EURO2024も優勝を狙える

過去のオランダ代表は豪華なアタッカーを揃えた攻撃的な集団との印象も強かったが、現チーム最大の強みは守備だ。

今月はUEFAネーションズリーグの準決勝でクロアチア代表と対戦する予定となっているが、その代表メンバーも守備陣の豪華さが際立つ。

リヴァプールでは苦しいシーズンを過ごしたが、最終ラインを統率するのはフィルジル・ファン・ダイクだ。経験値等を考えても、ファン・ダイクは来年のEURO2024でも主力となるに違いない。

その相棒候補も豪華だ。ニューカッスルで充実のシーズンを過ごしたスフェン・ボットマン、マンチェスター・シティで3冠に王手をかけているネイサン・アケは貴重なレフティーDFであり、どちらもクオリティは高い。特にアケはサイドバックにも対応可能で、ジョゼップ・グアルディオラの下で大きく成長している。超ハイレベルなユーティリティDFとして信頼できる。

バイエルンのマタイス・デ・リフトも忘れてはならない。ファン・ダイクの後継者筆頭候補であり、長くオランダ代表を引っ張るであろう実力者だ。

そのデ・リフトを抑え、昨年のワールドカップ・カタール大会で先発ポジションを掴んでいたアヤックスDFユリエン・ティンバーもビッグクラブへのステップアップが噂される逸材だ。まだ21歳と若く、ここからワールドクラスのDFへ育ってほしいところ。

今季のエールディヴィジを制したフェイエノールトからは、22歳のルシャレル・ヘールトライダが常連メンバーになろうとしている。センターバックと右サイドバックの両方を担当でき、オランダ国内での評価は着々と上昇している。

右のサイドバックでは、インテルのデンゼル・ダンフリースに加え、レヴァークーゼンでは超攻撃的SBのジェレミー・フリンポンが伸びている。3バック、4バックのどちらを使用するかで変わってきそうだが、フリンポンは今季ブンデスリーガで8ゴール7アシストの成績を残している。ダンフリースとの争いは何とも豪華だ。

左では前述のアケを回すプランに加え、ベテランのダレイ・ブリント、マンチェスター・ユナイテッドで更なる成長を求めたいタイレル・マラシアが候補者だ。

また、今月の21日からはルーマニアとジョージアの共催でU-21欧州選手権が開催される。そこにはU-21オランダ代表も出場することになっており、この世代にはアヤックスDFデヴェイヌ・レンチ(20)、ヴォルフスブルクで主力を務める192cmの大型レフティーCBのミッキー・ファン・デ・フェン(22)、リヴァプールからシャルケにレンタル移籍しているセップ・ファン・デン・ベルフ(21)、フェイエノールトの優勝に貢献した左サイドバックのクイリンシー・ハートマン(21)、チェルシーからバーンリーにレンタル移籍し、バーンリーのイングランド2部制覇に貢献した左SBのイアン・マートセン(21)らタレントが揃う。彼らは未来のA代表候補だ。

これだけ守備陣にタレントが揃うのは、オランダのサッカー史を振り返っても珍しいか。攻撃陣もメンフィス・デパイを中心に、リヴァプールのコーディ・ガクポやドルトムントのドニエル・マレン、PSVで大ブレイクしたシャビ・シモンズら楽しみな選手はいる。

EURO2024では優勝を狙えるチームのはずで、再び代表監督に戻ったロナルド・クーマンが豪華守備陣をベースにどうチームを構成してくるか楽しみだ。