アニメ「Opus.COLORs(オーパスカラーズ)」(毎週木曜深夜0:00よりTOKYO MX、BSイレブンにて放送、DMM TVにて独占配信)の第8話が5月25日に放送され、10年前に月見里和哉(CV:内山夕実)と多岐瀬響(CV:松田利冴)、そして和哉の両親・直輝(CV:福山潤)と朱莉(CV:名塚佳織)が乗った車が事故に遭う様子が描かれた。少年時代が無邪気で幸せそうだっただけに突然の悲劇が辛く、Twitterでも「しんどいすぎる」「あぁぁ、泣いてる」と悲痛な声が多く寄せられた。(以下、作品のネタバレを含みます)

■「Opus.COLORs(オーパスカラーズ)」とは

同アニメは企画・原案のひなた凛他、人気アニメ「スタミュ」のスタッフが再集結して制作したオリジナルアニメ。アーティストとグレーダーと呼ばれるプロデューサーが2人1組で取り組む新しいデジタルアート“パーセプションアート”に青春をかける少年たちが描かれる。声の出演は内田雄馬、逢坂良太、古川慎、花江夏樹、豊永利行、梅原裕一郎、島崎信長、八代拓、中島ヨシキ、鈴木崚汰ら。また、オープニングテーマは浦島坂田船が務める。

■10年前、パーセプションアートは危険視されてデモが行われていた…

物語は10年前、まだパーセプションアートが世間で認知されて間もない頃にさかのぼる。和哉の両親である月見里直輝・朱莉夫妻は、響の父・統梧(CV:鳥海浩輔)から依頼を受けて、永茜高校にパーセプションアート学科が新設されることを記念した作品を制作していた。

だが、当時の美術界ではパーセプションアートを危険視する考え方が主流であり、今回の件に関しても、何らかの抗議活動が行われるのではと懸念されていた。

少年時代の和哉、純、そして、響らは無邪気でかわいらしく、とても仲が良い。和哉がくしゃみをすると、響が自分のかけていたマフラーを解いて、和哉に巻いてやるほど和哉に対して優しく、見ていて心が和む。幼少期の声は和哉を内山、響を松田、純を松岡美里が担当。和也は無邪気で響は大人びたところがあり、純は天真らんまんな雰囲気がよく出ていて、それぞれに魅力がある。

統梧は直輝と朱莉のことを思い、作品はパーセプションアート学科新設セレモニーと切り離すことや名前を伏せての展示を提案する。しかし、朱莉は作品に統梧の亡き妻・結愛の意志もこもっていること、直輝は作品を恥じたり恐れたりすることなく堂々と後の世代に残したいことを述べて、統梧の申し出を断る。和哉の両親の考えと態度が立派でかっこよくてほれぼれする。

雪の降るセレモニー当日。靴下をたどたどしく一生懸命に履いて和哉も正装し、直輝の運転する車の後部座席に響と並んで座って会場へと向かう。街ではパーセプションアートが危険だと主張する反対デモが行われていた。

■和哉が病院のベッドで目を覚ますと…

デモに参加している子供が転び、それを避けようとしたトラックが和哉らの車に突っ込んでくる。ドーンという重い衝突音のあと、朧気な意識の和哉を救い出す直輝、響の手を引いて走る朱莉。その後、大きな爆発が起きる。これまでのストーリーに度々、登場してきた事故とはこんなに悲劇的なものだったのかと見ているほうもショックを受けてしまう。

頭に包帯を巻いて病院のベッドで目を覚ます和哉。傍らに座る統梧が気分はどうかと声をかけてくる。「お父さんとお母さんは?」と尋ねる和哉に統梧は「君は子供だけどなるべく誠実な言葉で伝えるよ」と事故の生々しい痕跡が残るメモリーを和哉の手に握らせるのだった。

表情を無くし、言葉数も少ない和哉。あんなに無邪気だったのにと思うと涙が止まらなくなる。それでも、和哉を気遣う純に支えられながら、純と共に日々を過ごす和哉。

ある夜、父親と母親が生きている夢を見て夜中に目を覚ました和哉は、パーセプションアートのゴーグルをかけて形見のメモリーをセットする。すると、和哉に超感覚的なスイッチが入ったかのようにパーセプションアートの世界が広がる。

■事故から感情を表に出さなかった和哉の目に涙が溢れる

一匹のオオカミが姿を現し、一対の蝶々が舞い上がり、「お父さん…お母さん…」と和哉がつぶやく。「お前が見せてくれたの…?」とオオカミを恐る恐るなでて、涙を流す和哉。事故の日から初めて和哉が感情を表に出して泣いている姿に、こちらも涙がとめどなく溢れてしまう。

翌日は靴下をスムーズに履いて、心なしか少し成長した面持ちを見せる和哉。純に呼ばれて外に出ると、和哉は純を待たせて響の家へと向かう。お互い大丈夫だったことを確認すると、和哉は響から借りていたマフラーを返す。

和哉が帰ろうとすると響は「僕、アーティストになるのやめる」と告げて、家の中に入ってしまう。その日から、和哉は響と距離ができたまま成長する。響が永茜高校の寮に入る日も、純に誘われても和哉は見送りに行かないのだった。

幼少期がピュアで楽しげだっただけに、事故のギャップが大きく、あまりにもひどい出来事に胸が痛くなってしまう。Twitterでも「しんどいすぎる」「あぁぁ、泣いてる」「今回の話、辛すぎる」「和哉ああああっ」「え、無理……」「3人ともあんな天使みたいな笑顔で笑ってたのに……」と打ちひしがれるコメントが多数寄せられていた。

※島崎信長の「崎」は正しくは「たつさき」

◆構成・文=牧島史佳