俳優イ・ミンギが主演を務めるドラマ「クラッシュ 交通犯罪捜査チーム」(全12話/毎週月・火曜配信)が5月13日より配信開始、本日20日に第3話が配信となる。同作は、署内で全く相手にされない交通犯罪捜査チーム(通称TCI=Traffic Crime Investigation)が絶妙なチームワークで無法者たちを次々と検挙していく痛快アクションコメディー。ミンギが演じるチャ・ヨンホは、ミン・ソヒ(クァク・ソニョン)が率いるTCIへ新任警部として加わる、ちょっと変わり者な捜査官。モデル出身で高身長のミンギは、これまで多くのラブロマンス作品で活躍してきた印象も強いだろう。今回はミンギの俳優としてのキャリアを振り返りながら、新ドラマの役どころについて紹介する。

■モデルとして活動後、俳優デビュー

1985年1月生まれ、現在39歳のミンギはモデルとして活動後俳優デビュー。デビュー初期に出演したドラマ「がんばれ! クムスン」(2005年)では、主人公のナ・クムスン(ハン・ヘジン)の義兄ノ・テワンを演じ、同年度の「MBC演技大賞」男性新人賞を受賞した。

また、2007年には独身女性の心理描写をコミカルに描き、同世代女性から多くの共感を呼んだドラマ「タルジャの春」に出演したミンギは、主人公のオ・タルジャ(チェリム)と恋に落ちる年下男子のカン・テボンを熱演。さらに同年公開された初主演映画「浮気日和」では、夫に浮気された仕返しで自らチャットで知り合った年下男性と浮気をする、キム・ヘス演じるイスルの相手役に扮(ふん)した。チェリムやヘスといった“先輩年上女優”の相手役として立て続けにキャスティングされたミンギは、公開当時20代前半の若手俳優だったことから“公式年下男”というキャッチコピーが生まれ、多くの年上女性の心をつかんできた。

その後もミンギの活躍は止まらず、映画「TSUNAMI -ツナミ-」(2009年)では海洋救助隊員役の好演が認められ、「第46回百想芸術大賞」で映画部門男性新人演技賞を受賞。キム・ゴウンと共演した映画「その怪物」(2014年)では、これまで演じてきた役柄とは一転した冷酷な殺人鬼テスを怪演した。ミンギは役作りのためにハードなアクショントレーニングと食事制限を行い、体脂肪4%という無駄のないボディーで撮影に臨んだという。同作の役柄は殺人鬼にもかかわらず、外見はくしくもカッコイイ男性なのだが、容赦ない手法で殺人を繰り返す姿と鋭い目つきが印象に残るダークなキャラクターを見事に演じ、その演技力は高く評価された。

■圧倒的なラブコメ“プリンス”から“ダサい男”へ転身

2014年に兵役に伴う軍入隊でしばらく俳優活動を離れることになる。俳優活動復帰作となったラブロマンス「この恋は初めてだから」(2017年)で、心をなかなか開かないIT企業の社員ナム・セヒを演じ、同作で10年ぶりにドラマ作品へ出演した。

一方、近年出演したドラマ「私の解放日誌」(2022年)では、劇中でキム・ジウォン、イ・エルとの3兄妹の長男役で見せた演技も注目された。同作はソウルから離れた郊外に暮らす彼らが、日々の閉塞感から脱却しようと奮闘するする姿を描いた一癖あるヒューマンドラマ。ミンギはこれまで出演した数々のラブコメ作で魅了してきた“イケメン勝者”とは無縁の、全く映えない“ダサい男”ヨム・チャンヒとして新たなハマり役を披露した。

キャリアと年齢を重ね着実に役柄の幅を広げてきたミンギ。そんな彼の最新作の「クラッシュ 交通犯罪捜査チーム」では、超エリートで非の打ち所がない秀才にもかかわらず社会性に欠けた変わり者の捜査官ヨンホを演じている。ヨンホは交通犯罪捜査の資格を多数持ち、鋭い分析力と推理力でTCIチームに強力な新メンバーとして加わるのだが、実は運転が出来ないという変わった弱点を持っており、クセのあるキャラクターとして新境地に挑んでいる。

また、先日行われたドラマの制作発表会では「台本がとても面白かった。(作品で)交通犯罪を取り扱うということが斬新だった」と明かしており、これまでの韓国ドラマとはひと味違ったテーマで制作することに興味を持ったと話している。

本作はミンギが話す通り、韓国ドラマとしては初となる保険詐欺、ひき逃げ、あおり運転といった交通犯罪にフォーカスを当てた作品。彼の演じるヨンホの活躍とともに、現実世界でも頻繁に起こる身近な事件として、交通犯罪がどのように展開していくかにも期待したい。

ドラマ「クラッシュ 交通犯罪捜査チーム」(全12話)は、ディズニープラスのスターで毎週月・火曜に最新エピソードを独占配信中。

◆文=suzuki