11月23日より公開されている映画「ロスト・フライト」。1つだけでも壮大なドラマを生む航空パニックと脱出サバイバルを両方味わえる、『ブラッド・ファーザー』など硬派な作風で知られるジャン・フランソワ・リシェ監督が手掛けた期待の一作だ。今回、同作の迫力を伝える機長VSゲリラの2分ワンテイクで撮影した生々しい肉弾戦シーンの動画が解禁された。

■なんとか生き延びた機長たちを待ち受けていたのはゲリラ部隊

航空機で不時着した場所が何処かもわからないトレイルブレイザー119便の一行は、途方に暮れていた。無線機も落雷により故障し、連絡手段すら無くなってしまったのだ。しかしブロディ・トランス機長(ジェラルド・バトラー)はここで機転を利かせる。

電気系統が死に、すべてを目視確認で現状把握しなければならない絶体絶命の状況下で、落ちていく操縦席の窓から建物を確認していたという。もしかしたらそこに外部との連絡手段があるかもしれない。一縷の望みにかけて移送中の元犯罪者ルイス・ガスパール(マイク・コルター)を連れて、捜索に向かう機長。

一瞬目を離したすきにガスパールは姿をくらましたが、まずは連絡手段があるのか確認するのが先決だ。もともとは何かの施設だったらしい建物内部で無線を発見する機長。誰に電話するのか悩んだ結果、最愛の娘へ連絡することに。

娘に航空会社トレイルブレイザーへの伝言を頼むトランス。「これから言うことを至急トレイルブレイザーに伝えてくれ」電話しつつ窓から下を見ると、車が一台止まっている。誰か来たのかといぶかしむトランス。だが電話口では「今いるのはスールー諸島のどこかだ。無線が無くて特定できない」と、飛行時間などから割り出した不時着したであろう場所を伝える。必死にメモする娘。しかし突如、トランスを何者かが背後から襲撃する。

どこかに消えたガスパールかと思われたが、違う。現地のゲリラだ。最初の奇襲でタコ殴りにされるも、元英空軍の意地で応戦するトランス。2分にも及ぶ接近戦は、全てワンテイクで撮影された。

元ネイビーシールズの俳優が傭兵役を務めるなど、徹底したリアリティの追求がされている「ロスト・フライト」。トランスとゲリラが繰り広げたタイマンシーンの迫力には、そうした工夫の積み重ねが現れている。

スタント・コーディネーターのジム・チャーチマンは「彼らは壁に激突したり、机をひっくり返したり、殴り合ったりした。本当にリアルな戦いだったよ」とコメント。撮影監督のブレンダン・ガルヴィンも「いかにもジェリーらしかった!監督と私はワンテイクで撮影することであのシーンに真に迫った力を加えられると思ったんだ」と意図を解説する。当のジェラルドは「あそこまで撮影現場で肉体的に疲れる1日を過ごすことはこの数年無かった。でもその価値があったな!」と熱くコメントしている。