“ダンディー鷹山”&“セクシー大下”の最強バディによる、映画「帰ってきた あぶない刑事」が5月24日(金)に劇場公開されるということで、往年のファンを中心に注目を集めている。そんな中、日本最大級のCS映画専門チャンネル「ムービープラス」では、「昼まえ吹替シアター:あぶないポリス特集」と題し、日本どころか世界の“あぶないポリス”たちが活躍する作品を特集放送する。そこで今回はポリス映画おなじみの見応えのある激しいバトルアクション系をはじめ、お騒がせ刑事コンビが事件を解決するアクションコメディーなど、いろんな意味で“あぶない捜査”も厭わず奮闘する世界のあぶないポリスたちを紹介する。

■香港警察 ジャッキー・チェン「ポリス・ストーリー」「ラッシュアワー」

香港のみならず世界を股にかけて活躍するアクション俳優のジャッキー・チェン。ハイレベルなアクションの名手として、数々の作品に出演していることは周知の事実だが、警察役として登場する作品も多く公開されている。

ジャッキーが監督・主演を務めた「ポリス・ストーリー/香港国際警察」(1985年)は、彼が演じた香港警察の若手熱血刑事・チェンと麻薬組織との壮絶な戦いを描いている。本作は大ヒットした後にシリーズ化されており、ジャッキーの代表作ともいうべき名アクション映画の一つだ。激しいカーチェイスや大爆発するシーンはもちろん、命綱なしの危険な場面も目を疑うようなアクションで何でもやってのけるジャッキーの身体能力の高さと同時に強過ぎるポリスを見事に体現している。

また、クリス・タッカーと共演した痛快アクションコメディー「ラッシュアワー」シリーズでは、クリス演じる口八丁なカーター刑事とジャッキー演じる敏腕捜査官のリーが“パンチ”と“ギャク”で事件を解決していく姿を描いた。「アクションよりも英語のせりふのほうが大変だった」と語っていたジャッキーだが、「ラッシュアワー3」(2007年)では、ジャッキー&クリスコンビの敵役として登場した真田広之と刀を使ったアクションを披露している。必死に戦うリーをよそに、野次を飛ばして応戦するカーターとのデコボコ刑事コンビの掛け合いも見どころの一つとなっている。日本語吹替版では石丸博也と山寺宏一の声で掛け合いを堪能することができる。

■香港 東九龍警察本部 ドニー・イェン「レイジング・ファイア」

そしてもう一つ香港から。正義に燃える警官VS復讐に燃える元警官をドニー・イェンとニコラス・ツェーが演じ、香港アクション映画界の巨匠ベニー・チャン監督の遺作となった警察アクション「レイジング・ファイア」(2021年)。主演だけでなく、今作のプロデューサー・アクション監督も務めたイェンはアクションの前に入念な準備をし、体を張ったカーアクションをこなした。役作りについて、彼は「役の境遇を知り、役を感じ、その役の感情の高ぶりをどうやって表現するかということ。これこそ、純粋に役者の本能です」とも語っている。

■米・サンフランシスコ警察 クリント・イーストウッド「ダーティハリー」

アメリカからはハリウッドを代表する映画監督の一人、クリント・イーストウッドが俳優として登場するアウトロー刑事映画の金字塔「ダーティハリー」シリーズ。汚れ仕事を厭わない様子から仲間たちからは“ダーディ”と嘲笑される、イーストウッド演じる異端刑事のハリー・キャラハン。本作ではそんな一匹オオカミのハリーが、法に守られたことで罪からすり抜ける犯罪者たちとの戦いを映し出している。

■米・ロサンゼルス郡保安局 ジェラルド・バトラー「ザ・アウトロー」

一方、ジェラルド・バトラー主演のクライムアクション「ザ・アウトロー」(2018年)では、約48分に1回の頻度で銀行強盗が発生する世界屈指の犯罪都市・ロサンゼルスを舞台にロサンゼルス郡保安局(LASD)重犯罪特捜班と、特殊部隊出身の強盗団との壮絶な戦いが描かれている。本作の撮影前に特捜班と強盗犯のキャストたちは2週間にもおよぶ、ブートキャンプで特訓をクリアした後に撮影に参加。そのハードな訓練の成果、リアルな銃撃戦のシーンが再現され、またキャストの体格や表情からも絶対に対面したくない怖さが現れているのも魅力の一つだろう。

■米・ネバダ州 ガンクリーク警察署 アレクシス・ラウダー「炎のデス・ポリス」

あぶないポリスは何も屈強な男性だけとは限らない。女性刑事が活躍する作品として「炎のデス・ポリス」(2021年)を挙げたい。同作では正義感の強い新米女性警官のヴァレリー(アレクシス・ラウダー)が、悪党たちを相手に一夜限りのサバイバルバトルを繰り広げる。舞台となった砂漠にポツンと存在する警察署では、大爆破、燃え盛る炎、そして飛び交う弾丸など、ハイスピードなカメラワークで見応えのある映像を映し出した。また、同作で紅一点の存在でもあるヴァレリーは小柄な体格ながらも多くの大胆なアクションシーンをスタントなしで華麗にやりきっているので、侮るなかれ。ちなみに、本作にはジェラルド・バトラーが冷酷な殺し屋として登場する。

■韓国警察 潜入捜査官 イ・ジョンジェ「新しき世界」

韓国からは「新しき世界」(2013年)。警察への忠誠か、兄弟の絆か。後継者争いに揺れる韓国犯罪組織を舞台に、潜入捜査官・ジャソン(イ・ジョンジェ)の葛藤を描くヒューマンクライムストーリー。カン課長役にチェ・ミンシク、犯罪組織の幹部チョン・チョン役でファン・ジョンミンが出演している。

“韓国ノワールの傑作”とも言われる同作では、警察の身分を隠して活動しながら、カン課長とチョンの間の危険な境界線に立つジャソンというキャラクターを穏やかな演技で、不気味に体現した。

■オーストラリア 特殊警察M.F.P. メル・ギブソン「マッドマックス」

そしてオーストラリアからは、名優メル・ギブソンの出世作を。暴走族による凶悪事件が多発する荒廃した近未来、警察官マックス(ギブソン)は追跡専門のパトカー“インターセプター”に乗り、パトカーを奪い、追跡車を次々に転倒させて逃走中の警察官殺しの凶悪犯ナイトライダーを追い詰める。

超キケンな暴走族と対峙するマックスの姿にハラハラすること必至。5月31日(金)には最新作「マッドマックス:フュリオサ」が公開されるので、これを機に「マッドマックス」シリーズ4作をイッキ見したいところだ。

世界中で活躍する、笑いありスリルありの“あぶないポリス”たちが体を張りまくった作品を見て、スカッとしてみては?

◆文=suzuki