ブロードウェイミュージカル「ハネムーン・イン・ベガス」の取材会及び公開ゲネプロが4月8日に東京・東京建物Brillia HALLで開催され、取材会にはHey! Say! JUMP・伊野尾慧、松田るか、岸祐二、霧矢大夢のほか、演出を手掛ける小山ゆうなが登壇した。

■結婚までのドタバタな恋愛騒動を描くコメディミュージカル

本作は、1992 年にニコラス・ケイジとサラ・ジェシカ・パーカーの出演で公開された映画「ハネムーン・イン・ベガス」をミュージカル化した作品。脚本は映画版を監督したアンドリュー・バーグマン自らが担当し、音楽は現代のブロードウェイを代表する音楽家のひとりであるジェイソン・ロバート・ブラウンが担当。ラスベガスとハワイを舞台に、主人公・ジャック(伊野尾)とジャックの彼女・ベッツィ(松田)の結婚までのドタバタな恋愛騒動を描くコメディミュージカル作品で、東京(東京建物Brillia HALL、4月9〜29日)、大阪(大阪・SkyシアターMBS、5月6日〜19日)で上演される。

ジャックは5年越しの恋人ベッツィとの結婚を夢見ているが、死んだ母親ビー(霧矢)から言われた「誰とも結婚しないで!」という言葉に縛られ、結婚指輪を買うことさえできずにいた。そんな母の呪いから逃れ、結婚式を挙げようと訪れたのはラスベガス。滞在先のホテル・ミラノでは、ロック歌手のバディ・ロッキー(上口耕平)がカジノでショーを披露し大盛り上がり。そこに居合わせたギャンブラーのトミー・コーマン(岸)は、死んだ妻に瓜二つのベッツィを見つけると、ジャックからベッツィを奪うため、子分のジョニー・サンドイッチ(小柳友)とともにジャックを陥れ、ベッツィを連れてハワイ旅行に出かけてしまう。ジャックも二人を追ってハワイへ向かうが、そこにマヒ(青野紗穂)という名の女性が現れ…。果たしてジャックは彼女を取り戻し、無事に結婚することができるのか―という物語が描かれる。

■ミュージカル初挑戦で歌の練習を強化

伊野尾が舞台に出演するのは9年ぶり、ミュージカルは初挑戦。「33歳で新しいことにチャレンジするっていうのは結構緊張感のあるもので、普段Hey! Say! JUMPで歌わせていただいてはいますけど、普段は力強いメンバーがいて、7人に支えられながら歌ってるというのとはまた話が全然変わってくるので、歌に対する不安が…最初は大丈夫かなと思いました」と不安を抱えていたことを吐露。

最初はマネジャーから「曲数がそんなに多くない」ということですすめられて挑戦を決意したというが、「楽曲数はそんなに多くないというお話で、それなら頑張ってみようかなと思って。で、曲の香盤表をいただいて、(Hey! Say! JUMPの)メンバーでミュージカル経験者の高木(雄也)に見てもらったら、『いや、伊野尾くんこれは楽曲めちゃくちゃ多いよ』って。騙されてるんじゃないかなと思いました。けど、今思うと騙されてよかったなと思います。本当に経験者の皆さんが経験を積まれている方々が非常に多くて、そういった方々が日々のアドバイスだったりとか、いろんな言葉で(僕を)舞台に立てるような形で育ててくださったなと思います」と感謝を伝える。

伊野尾は早い段階から歌の練習をしていたと言い、演出を担当する小山は「稽古が終わった後も残って、誰よりも遅くまで稽古場にいて、ずっと音楽監督さんに歌のお稽古を見てもらったりとか、自分でやりたいって言ってやっています」と明かすと、伊野尾は「みんなびっくりするほど歌上手なんです!もう毎回残らせていただいて、練習させていただきました。学校みたいな生活でした」と振り返る。


■松田るかが感じた伊野尾慧の印象は「素直」

また、松田は伊野尾の印象について「伊野尾さんの素直さみたいなところが、ジャックにすごくいい作用を与えてるなと思ってます。ジャックは全体としてウソが一個もないなって思っていて、常に100パーセントで全力でぶつかっていくジャックの良さに、伊野尾さんの素直さが上に乗ることで、より魅力が増幅していると感じています」と語ると、「全然素直じゃないよね、俺」と返す伊野尾。

それに対して松田は「素直ですよ。本当に皆さんの意見を絶対聞く。分からなかったら『ごめんなさい。ここが分からなくて』と演出のゆうなさんや色んな人に聞きに行ってて。それをちゃんと聞き入れてお芝居に反映されるので、素直だなと思いました」と伝え、伊野尾は記者に向かって「書いておいてください!素直だ、って」とニッコリ。

■岸祐二と話すと堂本光一が見えてくる?

続けて岸は「それだけじゃなくて、俺がるかちゃんと稽古のことについて話してると、ちょっと横目で見てて、『何話してたんですか』って聞くぐらい興味津々です」と伊野尾の様子を暴露。伊野尾は「ミュージカルを全然知らなくて。恥ずかしながら作品自体もあまり見たことが無くて。岸さんの出演されていた『チャーリーとチョコレート工場』を見て勉強させていただきました」と明かす。

『チャーリーとチョコレート工場』の主演を務めたのは堂本光一。岸は「チャーリーの時に光一くんと事務所の方と一緒に食事をさせていただく機会があって、その時に次伊野尾をよろしくお願いしますっていう話をいただきました」と話し、伊野尾は「岸さんがいろんなお話をしてくれるんですけど、僕があまり聞いてないと『おい、光一に言うぞ』とか、ちょこちょこ光一くんの名前が…。意外と岸さんを見てるようで、岸さんの後ろにぼんやり見える光一くんを見てる」とコメントし一同を笑わせた。

ジャックの母親で幽霊役の霧矢は「私の役柄としてはすごく突き放すような母親というか、脅すようなことばっかり言うんですけど、本当に(伊野尾に)愛情のかけがいがある」と語る。普段から伊野尾に対してアドバイスをしているようで、伊野尾は「ジャックとベッツィがカップルっていうことで、二人の距離感だったりとか、イチャイチャしてる雰囲気とかを霧矢さんが見て『まだダメ!カップルに見えない!もっと!もっと!』みたいな。見せ方とか二人の佇まいをすごい色々アドバイスしてくださった。『ちゃんとリードしなさい』とか。そういうエスコートしてる僕にも注目していただけたらなと思ってます」とアピールした。

◆取材・文・撮影=水沢あすみ

※高木雄也の「高」ははしご高が正式表記