乃木坂46の4期生であり、野球好きと知られる黒見明香がメジャーリーグベースボール(以下、MLB)の魅力を伝える初冠企画MLB連載「9-6-3のファインプレー!」。乃木坂46の野球好きの久保史緒里・向井葉月・金川紗耶・柴田柚菜と共に結成された「乃木坂野球部」のメンバーであり、「ABEMA BASEBALL SPECIAL SUPPORTER」としてゲスト出演する「ABEMA」のMLB中継内では、あらゆる野球データが記載された直筆の通称・黒見ノートが視聴者の間で「レベルが高すぎる」と度々話題になった。
ワールドチャンピオンがア・リーグ覇者の「テキサス・レンジャーズ」が対戦成績4勝1敗でダイヤモンドバックスを下して初優勝を果たし、2023年のMLBも全日程が終了した。今回から2回に渡って黒見が、都内屈指のMLBグッズを取り扱うショップ「セレクション」に突撃取材!MLBを知り尽くした店員さんに、今年のトレンドや気になるグッズの話を取材すると共に、黒見が考えるMLBコーディネイトを紹介する。第9回は前編です。

■<都内屈指のMLBショップ「セレクション」に突撃取材>
店内にはMLB30球団のキャップやユニフォームをはじめ、さまざまなグッズが、ところ狭しと並ぶ。黒見はプライベートでも訪れたことがあるという「セレクション」の充実のラインナップに興味津々。自身のグッとくるコーデを探すために、販売員の岩田直道さんに突撃取材を敢行した。

黒見:今年はワールドベースボールクラシック(以下WBC)もあり、たくさんのお客さんが訪れたとお聞きしました。

岩田:そうですね。WBCから火がついて、大谷翔平選手のグッズを求め、例年以上に多くの方が足を運んでくださいました。

黒見:確かにWBC以降、メディアで大谷選手をはじめ、吉田正尚選手、千賀滉大投手などを取り上げることが増えてきた気がしますが、それが売り上げに反映しているのですね。

岩田:MLBの中継をご覧になる方も増えてきており、スタンドのファンのファッションも目にすることが多くなっているんでしょうね。写真などを持ってきて「このユニフォームやTシャツありますか?」と聞かれることも増えています。最近特徴的なのは、ご高齢の方が増えています。朝にBSの中継をご覧になっているのでしょうね。大谷選手のグッズを求める年配の方も多いです。

■<MLBグッズの女性人気も急上昇>
黒見:女性のお客さんは増えていますか?

岩田:大谷選手の試合や取材の様子を追いかけている女性は非常に多く、いろいろなグッズの問い合わせがありますね。皆さん大谷選手を愛しているんだなというのがすごく伝わります。

黒見:女性のお客さんのトレンドはありますか?

岩田:女性だと普段使いできるキャップやTシャツなどですかね。あまり主張していないけれど、よく見るとエンゼルスのものだったり、シンプルなロゴの商品が人気あります。もちろん定番の大谷選手の背番号の入ったTシャツなども人気ですけれどね。

黒見:女性のキャップやストラップなど、普段使いしやすいというのがキーワードなのかもしれませんね。

岩田:大谷選手とヌートバー選手のコラボグッズなども人気がありました。好きな選手のグッズを家に置きたいという方も増えてきています。

■<吉田選手や千賀投手のグッズも注目度が高い>
黒見:大谷選手以外の日本人選手の商品も人気ですか?

岩田:今年でいうと吉田選手や千賀投手がルーキーイヤーでしたが、活躍していましたよね。大谷選手きっかけでMLBを見始めた人が、吉田選手や千賀投手のグッズを買っていかれるケースも多くなりました。MLB全体に興味を持ってくださるようになったお客さまも増えてきている印象があります。

黒見:日本人以外の外国人選手、例えばマイク・トラウト選手などは“トラウタニ弾”なんて言葉も流行り、トラウタニTシャツなんかも販売されていますが、どんな選手が売れ筋ですか?

岩田:エンゼルス以外の選手だと、パドレスのフェルナンド・タティス・ジュニア選手は、カリスマ性があるので、若い人に人気がありますね。パドレスは、ダルビッシュ有投手がいることもありますが、キャップが凄く人気でした。ブラウンの生地に黄色のロゴのキャップは一時期ずっと品切れしていました。若い人にはパドレス人気が高いですね。

黒見:そうなんですね。確かに大学にも大谷選手はもちろんですが、タティス・ジュニア選手が好きという子も結構いるんです。結構MLBに興味を持つ人の入り口になっている選手ではありますよね。パドレスのサンディエゴと書いているキャップは可愛らしいデザインということもありますが、結構被っている方に遭遇します。エンゼルスと同じぐらいパドレスのキャップは良く見かけます。

岩田:アメリカってオールスターやイベントに合わせてデザインの違うキャップが出ることが多く、カラーリングも違うので、同じチームキャップでもバリエーションがいろいろあるんですよね。そういう部分でもおしゃれに被っている方はいますね。

黒見:ちょうど私の目の前にマリナーズ時代のイチロー選手のユニフォームが飾ってあるのですが、ダルビッシュ投手もそうですが、移籍ごとのユニフォームもコレクションされる方は多いのですか?

岩田:そうですね。好きな選手がいる方だと、歴代のチームのグッズを集めると、その選手の歴史を感じられるので、収集している方は多いですね。特にMLBは移籍が活発なので、移籍が噂される選手などは、早めに押さえておこうという方はいらっしゃいます。移籍してしまうと、元のチームのグッズは作られなくなってしまうので、希少価値が上がりますからね。

黒見:以前のチームのユニフォームを買いに来る方も多いですか?

岩田:多いですね。在籍しているときは「いつか買おう」と思っていても、なかなか買わない人も多いのですが、いざ移籍してしまうと、急に欲しくなるという心理はあるのかもしれません。ただ先ほども申し上げましたが、移籍してしまうと元のチームでは基本グッズ生産がなくなるので、早い者勝ちになってしまいます。

――藤浪選手もオークランド・アスレチックスからボルチモア・オリオールズに急遽トレードになりましたが、そういう場合、どのぐらいでグッズというのは作られるのですか?

岩田:日本人選手に関しては、MLBは日本のプロ野球のように、全選手のユニフォームやTシャツは作られないので、オリオールズに移籍直後には藤浪選手の背番号が入ったTシャツなどは販売されていませんでした。ただMLBのラインセンスを取って販売している「500 LEVEL」というブランドでは、若い選手や主要の選手と言われていない選手でもイラストTシャツなどを作っているんです。特に日本人選手は需要があるので、結構すぐに作られる傾向があります。もちろん活躍次第ですが、人気選手だと1〜3週間ぐらいで出てくることもあります。

黒見:日本では現地に試合を観戦に行くと、お土産としてグッズを買われる方が多いと思うのですが、MLBでもそういう需要があるから、いろいろなグッズが作られるんですね。

岩田:日本人の観光客も増えていますし、他の選手に比べたら日本人選手のグッズは増える傾向ですね。

■<外国人観光客からも日本人選手のグッズが人気>
黒見:ホームページを見ていると、海外のお客さんがお店に訪れているケースも多いようですが、外国の方はどんなグッズを買われるのですか?

岩田:毎日外国人観光客が来訪してくださいます。大阪にも店舗があるのですが、アメリカでもこうして全30球団のグッズが揃っている店は、ニューヨークに1店舗あるぐらいなので、日本に来た観光客の方は、日本人のグッズを買われて行く方は多いですね。特に大谷選手は、海外の方のなかでも知名度は高いので、ユニフォームとキャップの定番セットを買われる方が多いですが、日本らしいものが欲しいと探している方もいます。

黒見:外国の方々でも大谷選手は一番人気ですか?

岩田:もちろん大谷選手は人気があります。あとはニューヨークから来たというメッツファンは「千賀投手のグッズはありますか?」と聞かれることが多いですね。あとは逆パターンとして、大谷選手や吉田選手、千賀投手が所属していた日本ハムファイターズやオリックスバファローズ、福岡ソフトバンクホークス時代のグッズやユニフォームを探しているというケースもあります。

まだまだ興味が尽きない黒見だが、一旦売れ筋の取材は終了。次回はいよいよ黒見が選ぶMBLコーディネイトのために、具体的な組み合わせのヒントや、「セレクション」が選ぶ激レアグッズが並ぶショーケースのお宝紹介などをお届けします。

■定番体当たり企画「くろみんMLBモノマネ」
プロ野球解説者の里崎智也さんのバッティングモノマネが話題になり、直々にバッティングフォームを伝授された黒見さん。知識だけでなく身体を張ってMLBに数多くいる特徴的な“癖スゴッ”選手の再現に黒見さんが果敢に挑戦!あなたは正解に辿り着けるか!?

前回の答えは、ドミニカ共和国出身で伸びのあるフォーシームを武器に戦う「ミルウォーキー・ブルワーズ」所属のフレディ・ペラルタ選手でした。今年8月には、5勝0敗、防御率2.10、46奪三振の活躍で自身初の月間最優秀選手に選出されました。

次週は番外編「MLBをファッションで楽しむ」後編をお届け致します。

取材協力:セレクション新宿本店(東京都新宿区西新宿7-22-37 ストーク西新宿福星ビル105)