梅雨入りが記録的に遅れた関東地方だが、東京都内の6月の総雨量は平年より大幅に多かった。気象庁の観測によると、都心(千代田区)では350ミリと平年の約2.1倍。八王子市でも304ミリと平年の約1.8倍に達した。晴れて暑い日が続く中、梅雨入り(6月21日発表)前からまとまった雨も何度か降ったためだ。(宇佐見昭彦)

 都心では6月2〜3日に計71ミリ、18日に98ミリ、28日にも82.5ミリの雨量を観測。一方で、月間の日照時間も計158時間余で平年の1.2倍超。強い日差しでの暑さか大雨か、両極端な天気が目立った。シトシト降る長雨でなく、短期集中でドッと降った形だ。

 昔から、こうした降り方を「陽性の梅雨」と呼ぶこともあるが、気象庁の用語の基準では「意味があいまいなので予報や解説には用いない」とされている。

 水源地はどうか。国土交通省関東地方整備局によると、東京の最大の水がめとなる利根川上流の矢木沢ダム(群馬県)など9ダムの合計貯水率は95%(7月3日現在)で、この時期としては過去30年余りの平均貯水量を1割ほど上回る。利根川上流域では今年1〜3月に雨が多かった。

 7月に入り、蒸し暑さが続く都内。3日は梅雨の晴れ間となり、都心の最高気温は33度を超えた。気象庁によると、向こう1週間は雲が広がりやすいが、30度以上の暑さも当分続く見込み。水分・塩分の補給など、熱中症への対策が必要だ。