木々の緑が色濃くなる時季となりました。今回はこれから旬を迎えるトマトを使ったボリューム満点な一品をご紹介いたします。

 本県は全国有数のトマトの生産地です。トマトのふるさとは南米アンデスの高地といわれており、16世紀にバレイショとともにヨーロッパへ渡ったとされています。17世紀、大航海時代の波に乗ってトマトも海を越えてアジアへやってきて、そこからさらに日本へ伝わったようです。

 「トマトが赤くなると医者が青くなる」とよくいわれるように、トマトは栄養素が豊富です。特徴的な赤い色はリコピンという色素によるもの。リコピンには強い抗酸化作用があり、有害な活性酸素を除去して老化やがんを予防する働きがあります。

 加熱した方がリコピンを効率良く取れるので、トマト缶やトマトジュースでもリコピンをしっかりと補給できます。またβ(ベータ)カロテンも多く含まれています。体内でビタミンAに変化するプロビタミンAと呼ばれる物質の一つです。体が必要としているときだけビタミンAに変わるので、取りすぎになる心配がありません。

 他にもむくみや高血圧を抑制するカリウムや、ビタミンC、ビタミンEなども含まれています。日頃から積極的に取りたい野菜のひとつです。

 今回はフレッシュなトマトをたっぷりと入れたレシピにしました。トマトを加えるタイミングによって食感が変わるので、より生に近い状態で食べたい場合は、ソースが煮えてから最後に加えて温める程度でもおいしくいただけます。ぜひお好みのタイミングを見つけてみてください。

◆材料(2人分)

1人当たり653キロカロリー、食塩相当量3.0グラム

スパゲティ200グラム、合いびき肉200グラム、玉ネギ100グラム、ニンニク1片、塩少々、こしょう少々、トマト200グラム、赤ワイン大さじ1、ケチャップ大さじ1、中濃ソース大さじ1、しょうゆ大さじ1、砂糖小さじ2、パセリ適宜

◆作り方

(1)玉ネギ、ニンニク、パセリはみじん切り、トマトはヘタを取り除いて1センチ角に切る。

(2)フライパンに合いびき肉、玉ネギ、ニンニク、塩こしょうを入れて中火で肉に8割くらい火が通るまで炒める。別の鍋に1200ミリリットルの湯を沸かす。

(3)トマト、赤ワイン、ケチャップ、中濃ソース、しょうゆ、砂糖を加えてさらに肉に火が通るまで炒める。鍋の湯が沸いたら塩小さじ2(分量外)を入れてスパゲティを表示時間通りにゆでる。

(4)スパゲティがゆで上がったら湯を切り、皿に盛り付け、上から炒めた合いびき肉を乗せ、パセリを飾る。

<やまと・さおり> 管理栄養士、料理研究家。1989年、水戸市生まれ。東京農大卒。市内で「お料理教室オムスビ」を開講している。