テレ東の人気番組「日向坂で会いましょう」(毎週日曜深夜1:05、Leminoにて配信中)。5月19日の放送では、「生肉で何が悪いの?粗イイもの」企画がおこなわれた。「くすぐり我慢」や日によって波がある「ヒヨコの真似」など、まさしく世に出すには早そうな小ネタの数々が披露されることに。

■メンバー達から飛び出していく粗イイものの数々

今回の企画は「発表するにはまだ早いか」と迷う特技、トーク、裏技をスタジオで披露していこうというもの。以前の企画で「アドリブが怖い」と相談するメンバーに対して、オードリー・若林正恭が「もうちょい粗くていいのに。生肉のままドンと出しちゃった方が…出してみての番組だから!」という言葉をかけたことがきっかけで開催されたものだ。

それぞれが持ち込んだネタを見た若林とオードリー・春日俊彰が、「粗イイ」「どうにもできない」のどちらかに仕分ける。なおどちらも「どうにもできない」に仕分けした場合、希望があればカットすることなども可能との告知が。火傷対策もばっちり備えている。

思い切ってやってもらいたいと語る2人に、まず平尾帆夏の“ひら砲”が飛ぶ。「『粗イイもの』のレベルがちょっとわからないんですけど…」「ちょっと春日さん、『粗イイ特技』を」とキラーパスを受けた春日は、「なんかやってみるか!」と度胸ばっちりの芸人ぶりを発揮。しかし意気揚々と発表したらしい小ボケは刺さらなかったのか、春日の希望でカットとなってしまった。大火傷を負った際のお手本になってしまったようだ。なお「完成品寄りでしたけど…」と若林からは評され、「やりゃあいいってもんでもないみたいです」と春日が「粗イイ」ネタの難しさを語っていた。

そうして始まる発表会。「ゾンビムーブ」「らり砲」「驚異の嗅覚」など、メンバー達が挙げた粗イイものを吟味する春日と若林。数ある中から選ばれたのは「やせがまんスイッチ」、特技を持つのは金村美玖だ。

やせ我慢ができるという金村は、“くすぐりに対してオン・オフできるスイッチ”を持っているそう。くすぐり役として指名されたのは、普段からくすぐりあっているという山口陽世だった。金村は「ちょっと前なんですけど、目が合うと相撲を取ってたんです」と語り、その際にくすぐりもしていたと主張する。

今回も相撲を取るところからの再現をはじめた金村と山口。声をあげながら謎の間合いを図る、突然流れを指定する八百長が入るなど、まさに“粗い”発表会。仕切り直しをしたあと、実際にくすぐってみるもスイッチが入っているのか金村の表情は変わらない。しかし時間が短かったため、もう少し長く尺を取ってくれと指示する若林。いざ長時間のくすぐりをしてみれば、金村はくすぐりではなくガヤに笑ってしまった。

「陽世あんまりあまりくすぐるのが上手じゃないみたいですね、もうちょっと強めに来てくれる人…」と他のメンバーを探し、指名されたのは同期の松田好花。若林の「絶対に笑わない?」というフリが入ったあと、松田のくすぐりが始まる。山口よりも力強いくすぐりに早くも表情が変わりかけ、あわやと思った次の瞬間に耳へ息を吹きかける松田。これにはたまらず金村も大きく表情を動かして、反応してしまう。

松田の意外な責め方や金村の表情でスタジオは笑いに包まれ、若林と春日の「粗イイもの」判定に移る。若林と春日の判定はどちらも「粗イイ」で、見事「やせ我慢スイッチ」は最初の「粗イイもの」認定を受けることになった。

■鳥類多めの日向坂46、鳴き声が豊富なアイドルに

次に選ばれたのは、河田陽菜が持ち込んだ「ヒヨコの真似」。いつ覚えたのか聞かれた河田は「半年前ぐらい」と語り、上手く吹けない口笛がヒヨコの真似に聞こえるのだと説明する。早速実践に移るが、マイクの前では上手くできない。「普段はもっとできる」と他メンバーからの応援を受けつつも、「ヒヨコの真似」には日によって波があると河田は語った。まさに粗イイ。

若林は似たようなネタが出せる似た事が出来るメンバーを探し、手を挙げたのは山口。「鳥のさえずりの真似」ができるということで、「本物です!」と自信満々だ。今度はマイクの前でもしっかりと真似ができたのだが、続けて松田や高橋未来虹、富田鈴花なども「同じ芸ができる」と登場。いつの間にか集まった日向坂の鳥たちが、合唱を繰り広げる。

これを受けて、それぞれの鳥の物真似も「粗イイ」判定に。その他にも「ポップコーンキャッチ」、「高速輪切り」なども披露され、スタジオは意外なほど大盛り上がりをみせた。

■失敗を恐れずに済む良企画

若林がメンバーへ送った言葉から始まった本企画は、数々の粗イイネタを発掘する機会となった。残念ながら「どうにもできない」とされてしまったものもあるが、今後昇華しての発表が待たれる。

歌って踊るのがアイドルの本業とは言っても、やはりキャラクターを知ってもらえるバラエティ番組は大きなチャンスの場。そして新しいファンを獲得するためには、恐れず自分を表現する必要がある。そうした場として、「失敗しても、しなくても面白い」企画をおこなったのは画期的と言えるだろう。

「多くの人に見られている」というプレッシャーで、小さな失敗も恐れるメンバーは多いはず。だが生放送ならいざ知らず、収録はどうにかリカバリーが利くものだ。同企画をきっかけにどんどん前に出て、自分の魅力を押し出していってもらいたい。

※高橋未来虹の「高」は、正しくは「はしごだか」。