佐藤瑠雅と坂井翔のW主演ドラマ「彼のいる生活」(毎週木曜深夜1:05-1:35、TOKYO MX/ABEMAにてリアルタイム放送/TVer見逃し配信あり、Hulu・Leminoほかで順次配信)の第6話が5月16日に放送された。高校時代、野球が続けられなくなった一仁(佐藤)が夏川(坂井)の言葉に救われる様子に、ジーンとなって熱い涙があふれてきた。(以下、作品のネタバレを含みます)

■「彼のいる生活」とは

同作は、青春BLの名手・宮田トヲルによる同名人気コミックを原作にしたじれったくも胸キュン満載な幼なじみラブコメディー。大学デビューを夢見る平凡男子が疎遠になっていた幼なじみとルームシェアするうちに、幼なじみの好きな人が自分だと知って少しずつ気持ちが変化していくようすを描く“じれキュン”ドラマだ。

幼なじみを一途に想い続ける爽やかなモテ男子・田中一仁役を佐藤、世話好きな性格の純朴男子・夏川涼太を坂井が演じる他、2人の大学の同級生で一仁の元カノ・吉田絵里に森日菜美、吉田と同様に一仁の高校時代からの友人で夏川のよき相談相手となる春名圭太に沢村玲(ONE N' ONLY)が配役されている。

監督は「体感予報」(2023年、MBSほか)の加藤綾佳、脚本は「オールドファッションカップケーキ」でも加藤監督と組んだ宮本武史が再びタッグを組む。また、主題歌は浦島坂田船が担当する。


■体調を崩した一仁は夢の中で過去を思い出す

共働きで不在がちな両親のもと、妹たちの世話や家事に奔走していた夏川涼太は、大学進学を機に念願の一人暮らしができるかと思いきや、疎遠だった幼なじみの田中一仁と暮らすことに。ルックス良し性格良しな一仁に、なぜか彼女がいないことが判明。夏川はその原因探しに付き合うが、ダメ出しする所が見つからないうえ、一仁の優しい言動にときめいてしまう。おまけに夏川に優しくする一仁から「彼女にはこんなことしない」という発言まで飛び出し、お互いに意識しまくりな同居生活が始まる。

第5話で雨に濡れて体調を崩してしまった一仁は、夢の中で昔を思い出していた。小学生の頃、一仁と夏川はお泊り会をするほど仲良しだった。夜遅くまでボードゲームに熱中し、ずっと友だちでいようと伝え合ったが、中学校では一度も同じクラスになれず、別々の高校に進学して以来疎遠になっていた。

コンビニで夏川を見かけても一仁は声をかけられず、吉田に押し切られてつき合ってはみたものの「他に好きな人がいるでしょ」とふられる始末。そんなとき、一仁は肩を壊して野球を続けられなくなってしまう。打ち込んできたものを失い、不安に襲われた一仁は夏川に会いに行く。

■一仁「自分が自分でなくなりそうなときどうしたらいいと思う?」

第6話では夏川と疎遠になった一仁が、改めて夏川に惹かれる姿が描かれて胸がギュッと苦しくなった。コンビニで夏川を見かけても気軽に声がかけられないほどに夏川への思いが大きくなった一仁。しかし、野球が続けられなくなって不安に駆られた一仁は、夏川に会いに行く。

他愛ない言葉を交わして一仁が立ち去ろうとすると夏川は買い物袋からチーズケーキを出して渡す。どこか元気のない一仁を励まそうとする夏川の優しさが染みる。そんな夏川に、唐突に「自分が自分でなくなりそうなときどうしたらいいと思う?」と一仁は不安を吐露。

バツが悪くなって帰ろうとする一仁に「どうもしなくていいと思うよ。だってお前はお前だもん。大丈夫だって」と声をかける夏川。なんてまっすぐな夏川らしい言葉だろう。それを聞いて一仁は安堵に満ちた表情を浮かべて「やっぱすげぇな、夏川は」と涙ぐむ。こちらまで心が救われて、キュンと萌えるよりもジーンと心が熱くなって一仁とともに思わず涙があふれてきた。

その後、一仁は夏川と同居するようになってからも思い出のチーズケーキを買う、「好きな人と」と店員に言って。一仁のその曇りのない瞳からは夏川へのピュアな思いが感じられて胸がときめいた。一見たくましそうに見える一仁の脆い一面に庇護欲をかき立てられて、体格は小柄なほうの夏川が一仁を救って支えているようすを見て感動が胸に広がった。

◆構成・文=牧島史佳