稀勢の里引退 「五輪まで土俵に…」 ゆかりの人々ねぎらう

稀勢の里引退 「五輪まで土俵に…」 ゆかりの人々ねぎらう

 大相撲の横綱稀勢の里(32)が現役引退を表明した十六日、田子ノ浦部屋がある江戸川区では、応援してきた人たちが口々に思い出を語った。期待や重圧を背負ってきた日本人横綱へのねぎらいが相次いだ。 (加藤健太)

 「同世代でもあるので、ずっと応援していた」と話すのは、部屋近くの「小岩やぶそば」の三代目新井啓介さん(31)。店内には、来店時に書いたサインが飾られ、大きなエビ天を載せた横綱そばと名付けた応援メニューも。「どっしりとした姿が風格があって格好良かった。世界の注目が集まる東京五輪まで土俵に上がっていてほしかった」と引退を惜しんだ。

 行きつけのすし店「辰之鮨支店」店主、中村和範さん(67)は「残念としか言いようがない。『ご苦労さま』という気持ち」と語った。訪れると好物の茶わん蒸しを二つ食べていたといい、初場所直前の今月六日にも出稽古に来た琴奨菊、豊ノ島と来店。リラックスした様子から、「これなら」と復活を期待したが、黒星を重ねる姿に涙ながらにテレビ観戦していた。「強い力士を育ててほしい。苦しみも知っているからこそ、良い指導ができるはずだ」とエールを送った。

 田子ノ浦部屋は二〇一四年十二月、区内に部屋開きした。誘致に尽力した部屋の後援会長の中川泰一さん(66)は「見かけると気さくに握手に応じてくれて、地元ではとても人気があった。我慢強い横綱なので相当けがに耐えていたのだろう」と思いやった。

 初優勝と横綱昇進を決めた一七年の初場所後、部屋の近くの区立小岩小学校で優勝報告会が開かれた。地元の約四千五百人が詰め掛け、小学生力士たちは実直な横綱に憧れた。

 多田正見区長は「復活に向けて努力する姿は子どもたちに大きな希望と勇気を与えてくれた。今はただお疲れさまと伝えたい」とコメントを出した。


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