感じの人なので、そのように演じたほうが、ラストシーンが気味悪くなるのではないかと思って演じました。

■「どことなくなんとなく」天地役・岡山天音コメント

子どもの夢想のようでもあり、どこか現実のすぐそばの物語でもあるような、不思議な感触のお話でした。江口監督の再解釈で、より原作の奥深さや、歪(いびつ)な様相が増して行く過程がとても興味深かったです。共演者の皆さまも以前よりご一緒させていただいている方々で、この奇妙な世界に飛び込む上で、とっても心強かったです。またご一緒出来てうれしかったです。

■「どことなくなんとなく」友人役・竜星涼コメント

友人役のオファーを頂き、初めてSF短編シリーズを読み進めるうちに、これが幼い頃よく見ていたアニメと同一人物の作品なのかと、衝撃を受けました。ブラックユーモアに溢れていてとても面白い。主人公は誰か? 岡山天音くん? これはやりたい! 二人で山に登りたい! そう思っていたのは僕だけかもしれませんが(笑)。過酷な山での撮影ではありましたが、素晴らしいロケーションのおかげでより壮大な映像になったと思います。藤子・F・不二雄さんのドラマ版の世界観をお楽しみ下さい。

■「どことなくなんとなく」天地の妻役・西野七瀬コメント

藤子・F・不二雄先生の作品といえば「ドラえもん」というイメージがありましたが、「どことなくなんとなく」は、不思議でダークな世界観で、藤子・F・不二雄先生の作品の振れ幅に驚きました。原作に忠実な部分とドラマならではの部分もあり、演じる上で難しいなと感じていましたが、江口監督、そしてこれまでも何度かご一緒している岡山天音さんとの撮影だったこともあって、安心して撮影することができました。ぜひご覧いただけたらうれしいです。

■「イヤなイヤなイヤな奴」ミズモリ役・増田貴久コメント

今回は「実際にはこんな人いないのでは?」と思うくらいギリギリの悪役キャラを演じさせていただきすごく面白かったです。原作漫画は何十回も読み返し、最後のオチに向けて、秘密を抱えたミズモリが、各シーンで何を思い、どのように生きているのかを考えつつ演じました。ミズモリの笑い方は原作通り「フェーヘッヘッ」とやりたいなと思って練習し、現場で監督の前でやったら一発OKでした。豪華なキャストの方々と共演させていただき楽しかったです。ここまでイヤな奴を演じたのは初めてです。どうぞぜひ見ていただいて僕を嫌いになってください!(笑)

■「イヤなイヤなイヤな奴」ヒノ役・萩原聖人コメント

メンバーが男性だけで、普通の人がいない(笑)チームだったので面白かったです。物語は、ボタンの掛け違いだらけなのですが、目的は一つという設定で、チームで演じる醍醐(だいご)味を味わいました。ヒノは熱血漢のキャラですが、怒りっぽい短気な役は演じていてエネルギーを使います。竹中さんは怒るところも適度に抜きながらなさっていて見ていて楽しそうでしたね(笑)。原作は、昔に描かれた未来の話ですが、やはり人間を描いているので普遍的なテーマになっていると思います。年齢を選ばない作品になると思うので楽しみです。

■「イヤなイヤなイヤな奴」キヤマ役・野間口徹コメント

藤子・F・不二雄の短編作品では、人間のさがみたいなものにグッとフォーカスするものがあって、もともと好きでしたので、この仕事が来た時は「やった!」と思いました。うちの子供に原作を読ませて「お父さんどの役やると思う?」と聞いたら「キヤマ」と即答でした(笑)。今回のキャストは気心知れているメンバーでしたので、原作にどこまで寄せるかのさじ加減も近くて、すごくやりやすかったです。原作を知らなくても十分楽しめる作品です。今の時代に自信をもって皆さんにお届けできると思います。

■「イヤなイヤなイヤな奴」ドイ役・浅利陽介コメント

SFが好きで、しかも藤子・F・不二雄先生の作品。絶対に面白い!! と思い作品へ参加させて頂きました。共演者の皆さんもすてきな方々ばかりで、楽しみながら撮影に臨むことが出来ました。中でも竹中直人さんとは、大河ドラマ「秀吉」(1996年)以来の約26年ぶりに共演ができてとってもうれしかったです。一緒のシーンでは終始笑いが起きていて、それを耐えることなく素直に笑っていました。撮影現場での楽しさが、視聴者の方々に伝わることを願います!

■「イヤなイヤなイヤな奴」キンダイチ役・飯島寛騎コメント

幼い頃から親しんできた藤子・F・不二雄先生の作品。「イヤなイヤなイヤな奴」は今回のお話を頂いたお陰で出会えた作品でした。50年も前に描いたとは思えないほど現代の人たちにリンクする部分やクスッと笑えるところ、そして人の本質が描かれている描写に圧倒されました。宇宙空間で大人たちが本気でふざけて真面目に作った本作、ぜひお楽しみにしていて下さい。

■「イヤなイヤなイヤな奴」船長ツキシマ役・竹中直人コメント

とても良いチームで楽しい撮影でした。自分のことを棚に上げて言いますが、キャストがみんな変で面白い! 大河ドラマ「秀吉」で子役のころ共演した浅利君と久しぶりに一緒になれたのもうれしかったですし、増田さんの「フェーヘッヘッ」という笑い方、最高でした。自分が演じた船長には、先入観を持ちたくないのであえて原作漫画は読まずに臨み、監督や周囲に合わせて演じました。少し頼りない船長になっています。みんなアクの強い人ばかりで、間違いなく面白くなると思うので、期待していてください。