伊藤沙莉がヒロインを務める連続テレビ小説「虎に翼」(毎週月〜土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月〜金曜の振り返り)。第4週からはいよいよ男子学生と机を並べて学問に打ち込み始めた寅子(伊藤)たちだが、級友たちも個性豊か。4月23日放送の第17回では、同じく1年の男子学生・轟太一(戸塚純貴)に注目が集まった。(以下、ストーリーのネタバレがあります)

■「それはいただけないな!」

「虎に翼」は、日本初の女性弁護士の一人・三淵嘉子さんをモデルにしたオリジナルストーリー。第4週「屈み女に反り男?」では、女子部法科を卒業し本科と呼ばれる名律大学法学部に進んだ寅子たちの学生生活が描かれている。

本科での初日、男子学生たちと顔を合わせた寅子たち。「あなた方はいわば開拓者。男女平等の世を切り開いている」と友好的な花岡(岩田剛典)を筆頭に、みな寅子たちをあたたかく迎えた。

そんな歓迎ムードの中、一人だけ「笑止!男と女が分かり合えるはずがないだろう」と気を吐き、梅子(平岩紙)に例外扱いされていた轟。だが第17回では、花岡の「女ってのは優しくするとつけあがるんだ」という発言を聞き「それはいただけないな!」と憤慨。「花岡、誠意がない態度はいただけない。男として恥じぬ行動をすべきだ」「花岡!今の言葉を撤回しろ!撤回しろ!」と詰め寄った。

■「撤回しろ」トレンド入り

遠巻きに見ていた寅子たちからも<轟、意外といいやつ>と驚きをもって迎えられた轟のこの発言。視聴者からも「轟くんの株が急上昇(笑)」「轟、真っすぐなやつなんだな」「『撤回しろ!』って言ってるときピョンピョンつま先立ちしてたの何?かわいすぎた」「轟は男は男、女は女と思ってるだけで、見下してはいないんだな」と好意的な声が上がり、Yahoo!検索ランキングでも「撤回しろ」がトレンド入りする賑わいとなった。

轟役の戸塚は、2010年の「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で“理想の恋人賞”を受賞し、翌2011年に俳優デビュー。すでに10年以上のキャリアを持つが、意外にも連続テレビ小説は「虎に翼」が初出演だ。

控えめな青年からコミカルな破天荒キャラまで振り幅の広い演技を見せてきた戸塚。「純喫茶に恋をして」での朴とつな雰囲気もいいが、クセのあるキャラクターを演じた時に発する存在感は絶品だ。近年でも「親バカ青春白書」(2020年、日本テレビ系)で演じた“自称YouTuber”な大学生・根来恭介や、大人気連載漫画のドラマ化「かりあげクン」(2023年、BS松竹東急)の主人公、“永遠の平社員”かりあげ正太、「だが、情熱はある」(2023年、日本テレビ系)で演じた春日俊彰など、ドラマの登場人物ならではのクセの強さを保ちながらも、現実にいそうなリアリティを兼ね備えたキャラクター造形がうまい。

「虎に翼」の轟も、立派な口ひげにボロボロの学帽姿という“ツッコミ待ち”としか思えない風貌ながら、地に足のついた発言からは誠実な人となりも垣間見える。よね(土居志央梨)とは初日からぶつかる様子を見せながらも、よねの意見が正しいと思えば「そう!それだ!」と素直に賛同する。そんな、周囲にどう思われるか気にせず思ったことを口にする性格は、よねとよく似ているようでもある。視聴者からも「よねさんと気が合いそう」「よねと轟、法律や世の中に対する見方が似てるんだろうな」「轟くんとよねさん、なんかすごくいい関係」といった声も上がっている。

順調に滑り出したように見える寅子の本科での学生生活。4月24日(水)放送の第18回では、寅子たち女性陣と花岡、轟たち男性陣のハイキングでのひと悶着が描かれる。