11月7日に放送された野球トークバラエティ「ダグアウト!!!」(毎週火曜夜10:00-11:00、BSJapanext<263ch>)。今回は、現役時代に千葉ロッテマリーンズで大活躍をした里崎智也をゲストに迎え、現役時代のエピソードを深掘り。初めて見つけた“千葉ロッテファン芸能人”をロックオンしつつ、芸人顔負けのトークスキルでスタジオを賑わせた。

■初めての“千葉ロッテファン芸能人”をロックオン

今回のMCは市川いずみと千葉ロッテ大好き芸人ぺこぱ・松陰寺太勇。ゲストは、千葉ロッテマリーンズの躍進に大きく貢献した里崎智也だ。

松陰寺は千葉ロッテファンということもあり、ユニフォームを着て収録に臨むほど気合十分。千葉ロッテ好きの芸能人は今までなかなかいなかったようで、里崎からは「やっと出てきたロッテ代表の芸能人」と呼ばれて嬉しそうな表情を浮かべていた。

しかし里崎が大きく喜ぶのには、仕方ない事情があるそう。以前別の番組で12球団特集が組まれたとき、他球団にはファンの芸能人がゲストにきていたのに、千葉ロッテだけはOBである里崎が常に出演しなければならなかったという。「そこらへんのタレントよりも喋れちゃうからですよ」と松陰寺からトークスキルを褒められた里崎だったが、「やっと松陰寺さんにバトンパスできます」と“千葉ロッテファン芸能人”との触れ合いを祝福する。

続いて、ファンらしく「里さんはレジェンドすぎます。2005年も、2010年も里さんいなかったら日本一になってないですからね」と松陰寺。里崎も持ち前の度胸で「まあそれは過言じゃないですね」と顔色ひとつ変えずに切り返すと、「今のチームに一番足りないのは…僕かもしれない」とボケ倒していた。

現役時代はチームメイトにも積極的に意見を言い、ときには感情を露わにすることもあったという里崎。しかしいまは我を出す選手がおらず、里崎から言わせてみると“千葉ロッテに限らず日本全国が大人しい”ようだ。

■「これといった選手がいない」里崎が思う今のロッテに足りないもの

「今年のロッテについて、もうちょっとここ頑張ればよかったのになぁ、とかダメ出し的なことを聞きたいです」と松陰寺が切り出した。ファンとして真剣な表情の松陰寺に対し、里崎は「これっていう選手がいない」とバッサリ。今の千葉ロッテには、野手も含めて主軸となる選手がいないというのだ。

「これっていう選手は佐々木朗希だけなんですよ」と続ける里崎。チームについて、佐々木が移籍した途端に怒涛の連敗を喫した事実を挙げた。野手で日本代表に招集される選手がいないことや、ホーム球場が狭いことからアウェイの球場でホームランを打ちづらいことなど、独自の見解で現在の状況を招いてしまった理由を語る。

ここ数年の不調は編成、育成、選手のどこに問題があるのか。里崎は“選手”だと自論を述べる。形は教えることができても、人によって感覚は大きく異なるもの。教えたスキルが抜群の効果を発揮するタイミングは人それぞれなので、教えることが難しい。総じて「野球は5割しか教えられない」という名言も飛び出した。「タイミングは教えることができない」という言葉は芸人の世界にも通じるものがあるようで、松陰寺と里崎が熱く語る場面も。

また、里崎が千葉ロッテに在籍していた時と何が違うのかを問われると「日本代表の選手がいない」と厳しい意見が飛び出した。里崎が在籍していた2006年当時、約30人ほど選抜される日本代表メンバーのうち千葉ロッテのメンバーは8人。そして8人中7人が主力となって成績を残し、チームの優勝という華々しい結果をもたらした。いまの千葉ロッテを昔のように強い球団にするためには、時間をかけて底上げしていくことが大切だと語る。

たとえば里崎自身、現役時代にレギュラーを掴めたきっかけは“打てるようになった”からだという。当時はチームの打線に課題があると考え、「打てたらレギュラーになれる」と信じてバッティングの練習ばかりをしていたそうだ。

チームを愛するからこそ飛び出す厳しい意見の数々に、松陰寺は終始複雑そうな表情で深くうなずいていた。

■軽いノリとは裏腹に、クールな頭脳が垣間見える里崎

里崎は現役を引退してから、バラエティ番組やYouTube、そして野球解説や野球教室など活動の場を広げている。エイプリルフールネタから始まり、最終的にロッテからYouTubeチャンネルを譲渡される形で独自のチャンネルとして運営を始めたそうだ。

番組でもYouTubeやバラエティ出演などをあげて「引退してから1億円いくほうが早かったっす」とドヤ顔を見せていたが、その成功を支えたのは誰からも愛されるキャラクターと、松陰寺も認めるほどのトークスキルだろう。番組で展開していた分析には内部の人間だったからこその説得力があり、内容はあくまで事実ベース。推測と見解をしっかり分ける語り口は、もはやベテランの域といえる。

球界にはご意見番と言われる人は数多いものの、次代のご意見番として里崎の名前が挙がる日もそう遠くはないかもしれない。