乃木坂46の中心メンバーとして活動する山下美月が、鈴木亮平主演の日曜劇場「下剋上球児」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系)に出演中。日曜劇場初出演となる山下は、今作で越山高校野球部員の1人・根室知廣(兵頭功海)の姉で、事故で他界した両親に代わり弟の面倒や祖母の介護をしながら美容師として働く根室柚希を演じている。このたび、WEBザテレビジョンでは山下にインタビューを実施。撮影の裏話や、共演者とのエピソードついて語ってくれた他、多方面で活躍する山下が女優業への思いを明かした。

■新井順子P×塚原あゆ子監督が手掛ける初の日曜劇場作品

同ドラマは高校野球を通して、現代社会の教育や地域、家族が抱える問題やさまざまな愛を描くドリームヒューマンエンターテインメント。

スタッフ陣は、「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」(2022年)、「最愛」(2021年)、「MIU404」(2020年、全てTBS系)をはじめ、多くの人気ドラマを世に送り出してきた新井順子プロデューサーと塚原あゆ子監督。ドラマファンに愛される二人のタッグによる、初の日曜劇場枠での作品となる。また、脚本はこれまでも二人の作品を数多く手掛けてきた奥寺佐渡子氏が担当している。

■仕事のモチベーションは“人との縁”「一生の財産になる」

――今回、日曜劇場初出演となりますが、今作への出演が決定したときの感想を教えてください。

私自身、本業であるアイドルを軸として活動しているので、“もっと女優としてキャリアアップをしなきゃ!”という考えよりも、いろんなお仕事をさせていただいているからこそ、人との出会いがたくさんあり、それは一生の財産になると感じています。

だからこそ“一度共演した方とまた共演したい”、“またこのスタッフさんとどこかの現場でご一緒したい”というのを仕事のモチベーションにしているんです。

日曜劇場で私自身今までもたくさんの作品を見させていただいてきたので、皆さんの期待に応えられるように頑張りたいなという気持ちでした。

――改めて、山下さん演じる根室柚希はどんなキャラクターですか?

柚希は知廣のお姉ちゃんなのですが、少し臆病な性格の知廣に対して、姉の柚希はハツラツとしたキャラクターです。その裏には、事故で両親を亡くして、一人で頑張っていかなきゃいけないという責任感もあって…明るくて活動的な姉を演じています。

――演じる上で大切にしていることを教えてください。

知廣くんを演じていらっしゃる兵頭さんは実年齢でいうと私よりも1歳年上で、身長も高いですし、最初は“私の方が妹に見えちゃうんじゃないか?”と心配していたんです。

なので、言葉の勢いに加えて、肩をバシバシと叩くお芝居をしていたら、兵頭さんが「全然頭叩いて大丈夫ですからね」とこっそり言ってきてくださって。“身長高すぎて届かないな…”と思いながらも、何気ないきょうだいのやり取りを大切にしながら演じています。


■座長・鈴木亮平は「寄り添う方」

――主演の鈴木さんとは共演シーンもありますが、どんな方でしたか?

亮平さんは元々お芝居に対してストイックな印象があったのですが、実際に現場でご一緒してみて “寄り添う”方だなと思いました。ご自身のお芝居だけでなく、私や他のキャストの皆さんの心情まで一緒に考えてくださって、作品に挑む姿勢がすごく勉強になるなと思いました。

――以前別作品で新井プロデューサーに取材した際に、登場人物の細かい裏設定を記した資料を渡しているとお伺いしたのですが、今作もあったのでしょうか。

そうですね、台本から読み取れる以上の設定が書かれた資料をいただきました!

――柚希に関して何か印象的な項目はありましたか?

趣味の項目に「かき氷店巡り」と書いてあったんです、とても意外ですよね! 私も“かわいいな…”と思いました (笑)。

――そんな細かい裏設定も頭に入れながら役作りを進めていったのですね。

もちろん自分自身の役への理解も深めますが、私は周りのキャラクターがどんな人物なのかを想像しながら台本を読むように意識していて。“この人の顔を見たときにどんな感情を最初に抱くんだろう”と考えるところから入るようにしています。

――塚原監督とは「着飾る恋には理由があって」(2021年、TBS系)以来かと思いますが、どんな印象でしょうか?

前回は私が21歳のときにご一緒させていただいたのですが、毎日、毎秒勉強させていただいたなと思っています。現場で何を見たらいいか、台本はどう読めばいいのかなど、教えてくださる部分もありますし、塚原さんの行動を見て学んだことも多いです。ご一緒させていただくだけで一回りも、二回りも成長させていただける、お姉ちゃんのようです。

――「着飾る恋には理由があって」出演時のインタビューで「自分が納得できる芝居をできるようになりたい」とお話されていましたが、現在までの約2年半でご自身が満足できるお芝居はありましたか?

“これ100点だったな!”とか、“今の(演技は)完璧だったな”とは全然思えなくて…。自信を持つのはなかなか難しいのですが、だからこそもっと頑張ろうと思えます。

でも、作品に呼んでいただく機会はこの1、2年で着実に増えていますし、役の幅も広がっているので、少しずつですが前には進めているのかなと感じています!


■「前向きに楽しくお仕事ができていればいいな」

――本作の魅力はどういった部分なのでしょうか?

「下剋上球児」は高校球児たちの物語でもあるのですが、一言で“スポ根ドラマ”とは言い切れなくて。もちろん球児たちもフィーチャーされますが、球児を支える周りの大人たちもすごく魅力的に、そして奥深く描かれています。

私自身、夏の甲子園はテレビの放送で見ているのですが、そうなるとどうしても球児の方に目が行きがちで…。ですが、そんな球児たちを支える家族や先生方の奮闘だったり、裏側みたいな部分もこのドラマではリアルに描かれているので、魅力的だなと思いました。

――来年には25歳を迎え、間もなく20代も折り返しとなりますが、30歳までになっていたい“理想像”はありますか?

今回ご一緒している黒木華さんとは、私が乃木坂46に加入して初めて出演した映画「日日是好日」(2018年)で共演して以来、約5年ぶりにお会いしたのですが、その時のことを覚えていてくださって。

現場でもいろいろと声を掛けてくださったり、すごく優しくて、“こういう大人になりたいな”と憧れているので、そうやって前向きに楽しくお仕事ができていればいいなと思います。

――最後に読者へのメッセージをお願いします。

日曜劇場ということもあって、すごくスケールが大きくて、登場人物もたくさん出てきます。クスっと笑える部分もありますが、やっぱり人とのつながりはどの場面においても重要なんだなと台本を読む中で感じたので、登場人物たちの温かさが見ている皆さんにも伝わるといいなと思います。