2021年8月、愛知県岡崎市にある1830年創業の酒蔵が、蔵を改装してカフェをオープンしました。酒粕を使ったソースが自慢のハンバーガーや、甘酒を使ったスムージーなど、酒蔵ならではのメニューが揃っています。

■蔵をリノベーションしたモダンでお洒落な空間…9代目が開いた酒蔵カフェ

 愛知県岡崎市の中心部から車で30分ほどの山間にある、1830年創業の「柴田酒造場」。

地酒「考の司(こうのつかさ)」で知られる酒蔵です。

 古い蔵をリノベーションし、2021年8月、「蔵cafe一合(いちご)」をオープンしました。

男性客: 「内装もオシャレだし、隠れ名所みたい」 女性客: 「インスタで見て気になっていて、やっと来れた」 別の女性客: 「木造の建物がオシャンティーで、居心地がいい」 古い蔵を改築した店内は和の落ち着く空間で、最近流行りの昭和レトロとはまた一味違う、モダンでお洒落な雰囲気です。

100年以上前の蔵をリノベーションしていますが、古い“なまこ壁”はあえてそのままに。テーブルの脚になっているのは、お酒の火入れに使う“蛇管(じゃかん)”。窓は昔風の歪みのあるガラスを再現しました。

お冷を出すときは、50年ほど前に使っていたワンカップをそのまま使うなど、昔の面影もしっかりと残しています。

このカフェは、9代目の柴田佑紀さん(32)と妻の充恵さん(32)が始めました。

■酒粕や熟成した古酒を混ぜたバーベキューソースを使用…一番人気の国産牛100%のハンバーガー

 老舗の酒蔵が、なぜカフェを始めたのでしょうか。 9代目の柴田佑紀さん: 「コロナを機に、日本酒業界が打撃を受けて、前年の50%くらいの売上に…。発酵とか日本酒を知ってもらいたいって始めました」

 厨房をまかされるのは先代の次女・柴田梨絵さん(29)。名古屋で食品メーカーに勤めていましたが、カフェのオープンに合わせてメニュー開発を担当しています。

 カフェの一番人気は、国産牛100%の「一合バーガーセット」(2000円)。酒蔵ならではの酒粕や熟成した古酒を混ぜたバーベキューソースが特徴のハンバーガーです。そして、もう一つの特徴が具材を挟んだバンズです。

先代の次女・梨絵さん: 「通常のバンズと比べて、糖質量が5分の1。低糖質のバンズを色々探して『ふすまパン』や『大豆粉』を使った物を食べたんですけど癖があって、バンズを特注で作ってもらっています」

食物繊維を多くすることで、低糖質ながらフワフワ感があるバンズを特注で作ってもらいました。ポテトのように見える大根のフライや、おちょこに入った酒粕プリンも付く、ボリューム満点のセットです。

女性客: 「ダイレクトに酒粕の香りじゃなくて、いろんな物が交じり合った感じで身体に良さそう」

■酒粕とチーズを合わせ自然由来の甘味料を使用…糖質を約30%カットしたスイーツ

 低糖質なスイーツも人気です。「ギルトフリーな酒粕チーズケーキ」(700円)は、酒粕とチーズを合わせ自然由来の甘味料を使うことで、糖質を約30%カットしました。

男性客: 「酒粕の香りと風味がしておいしい」 酒粕のチーズケーキと一緒に日本酒「考の司 純米大吟醸 生酒」(グラス800円)を注文する女性も…。 女性客: 「クリーミーなチーズケーキを日本酒で流し込むのがたまらない。最高の組み合わせ」

 2022年1月には、「ギルトフリーな酒粕チーズケーキ(テイクアウト用4人前)」(1600円)などのテイクアウトメニューも始めました。

女性客: 「実家に帰るので手土産を。おいしかったので、是非みんなに食べてもらおうと」

■アメリカで実感した日本の醸造文化の価値…伝統を守るために夫婦で酒蔵を継承

 9代目の佑紀さんは、2014年に高校の同級生だった充恵さんと結婚し、2017年に柴田酒造場に婿入りしました。しかし、当初は酒蔵を継ぐつもりはなかったといいます。 佑紀さん: 「前職でアメリカに駐在していた時に、日本食や日本酒が注目されていることに気付きました」

2014年に自動車関係の仕事で充恵さんと渡米。2人は、現地で日本の醸造文化が評価されていることを知り、地元の魅力に気が付いたといいます。

先代の長女で妻の充恵さん: 「酒蔵という、他にはない歴史や醸造技術がすごく価値があると実感して、酒蔵を一緒に継いでいけたらいいなと」 伝統を守りたいと2人で酒蔵を継ぐことを決め、地元の魅力をもっと知ってもらいたいと、新たにカフェを開きました。

■若い人にも甘酒を気軽に楽しんでほしい…ヘルシーで美味しい甘酒のスムージーを開発

 2022年4月には、お酒をもっと身近に感じてもらいたいと新たなメニュー「アマザケスムージー」(抹茶800円 いちご900円 バナナ800円)を作りました。

梨絵さん: 「甘酒というと渋いイメージがあったので、若い子に気軽に楽しんでいただきたいと」

甘酒にたっぷりのミルク、そして三河抹茶を入れてシェイク。自家製の酒粕プリンが入ったカップに、シェイクした甘酒を合わせて生クリームをトッピングして完成。

男性客: 「甘すぎず、メチャクチャ飲みやすい」 女性客: 「さっぱりしていて美味しい。(甘酒は)ほのかに感じるけど、色んな食感が楽しい」 甘酒が苦手な人や、子供にも人気です。

佑紀さん: 「魅力的な田舎づくりをすることで、ここで生まれ育った子供たちがこの地域に誇りを持ってもらえるような、そんな場所にしたい」  郊外の酒蔵に併設された魅力的なメニューが味わえるおしゃれなカフェ。地元の魅力を知ってもらいたいという夫婦の夢は、始まったばかりです。