コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は漫画家・相舞みーさんによる作品『くすぐったい理由。』を紹介しよう。

11月4日に相舞さんは同作を自身のX(旧Twitter)に投稿したところ、9000件の「いいね」を獲得して話題を集めている。今回は作者の相舞みーさんにインタビューをおこない、同作が生まれた背景やこだわりついて語ってもらった。

■店長に対してだけ感じる、くすぐったさの理由
物語の主人公は、カフェ店長の日暮夕弥とカフェでアルバイトをする女子高生の熊野蜜(通称クマちゃん)。

入浴中の熊野は頬を紅潮させながら、カフェでの出来事を回想していた。“良い匂いの異性は相性が良い”という学校で流行っている相性診断を試すために、店長の日暮に自身の匂いを嗅いでもらった時、背中にムズムズする感覚を覚えたのだ。その感覚の原因が分からず、「私ってくすぐったがりだったのかなぁ」と小さく呟いた。

学校で後輩に匂いを嗅いでもらったが特に何も感じず、あのムズムズ感の正体に頭を悩ませる熊野。友人に相談すると、突然脇や脇腹をくすぐられて「わっ」と驚きの声を上げる。しかし、やはり“くすぐったい”という感覚は得られず、熊野の表情は最後まで変わらなかった。

友人のアドバイスで店長の日暮に直接確かめることにした熊野は、唐突に「くすぐってもらってもいいですか〜?」と日暮に頼んだ。突然のお願いに驚き、はじめは難色を示していた日暮だが、“手をくすぐる”という再提案に了承してくれた。優しく熊野の手を取った日暮は、ふと手元に視線を落として熊野の手に対する感想を述べたのだが…。

熊野と日暮とのやり取りの様子が好評のようで、読者からは「この絶妙な距離感がたまらない」「赤面する熊野がかわいすぎる」といったコメントが上がっていた。

■無自覚であったはずのクマちゃんが恋心を自覚し始める回
――『くすぐったい理由』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

この物語の主役である、日暮夕弥と熊野蜜はカフェでのアルバイトを通じて1年くらい経っているのですが、今回のお話は、その期間を通じて無自覚であったはずのクマちゃんが恋心を自覚し始める回となっております。

好きな人から近づかれたり触られたりすると、少し肩周りや背中がムズムズする感覚があると思うんです。なので、なかなか自覚のしないクマちゃんが「いつもと何か違う」と自覚できる出来事といえばそこなのではないかと思い、このシチュエーションを描きました。

――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。

今までほとんど表情から感情を読み取らせてくれなかったクマちゃんの、さまざまな表情が見られる貴重な回となっております。日暮さんに対しての表情、友達や後輩への表情の差を楽しんでいただけたらと思います。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。

一番最後のページのクマちゃんの表情とセリフがお気に入りです。まだそれがただ「くすぐったい」だけだと信じているような、そうでないような。無自覚で感情が読み取りづらい彼女だからこそのセリフだなと思っております。

――そもそもの質問になってしまうのですが、『くすぐったい理由』のもとの作品である『何かと無自覚な女子』を描き始めたきっかけも教えてください。

身長差や年齢差のある作品が元々好きで、それに加え当時は「合法ショタ(見た目はショタだけど、年齢は成人)」にハマっておりまして。

じゃあ、大人に見える女子高校生と合法ショタの年齢や身長がちぐはぐな2人を描こうと思い、『何かと無自覚な女子』が出来上がりました。

――今後の展望や目標をお教えください。

この作品を最後まで描き切って、2人らしいハッピーエンドにできたらと思っております。

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

『何かと無自覚な女子』第1巻が現在も発売中です!描き下ろしでは、クマちゃんが日暮さんの経営するカフェで働き始めたキッカケのお話が読めます。

第2巻は長らくお待たせしているのですが、発売される時はお知らせいたしますので、ぜひXをチェックしていただきたいです。そして、『何かと無自覚な女子』はなんとクライマックスに突入しております。成人と女子高校生という障壁がある中、この2人がどんな最後を迎えるのか楽しみにしててください。