12月8日(日)に、静岡・浜松市にて「大河ドラマ『いだてん』トークツアーグランドファイナルin静岡県浜松市」が開催され、宮藤官九郎と松坂桃李が登壇した。

いよいよ来週が、最終回を放送する大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜」(最終回12月15日[日]夜8:00-9:00ほか、NHK総合ほか)。

これまで、同作についてのトークイベントは各地で行われてきたが、それも今回が最後となり、会場には9倍の倍率の抽選で当選したおよそ1400人の観客が集まった。

物語終盤のキーマンである1964年東京五輪の組織委員会・式典課のメンバーの岩田幸彰を演じる松坂は「(イベントも)最後ということで、このような特別な日に皆さんと過ごせる時間を大切にしたいなと思っています」と話す。2人は、ドラマの裏側を語りつくした。

■ “岩ちん”幻のイチャイチャシーンとは?

松坂が演じている“岩ちん”こと岩田は、主人公・田畑政治(阿部サダヲ)に呼び寄せられて秘書となり、そこから東京五輪に関わるように。何か国語も操る頭脳明晰さもあり、色男で、視聴者からの人気も高いキャラクターだ。

作者である宮藤も、この“岩ちん”について、「(ドラマ終了後のミニ番組)『紀行』でも紹介されていましたが、岩田さんは二枚目で、とにかく女性に人気があったんです」と語るほど、史実でも女性にモテていたようだ。

また、宮藤には気になるシーンがあったそうで、「第40回(10月27日放送)で、岩ちんが田畑さんに初めて会うときに、国立競技場で打合せしてたら、向こうから岩ちんが手を振りながら走ってくるシーンがあるんですが、本当は『早く着き過ぎちゃったんで女性とイチャイチャしてました』っていうせりふがあって、遠くに見える女性とイチャイチャしていたという設定だったんだけど、カットになって。撮影したんですよね? どういうイチャイチャだったんですか?」と松坂に質問。

松坂いわく、そのシーンは「膝枕をされて、おにぎりを食べている、という感じでした。(監督に)相手の方はお付き合いをされている方ですか?って聞いたら、『妻です』って。相手は奥さんだったんです」と意外な裏話が。

答えを聞いた宮藤は「早く着き過ぎたから奥さんとイチャイチャしていたんですか!(笑)」と大笑い。

■ 本当に田畑さんの嵐に巻き込まれていくという感じでした

ほかにも岩田に関するエピソードはたくさん。

宮藤が「岩田さんはどんなに忙しくても、コンパニオンの面接だけは自分でやったっていうのは史実なんです。そこに金栗(中村勘九郎)さんが来たのは創作ですけれどね」と話すシーンについて、松坂は「ぼくは金栗四三さんとお会いする機会がないと思っていたので、あそこで共演できたのはすごくうれしかったですね」と振り返る。

田畑の一声によって組織委員会に加わった岩田。「先にいだてんの現場に戻った松重(豊)さんから、『一気にくるよ』と聞いていて、本当に田畑さんの嵐に巻き込まれていくという感じでした」と松坂は演じた感想を話す。

宮藤は「岩田さんは初めての専任の職員なんです。それまでの人たちは組織委員会をやりながら他に職もあった。それを田畑さんが『岩ちんオリンピック専門でやってくれ、会社辞めてこい』って…だから田畑さんの犠牲に一番なっている人なんですよね」と言い、「昔は自由というか、『こいつやる気あるから』と田畑さんが決められた時代だった。(タクシー運転手から立候補して委員会に加わった)森西(角田晃広)さんのエピソードも本当なんですけれど、そういう自由参加みたいな雰囲気があったんでしょうね」と推察する。

■ まーちゃんと阿部サダヲは全く違う?

組織委員会を辞任させられてからも、東京五輪を率いている本作の主役・“まーちゃん”こと田畑についての質問に、宮藤と松坂が○×で回答する形でトークコーナーも。

最初のQは、「まーちゃんの下で働きたいか」というもの。

松坂が○を出す一方で、宮藤は×。

この答えについて宮藤は「田畑さんのことを語っている本を読むと、『まーちゃんの喜ぶ顔を見たいとか、まーちゃんのためなら、という気持ちで集まってきた』と書かれているんですけど、僕はその中にいないだろうなと…」と言いつつ、「でも、ドラマの中でも、(東京五輪の)ポスターができた時の『いいよ!』とか、ああいう気持ちよさは、自分でも書いていてこうありたいな、と思いましたね」と憧れる部分もあるそう。

松坂は、「目標が同じだったら、まーちゃんみたいに突拍子もない発想が出てきたりするとすごく楽しいだろうし、『じゃあやってやろうかな』という気持ちになるんじゃないかなと思って。今だったらものすごい社長になっている感じもしますよね。やることはすごいけどめちゃくちゃだから、下の人たちが代わりにしっかりしてくるというバランスのとれた会社になるかもしれません」と語る。

続く、「まーちゃんと阿部サダヲさんが、どっちがどっちか分からなくなった時があった?」という質問には、2人とも×を。

同じ現場の多かった松坂は「阿部さんすごく静かですからね」と話し、阿部をよく知る宮藤も、「全く違いますよ。口数は少ないですし、すごく静かです。撮影であれだけわーっとしゃべっても、すっと静かになる」とのこと。

松坂「それでぽつっと面白いことを言う。どういうスイッチがあるんですかね?」と尋ねると、宮藤は「だから余計にすごいなと思いますね。僕も30年ぐらいつきあってるけど、会話よりセリフの方が聞いている量が多いくらいですね」と、普段は物静かな阿部の演技のパワーに、2人も圧倒されているようだ。

■ 浜松は『いだてん』にとって縁のあるところです

トークショー後に第46回をパブリックビューイングする観客に向けて、宮藤は「田畑さんが組織委員会に乗り込んで、ずばっといいせりふを言うんですが、実は岩田さんが文章に残していたものなんです」と予告。そして、観客と共に放送を視聴した。

最後に、松坂は「非常に色んなものが受け継がれ、バトンを渡されて、見てくださる方にはグッとくるものがあると思います。最終回をお見逃しなく」と観客にメッセージを。

最後のイベント開催地となった浜松は、田畑の出身地。宮藤は「浜松といえば田畑さんですが、実は志ん生さんが来てた『勝鬨亭』があって、志ん生さんは浜松の思い出をよく語っているんです。浜松は『いだてん』にとって縁のあるところです。皆さん本当にありがとうございました」と感謝を述べた。(ザテレビジョン)