ブロゾビッチ退団の影響を感じさせない

開幕14試合で未だ1敗のみと快調な戦いでセリエA首位をキープしているインテル。

今のセリエAで最も安定しているチームと言えるが、今夏には1つの課題があった。中盤の底を務めてきたMFマルセロ・ブロゾビッチが退団したのだ。

ブロゾビッチはアンカーのスペシャリストで、圧倒的な運動量でインテルのバランスを取る存在だった。ブロゾビッチ退団の影響は大きいかと思われたが、もうその問題は解決している。

今季守備的MFとして圧巻の活躍を見せるハカン・チャルハノールのおかげだ。

トルコ代表の司令塔でもあるチャルハノールには、攻撃的なMFとのイメージを抱いている人も多かっただろう。しかし今季のチャルハノールは中盤の底からチームに貢献しており、この起用が当たっている。

元々の攻撃センスに加え、今季は守備の数字も大幅に伸びている。例えば1試合平均タックル数は昨季の1.5回から2.5回へとアップ。ここまでトータルではリーグ戦で35回のタックルを成功させており、これはリーグ全体で第7位だ。

またファウルで相手を止める機会も増加しており、チャルハノールはここまでリーグ第4位となる24回のファウルを記録している。これは戦術的ファウルという意味でも重要なものだ。

攻撃面ではリーグ戦で6ゴールの活躍を見せており、チャルハノール、ニコロ・バレッラ、ヘンリク・ムヒタリアンを軸とするインテルの中盤は実に上手く機能している。

今季はチャルハノールにとっても特別なシーズンとなっているはずで、ポジションを下げることで長く活躍できるようになる選手も珍しくない。ブロゾビッチが退団しながらもインテルが好調を維持できているのは、万能MFとなったチャルハノールがいればこそだ(データは『WhoScored』より)。