佐藤隆太、岡田義徳、塚本高史が深夜のファミレスに集うフリーター3人組を演じた脱力系コメディー「THE3名様」。石原まこちんの人気コミックスを映像化したシリーズで、ジャンボ(佐藤)、まっつん(岡田)、ミッキー(塚本)という個性的な3人がファミレスで他愛のない会話を繰り広げるだけ、というゆるい内容が話題となり、2022年4月には12年ぶりの新作として映画「THE3名様 〜リモートだけじゃ無理じゃね?〜」が公開。想定外の大ヒットとなったのも記憶に新しいところ。

今回、そんな「THE3名様」が「THE3名様Ωプロジェクト2024」とパワーアップして再始動。まずは、5月24日(金)からドラマ「THE3名様Ω」がFODにて独占配信。そして、8月30日(金)には新作「映画「THE3名様Ω〜これってフツーに事件じゃね?!〜」が公開!

「THE3名様」史上最大となる本プロジェクトについて、佐藤、岡田、塚本の3人にインタビュー。同シリーズにまつわる話をたっぷりと語ってもらった。

■「配信を通して、今まで知らなかった方たちにも届けたい」(佐藤)

――2005年に始まった「THE3名様」シリーズ。当初はDVDリリースのみの展開でしたが、今回は満を持しての連続ドラマ化。連ドラ界への進出は、佐藤さんたっての希望だったそうですね。

佐藤:「THE3名様」が始まった19年前は、テレビドラマがすごく盛り上がっている時期だったんですよね。そこであえてテレビではなくDVDだけだったのは気付いた人、知ってくださった人たちに楽しんでもらえればいいなと。特に気をてらったわけじゃないんですけど、そういうアプローチもちょっと面白いかなと思っていたんです。

そのうえで、前回12年ぶりに復活となったときは、映画という形に。そして、せっかく復活させてもらったからには1回だけじゃ寂しいよねって。例えば、1度解散したバンドが久しぶりに復活したのに1回だけのリリースで終わってしまうのは、ちょっと寂しいじゃないですか。それと同じで、「THE3名様」も復活したからにはできる限り続けていきましょうと。

そんな流れもありつつ、今は発信できるプラットフォームが増えているので、あえて「連ドラとしてやりたい」と提案させてもらいました。「THE3名様」をまだ見たことのない方々の目にも止まるといいなと思いますし、僕ら的には挑戦でもありますね。

――塚本さん、岡田さんは、佐藤さんからの提案を聞いていかがでしたか。

塚本:面白そうだなと思ったけど、実現は正直難しいんじゃないかなって。でも、皆さんのお力添えのおかげで形になって、すごく幸せなことだなと感じています。今回は連ドラに加えて映画もあるし、これまでで一番大きなプロジェクト。「THE3名様」って、これまで「こんなことできたらいいよね」が意外と叶っているんですよ。

岡田:「連ドラでやりたい」って聞いたのは、ご飯屋さんに集まったときだったよね。これまで僕らはいろいろ裏をかいてきたところがあるけど、ここであえての王道っていうのはやっぱり面白いなと。実現のハードルは高かったと思うし、それを実現してくれたスタッフの方には本当に感謝です。だからこそ、面白いものを作ろうとみんなでたくさん打ち合わせもして、準備を進めていきました。


■「やっぱり面白い芝居するなと思いました」(岡田)

――約2年ぶりの集結となりましたが、撮影を通しての新たな発見はありましたか。

岡田:久々でしたけど、やっぱり面白い芝居するなと思いました。やっぱりこの2人最高だな、と思いながら毎日芝居していましたね。

塚本:それは俺も同じかな。ミッキーという役を演じながら、2人が演じるジャンボとまっつんに会えるのはここしかない。それを体感したときにやっぱり面白いなって。

佐藤:みんな年齢もキャリアも重ねてきて、表現に繊細さや味わい深さが増してきましたよね。この作品にそれが必要かどうかは分かりませんが(笑)。でも2人のいろんな変化を間近で感じながら芝居をするのは楽しいですし、こうして定期的に集まれるというのは、やっぱり幸せですよね。

――今回はドラマも映画も、これまでのシリーズと違ってゲストの出演もあるそうですね。

佐藤:そうなんですよ。ありがたいことに役者仲間から「THE3名様」に出たいって言ってもらうことが多かったんですけど、「いやいや、経歴に傷がつくから」なんて冗談を言いながら(笑)、結局ずっと3人でやってきたんです。レギュラーのキャスト以外でしっかりとしたキャラクターが登場することがこれまでほぼなかったから、すごく新鮮でしたね。

岡田:楽しかったよね。新しい風をもらった感じ。

塚本:もし次があるなら、ゲストの方に準レギュラーになってもらうのも面白いよね。「あの人、たまに来るよね」みたいな。

佐藤:いいね。いろんなエピソードが作れそう!

岡田:僕らを見ているだけのファミレスのお客さんも個性的な人が多かったよね。キャラクターが増えたのも、今回の見どころかなと思います。

佐藤:意外とみんな、こってりしているよね(笑)。今までは僕ら3人のクセが強い感じを際立たせるために、周りは普通の人が多かった印象だけど。でも、今回はクセだらけ!

塚本:周りが強くなった分、負けず劣らず「俺らも“クセ強”なんだな」という発見はあったかもしれない(笑)。


■プロジェクトを盛り上げるクラファンも話題に!

――前回に引き続き、「THE3名様Ω」プロジェクト2024」をファンの方と盛り上げていくクラウドファンディングも実施中。返礼品にはシャワーサンダルやTシャツなどのオリジナルグッズのほか、映画のエンドクレジットに名前が掲載される権利も。なかでも、限定3名という名前が光るクレジットが話題となっていました。

佐藤:そうなんですよ! あれ、売れちゃったんですよ。完売!

岡田:期間限定とはいえ、まだ終了まで結構時間あるのに。

塚本:それも最初に完売ってヤバいよね(笑)。

佐藤:あっという間に売れちゃって。他のものよりかなり高い金額だったし、エンドクレジットで名前を光らせるなんて需要あるのかなと思っていたんですけど。

岡田:最終的に僕らが買おうと思っていたんだよね(笑)。

佐藤:そういうオチを想像していたよね(笑)。とはいえ、本当にありがたいですし、やっぱり楽しみだよね。僕たちよりも目立つクレジット!

塚本:スタッフさんには、思いっきり力を入れてほしいよね。

岡田:ぶぉん!キラキラ〜!みたいな。そこは惜しみなく技術を使ってほしい!

佐藤:そういう「THE3名様」ならではのユーモアを面白がってくれるのは、すごくうれしいです。

岡田:そういうファンの方に支えられていますね。本当に。

佐藤:光るクレジット以外にも、いろいろこだわって作っているんですよ。Tシャツは、まこちん先生の描き下ろしてくださtった“プロジェクトTシャツ”という品名なので、ユニフォームのようにこれを着て劇場に観に来てくれたらすごくうれしいですね。Tシャツは、もう一つデザイン違いを出す予定もあります。

あと、シャワーサンダルは公式X(旧Twitter)でアンケートを採って、色を決めたんです。あれは黄色が圧倒的だったね。

塚本:「THE3名様」のカラーってあるんだね。

岡田:(黄色は)DVD第1巻の色らしいよ。

塚本:自分は黒を選んだんだけどなー。

岡田:黄色にしちゃった!

佐藤:俺も黄色。今後もこんなもの作ってほしい、という意見があれば聞かせてほしいですね。あんまり時間がないですけど、いいアイデアがあれば採用していきたいです!

■「1話完結のオムニバス形式だからめっちゃ見やすい」(塚本)

――今回の「THE3名様Ωプロジェクト2024」の先には、来年2025年のシリーズ20周年も視野に入っているのかなと思いますが、今後さらに叶えたい野望はありますか。

塚本:やっぱり20周年になる来年の8月3日には何かやりたいなという思いはありますよね。

岡田:あと1年ちょっと、と考えると早めに準備しないとだよね。

佐藤:「THE3名様」は、これまで応援してくださった方との関係がすごく密だなと感じるんですよね。誰もが知っている作品ではないけど、好きな人はすごく大事にしてくださる。それもあって、僕らも皆さんと一緒に作っていきたい気持ちがすごく強いんです。前回12年ぶりに復活したときも本当に多くの方が劇場に足を運んでくれたので、今回のプロジェクトでも直接皆さんに会えるようなイベントをやっていきたいね。

塚本:1周年のときだっけ? 結構大きなホールでイベントもやったよね。そういうイベントもまたやりたいね。

佐藤:その実現のためにも、まずはもっと多くの方に「THE3名様」を楽しんでもらいたいなと。今回はFODの配信から始まるので見てくださる間口も広がると思うんですけど、難しいところは一切ないので、ぜひ気軽に見ていただきたいです。

岡田:本当にその通りだよね。何も考えずに見てもらえる作品。

塚本:連ドラだけど続きが気になる!という作品でもなく、1話完結のオムニバス形式なので、めっちゃ見やすいと思うんですよ。

佐藤:ドラマというと1時間のものが多いけど、これは30分のなかに5分くらいのエピソードがいくつか入っている形。通勤や通学のちょっとしたすきま時間にも楽しんでもらえるし、リラックスできる作品だから、眠れない夜にもおすすめですね。

この作品の良いところは、何か劇的なことがあるわけでもないので、途中で寝落ちても全然悔しくないところ。世界初の睡眠導入ドラマかもしれない(笑)。それくらいゆるーい内容なので、気楽に楽しんでください!