深川麻衣が主演し、前田敦子と石井杏奈が共演するドラマ「彼女たちの犯罪」(毎週木曜夜11:59-0:54、日本テレビ系、Huluでも配信)の第10話が9月21日に放送され、最終回を迎えた。犯罪計画の裏にあった思いなどが判明し、視聴者に涙をもたらした結末へ。また、役者陣への称賛も寄せられた。(以下、ネタバレを含みます)

■幸せを望んだ繭美らの結末

同ドラマの原作は、横関大による同名小説。

主人公の容姿端麗で仕事も充実しているが恋愛だけがうまくいかない日村繭美(深川)と、ハイスぺ医師と結婚するが自由がない神野由香里(前田)、使命感ゆえに思い悩む新人刑事の熊沢理子(石井)という3人の女性によるサスペンスとなる。

“普通の幸せ”を望み、葛藤を抱えながらも、それぞれの日常を暮らしていた彼女たちが、ある日を境に人生が思いもよらない方向へと進んで行く様子をスリリングに描く。

幸せになりたかっただけ。繭美は由香里の夫・智明(毎熊克哉)の妻の座を、由香里は自由を求め、自殺願望のあった由香里の友人・翠(さとうほなみ)と由香里が入れ替わって自殺する計画。その計画を主導した理子には、大学時代に性的乱暴された智明への恨みがあった。

ただ、その計画は由香里が実は無戸籍のアイという女性で、本物のユカリ(南沢奈央)と入れ替わっていたことで変更が生じ、それがほころびの一つともなった。“席”をトレードするために偽装自殺計画を企てた繭美、由香里、理子の結末は、悲しく切ないものだった。

■自首を決意した繭美が首を絞められる壮絶な修羅場に…

静岡・伊東で見つかった遺体がユカリであることが判明し、繭美と智明が会っていた場所でユカリの血痕が見つかったことから、繭美ら3人は指名手配された。

迷惑をかけたことを義理の両親に謝るため、神野家を訪れた由香里だったが、そこで繭美からの電話を智明が強引に聞き、繭美と理子がいる場所へ向かった。

一方、膵臓の腫瘍が原因で余命宣告を受けていた理子に「この件は全て私がやったことにします」と打ち明けられていた繭美は、自首することを決意。「私が何より大事にしてきたものって、結局他人にどう思われるかなんだって。そのために私ずっと必死になって。でも、それって犯罪までして守る価値あったのかな」と気付きと後悔をしていたのだ。

そこに由香里と共に智明が現われ、自分を巻き込んだ怒りをぶつける。さらに、大学時代の理子とのことは合意の上だと主張する智明だったが、理子は自分が好きだったのは繭美で同意することはあり得ないと反対した。

智明は子どもができていたことにがく然とするが、「あなたの罪は消えない」と言った繭美に逆上し、首を絞めた。そこに刑事の上原(野間口徹)らがやって来て、繭美、由香里、理子は逮捕されるという展開になった。


■メインキャストから脇役まで演技に称賛の声

10話にわたり、幸せを求める女性たちの思いを丁寧に表現し、原作とは違うオリジナル展開を見せた犯罪計画のスリリングさをけん引してきた深川、前田、石井。

SNSでは「ラスト数分涙止まらん」「今期1番泣いた」「最後の理子のところは涙無しには見られなかった」ともらい泣きした感想のほか、「女優陣の狂気的な演技も素晴らしかった」「3人の徐々に追い詰められていく表情と演技が良かった」など演技への感想も続々と上がった。

また、演技については、エリート医師が実はクズ男という側面を最後までいかんなく発揮した毎熊や、切れ者の刑事であり、後輩の理子を案じる優しさを両立させた野間口、ラストで理子に救われた思いを理子の息子・大輔(高木波瑠)の里親になるという希望につなげる翠を演じ、ナレーションも担当したさとうにも称賛が寄せられた。

◆文=ザテレビジョンドラマ部