23日に続き、24日も名古屋市内では野生の猿の目撃情報が相次ぎました。 目撃した住民: 「私が向こうに行こうとすると、こっちにバッと出てきた。結構大きかったね。子供じゃないと思ったけど。この瞬間、私と鉢合わせ。買い物に行こうと思った瞬間にターッと走ってきた」 <警察の呼びかけ(東区・24日午前7時ごろ)> 「猿を見かけても近づかず、エサや物などをあげないでください」  警察などによると、24日5時半ごろ、東区の砂田橋小学校の校庭や名古屋高校の屋上で目撃されました。

 その後は矢田川を渡ったとみられ、午前7時すぎに守山区鳥羽見や新守町で、午前9時ごろからはアサヒビール名古屋工場の周辺などで目撃情報が相次ぎました。

 いったいなぜ名古屋の街に現れたのか、日本モンキーセンターの学芸員に聞きました。 日本モンキーセンターの赤見理恵学芸員: 「直接見ていないので確実ではないですが、オスの可能性の方が高いと思います。オスは大きくなると群れを出ていくんですね。他の群れにいずれ入ることになるんですが、その際けっこうフラフラ移動するんですね。おそらくそういう『ハナレザル』と呼ばれる個体が、移動中なのかなと思います」  赤見さんによると、ハナレザルが市街地にやってくることはありますが、繁殖シーズンの秋以外に現れるのは珍しいといいます。

赤見理恵学芸員: 「(見かけたら)騒いだり追いかけたり、急に逃げたりしないことですね。目を見るというのは猿にとって威嚇の意味がありますので、目を合わさずに離れるのがいいかと思います」  その後、猿は守山区の小幡緑地周辺に。近くの小幡小学校では急遽、下校する児童に教員や保護者が付き添う対応をとりました。

 警察や市は猿を捕獲しないのかについては「鳥獣保護管理法」という法律で、野生の鳥や哺乳類は原則捕獲してはいけないと定められています。  名古屋市によると人にケガをさせる、大きな農業被害が出るなどの場合は、市の権限で捕獲を許可することもありますが、基本は「自然は自然のままに」するということです。