俳優、声優、YouTuberとして幅広いフィールドで活躍中の染谷俊之の魅力に迫るWEBザテレビジョンの連載「月刊染谷WEBマガジン」。毎月、深掘りインタビューを敢行し、仕事の近況からプライベートまで、事務所NGギリギリの質問をぶつけて“染様(染谷俊之の愛称)”を丸裸にします。今年デビュー15周年の節目ということで、第21回はこれまでの俳優人生を振り返ってもらいました。
■一度は諦めた芸能界。母親が取った行動が運命を変える
──デビュー15周年おめでとうございます! まずは芸能界に入ったきっかけを教えてください。
今年で15周年って、最近知りました。なのであまり実感がないのですが(苦笑)。芸能界に入ったのは19歳のときです。事務所の社長が経営しているブティックにたまたま母親が行っていて、「芸能事務所もやっている」という話を聞いて「ウチの息子どうですか?」と写真を見せて売り込んだのがきっかけです。
──もともと芸能界に興味があったのですか?
そうですね。中学生のとき、クラスの女子がいろいろな事務所に僕の履歴書を勝手に送っていて、とある事務所に合格したんです。「だったらやってみようかな」と思い、高校生になってから、その事務所が運営する養成所に通っていた時期がありました。でもすぐに辞めちゃって、将来は教師になろうと進路を変更しました。
──クラスの女子が履歴書を勝手に送るって、ほんとにあるんですね! 休み時間に別のクラスの女子生徒が見に来るくらい目立つ存在だったのですか?
見に来ていましたね(笑)。僕がちょっとズルかったのは、中学に入学するタイミングで引っ越しをしたんです。だから同じ小学校出身の子が全くいなくて、転校生みたいな感じでした。転校生って、目立つじゃないですか? それも影響していたと思います。
──そんな女子たちの推薦で合格した芸能事務所をどうして辞めてしまったのですか?
養成所で演技の基礎を学んでいたのですが、全然うまくできませんでした。初めて人前でセリフを喋る稽古をしたとき、緊張して頭の真っ白になっちゃって。「やっぱり僕には、この仕事は向いていないな」と思いました。
──それがどうしてまた、今の事務所に入ろうと思ったのですか?
当時は大学生で、教員を目指して勉強していました。でも母はもちろん、僕が高校生のときに養成所に通っていたことを知っているので、「もしかしたらまだ興味があるのではないか」と社長に写真を見せたそうなんです。それで「一度、社長さんに会いに行って」と母に言われ、「会うくらいなら」と軽い気持ちで行ったら、いきなり宣材写真を撮られて。実は社長の中ではすでに合格だったみたいです。なので大学生の間だけ、アルバイト的な軽い気持ちで「もう一度やってみよう」と思ったんです。それで演技のワークショップに参加して、徐々にエキストラとしてドラマや映画に少しだけ出させていただくようになりました。
──エキストラとして最初に出演した作品を覚えていますか?
確かドラマ「栞と紙魚子(しみこ)の怪奇事件簿」(2008年)だったかと思います。前田敦子さんと南沢奈央さんがダブル主演で、学生服を着て、2人の後ろを通るだけだったのですが、めちゃくちゃ緊張しましたね。映画だと、中村優一くん主演の「体育館ベイビー」(2008年)。高校の競泳部の話だったんですけど、その他大勢の部員の1人でした。真冬の撮影でプールがすごく寒かったのを覚えています。
■辛い下積み時代を経て、25歳でついに大役をつかむ
──芸能活動をしつつも、あくまでも将来の目標は教員とのこと。それがどうして俳優の道に進むことになったのでしょうか?
転機になったのは、ドラマ「恋して悪魔〜ヴァンパイア☆ボーイ〜」(2009年)です。オーディションに受かって、主演の中山優馬くんのクラスメイト役で、そんなに多くはなかったんですけど、セリフもありました。その撮影と教育実習の時期が重なってしまい、どちらかを選ばなければいけなくなったんです。すごく悩みましたが、これまでワークショップでコツコツ頑張ってきて、せっかくオーディションにも受かったので、結局ドラマを選びました。
──それからは芸能活動一本に絞ったわけですね。
そうですね。大学4年になると単位をほとんど取っていたので時間に余裕ができて、そこからは舞台にも本格的に挑戦するようになりました。初めての商業用の舞台で役をいただいたのが、22歳のときの「ロイヤルホ☆ト」(2010年)。そんなに重要な役ではなかったんですけど、ホストの1人を演じさせてもらいました。
──以降は順調にキャリアを重ねていったんですか?
その後すぐに、アンサンブル(役名のないキャスト)なんですけど冒頭で台本5ページくらいの長セリフがある役をいただいたりもしましたが、基本的にはしばらく下積みが続きました。なので当然アルバイトもしていました。いろいろやりましたけど、長かったのが焼き鳥店。めちゃくちゃ過酷でしたね。深夜のシフトに入って、夜10時から朝6時まで働いて、家に帰ってちょっと仮眠を取ってから舞台の稽古に行く、みたいな毎日でした。でもまだ20代前半と若かったですし、自分がやりたくてやっていたことなので苦ではなかったですね。
──そして2012年、ミュージカル「テニスの王子様2ndシーズン」の平古場 凛(ひらこば りん)役を射止めました。
それまでオーディションで落ちることが多くて、さすがにずっとアルバイトで生活をしていくのは厳しいと考え始めていました。それで「25歳までに芽が出なかったら役者を辞めよう」と決心したときに、ちょうど「テニスの王子様」のオーディションに受かったんです。この作品で多くの方に、染谷俊之の顔と名前を知ってもらえるようになり、アルバイトを辞めることができました。そういう意味では、大きな転機となった作品です。
■「僕にとってはいつでも全盛期」。この瞬間を全力で駆けていく
──以降は舞台や映像を中心に俳優として広く活躍され、声優やYouTubeなどにも挑戦されています。改めてどんな15年でしたか?
長いようで、あっという間でしたね。裏を返せば、すごく充実した15年間だったと思います。(主演映画の)「カニを喰べる。」シリーズをはじめ、過酷な撮影も多くて、けっこうな修羅場をくぐり抜けてきたと自負しています。デビュー10周年のときは、記念の写真集を出したので、今回も何かできればいいなと思っています。
──染谷さんについて、最新主演映画「パラダイス/半島」(2023年)の稲葉雄介監督は「気持ちを盛り上げたり、クレバーに頭で考えたりと、シーンに応じて切り替えることができる俳優」と評していました。15年間キャリアを重ねてきて、演技に対する意識など、以前と変わってきたことはありますか?
いい意味でどんどん柔軟になってきていると思います。20代のころ、僕はけっこう頑固で「絶対にこう演じるんだ」と意地になっていた部分がありました。でも30歳を越えて「相手役の役者さんがこう演じてくるならば、ここはこうしてみよう」と柔軟に対応できるようになりましたね。「演技をガチガチに決めなくてもいいんじゃないか」と思う反面、譲れないところは自分の意志を貫くというふうに、メリハリをつけています。
──最後に20周年、30周年に向けて、今後の抱負をお願いします。
まずは感謝の気持ちを忘れず、今後もいただけるお仕事を精一杯頑張りたいです。(仕事が)なくなるのが一番怖いので、忙しいくらいがちょうどいいですね。昨年末、マネージャーさんと「2023年は忙しくしよう」と話し合って、実際に上半期はけっこうバタバタしたんですが、こういう忙しさも久しぶりで楽しいなと思いました。今後20周年、30周年を迎えても、基本的なスタンスは変わりません。僕はいつでも全盛期だと思っています。今年で36歳になるんですが、この年齢だからこそ、できることもたくさんあります。だからこそ、この瞬間を精一杯駆け抜けていきますので、今後とも応援をよろしくお願いいたします!
取材・文=河合哲治郎
染谷俊之がデビュー15周年を回顧「25歳までに芽が出なかったら辞めるつもりでした」

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