選手たちの心理状況もきちんと把握

ついに欧州No.1の国を決めるEURO2020の幕が開けた。開幕戦では復活を目指すイタリア代表が、堅守を誇るトルコ代表に3-0で快勝し、幸先の良いスタートを切っている。

この試合で終始トルコを圧倒し、ロシアワールドカップの予選敗退に追い込まれた3年半前とは、全く別のチームであるところを披露したイタリア。ハイプレスやチームの連動性、選手個々のクオリティの高さなど、目を見張る部分はたくさんあった。そして、忘れてはいけないのが“アッズーリ”(イタリア代表の愛称)をピッチの外からきっちりまとめ上げたロベルト・マンチーニ監督の存在だ。

イタリアは序盤からトルコを押し込み、自分たちの時間が長く続いたが、なかなかゴールネットを揺らすことができない。さらに、ペナルティエリア内で相手選手の手や腕に3度もボールが当たる場面があり、主審へ必死に抗議するもPKを与えてもらえず、スコアレスのままハーフタイムを迎えた。決めきれない状況に加えて、納得のいかない判定、そして開幕戦やホームでの戦いという大きなプレッシャー……。こういった状況は、選手たちに焦りを生むものだ。その結果、慌てて攻め急ぎ、カウンターから一発や、セットプレイのチャンスから失点など、悪い展開を迎えてもおかしくない。

しかし、マンチーニ監督がうまく選手たちをコントロールし続けたことで、イタリア代表の選手たちは決して慌てなかった。後半も頭から集中を切らさず戦い、53分に相手のオウンゴールで待望の先制点をゲット。さらに、たたみかけるように66分にチーロ・インモービレ、79分にロレンツォ・インシーニェが追加点を奪ってみせたのだ。

「スタートは出遅れてしまったけど、後半になんとか挽回して3つのゴールを奪うことができたよ。マンチーニが僕たちに、落ち着きを保つように言ってくれていた。こういったことは起こり得ることだと言い、試合に集中し続けるように促してくれたんだ。それをやってのけたことで、僕らは目標を達成することができたね」

これは、インシーニェが試合後に伊『Rai Sport』のインタビューで指揮官について語った言葉だ。選手たちが慌てず、このような試合展開へ持ち込めた背景には、指揮官の声がけがあったという。これまでインテルやマンチェスター・シティといったビッグクラブをまとめ上げ、タイトルをもたらしてきたマンチーニ監督。さすがマネジメント力に定評のある名将といったところか。試合の流れだけでなく、選手たちの心理状況をもきちんと把握した上で、選手たちをしっかり導いてみせたのだ。マンチーニ監督のマネジメント能力も、現在28試合負けなし中のイタリア代表の強さの秘訣の1つだろう。やはりイタリア代表は今大会の優勝候補の一つだ。