高校サッカー監督からプロ転向後、結果を出し続ける黒田監督

Jリーグ第14節、町田ゼルビア対セレッソ大阪の試合は、劇的なアディショナルタイム弾で決着がついた。

両チームとも後半途中まで互いに一進一退の戦いを見せていたが、試合が動いたのは70分、今シーズン好調の町田を引っ張るFWオ・セフンのゴールだった。右からのクロスをペナルティーエリア中央で待ち構え、右足でうまく合わせゴールを奪った。

1−0のまま、しばらくこう着状態が続いていたが、79分にセレッソ大阪が同点に追いつく。レオ・セアラがペナルティエリア内に強引に入り込むと、競り合った町田DFが倒れたところに、セアラも倒れ込みPK判定。それを自ら落ち着いて決め、1−1に。

すると、このまま引き分けで終わるかと思われた最終盤、アディショナルタイム3分にドラマが訪れた。町田の左サイド、林 幸多郎がクロスを上げると、後半途中出場のFWミッチェル・デュークが競り合いの中で頭で合わせ、そのボールがゴール右へと吸い込まれた。キーパーは反応できず、なすすべなく見送るだけ。町田イレブンは土壇場の決勝点に歓喜し、サポーターの元に駆け寄った。

試合はそのまま2−1で町田が勝利。勝ち点を29に伸ばし、得失点差でヴィッセル神戸に次いで2位をキープした。

町田は、昨シーズン黒田 剛監督体制1年目でいきなりJ2を制覇し、クラブ史上初めてJ1に昇格したチーム。そして今シーズンここまでJ1の強豪チームを撃破し続けている。しかも黒田監督といえば、青森山田高校サッカー部の監督として、全国高校サッカー選手権大会を何度も制覇した名将として知られている人物。このままアマチュアだけでなくプロの舞台でも、結果を出し続けることになるのだろうか。今後の町田の戦いと黒田采配にも注目だ。