CS放送「衛星劇場」では、「VHSを巻き戻せ!俺たちのOVA特集 vol.3」と題し、11月、12月にOVA(オリジナル・ビデオ・アニメ)作品を特集放送中。さらに、この特集を盛り上げるべくトーク番組「甦れ青春!OVA座談会」の放送も決定。11月25日(土)他に前編、12月9日(土)他に後編が放送される。WEBザテレビジョンでは、この収録に密着。「機動戦士ガンダムZZ」や「サイレント×メビウス」などで知られる声優の松井菜桜子、数々のヒットアニメを送り出したアニメプロデューサーの諏訪道彦、脚本家の上江洲誠、ニッポン放送の吉田尚記アナウンサーと、OVAに造詣が深い出演者が顔を揃え、熱いトークを繰り広げた様子をリポートする。

■吉田尚記&上江洲誠が松井菜桜子を前に感動

冒頭から「なんてマニアックな企画が衛星劇場では行われるのでしょうか」と笑いながらも、「33年くらいアニメを好きでずっと見ております」と気合十分な吉田アナ。松井との対面に「『サイレントメビウス』とか、僕、劇場まで行って並んで見ていました」と興奮すると、同作で主人公の香津美・リキュールを演じていた松井は「並んで!?」「感動です」と喜んでいた。

また、アニメ「この素晴らしい世界の祝福を!」などを手掛け、業界きってのOVAオタクでもある上江洲は「デビュー20年になりました。この方々とお話ができる現場に来られるくらいのところにまで来ちゃったんだ」としみじみ。読売テレビの「アニメだいすき!」により地上波でOVAを流す文化を作り出した諏訪や、数々のOVA作品に出演する松井を前に、上江洲は「児童の時に皆さんのお仕事を見て感激して、その気持ちのまま今日ここまで仕事をしてきている」と目を輝かせていた。

■松井菜桜子が「タイムボカン王道復古」のアフレコを生披露

番組は11月25日(土)に放送する前編、12月9日(土)に放送する後編に分けて収録。前編では諏訪が「アニメだいすき!」企画に至った背景を明かしたり、松井がSFアニメ「ガルフォース」キャストの“少し揉めた”エピソードをぶっちゃけたりと、貴重な裏話が次々と飛び出す。さらには収録現場がアフレコスタジオであることから、松井が「タイムボカン王道復古」のロリコンダー・セーラームンムン・オバンバーの声を生披露するサービスも。

後編の収録では、「俺たちのOVAドラフト会議」と題し、出演者たちがテーマに沿って懐かしのタイトルやキャラクターを語り尽くす。「当時ガチ恋していたOVAヒロイン」という話題では、松井が演じた「ドリームハンター麗夢」の綾小路麗夢や、庵野秀明監督作「トップをねらえ!」のタカヤ・ノリコの名前が挙がり、それぞれが独自の視点でトークを展開。「夜な夜な1人で見ていた!OVA秘蔵シーン」のテーマでは、松井が「当時の視聴者の男の子たちが夜な夜な見ていたんじゃないか」と“アダルトアニメの先駆け”「くりいむレモンシリーズ」を振り返る。

「俺もこんな世界で生きたかった!転生してみたい世界」のテーマでは、上江洲が「OVAってろくなもんじゃないんですよ(笑)。『そこに行きたい』みたいな楽しい世界はそんなにない(笑)」と苦笑。そんな上江洲がひねりだしたタイトルも放送で明かされる。

■現代こそ再びOVAの時代に!?

さらに諏訪は「OVAはピュアなところがありますよね。『作品をみんなに送り届けたい』の手前に『我々がちゃんと作りたい』みたいな。そのエネルギーが当時の子どもたちの心をつかんだんだろう」とOVAの魅力を分析。現代で「もう一回(OVAを)作りやすくなっているんじゃないかな」とした上で、「(新たにOVAを作る)可能性はあるかなと思って、僕も企画はそういうのを出そうとしてる」と打ち明けると、吉田アナは「今こそOVA!」と新作に期待を寄せた。

大いに盛り上がった2回分の収録が終わろうとする頃、吉田アナは「1つ分かったのが、めちゃくちゃ時間が足りない(笑)」とまだまだ語り足りない様子。「めちゃくちゃ楽しい人となんだか分からなかった人に二分される」とディープなトークをまとめつつ、「次回はぜひ、もっと大型の特番でまたご一緒したい」と話すほど、収録を存分に楽しんでいた。

◆文/山田健史