年上バツイチ女に優しく近づいてきた、29歳のイケメン。完璧に見える男に隠された、意外な欠点とは

年上バツイチ女に優しく近づいてきた、29歳のイケメン。完璧に見える男に隠された、意外な欠点とは

ーこの人と離婚して新しい人と再婚すれば、簡単に幸せになれると思っていましたー

これは、高い恋愛偏差値を誇る男女がひしめき合う東京で、

再び運命の相手を求め彷徨うことになった男女のリアルな”再婚事情”を、忠実に描いた物語である。

時間軸にシビアな女たち、女性に幻想を抱き続ける男たち。

そんな彼らが傷つき、喜び、自らが選んだ運命に翻弄されてゆく…

さぁ、では。彼らの人生を、少しばかり覗いてみましょうか。

夫の不倫によって離婚を決意した秋元カナ。

女友達に離婚パーティを開催してもらい何とか立ち直ったカナは、友人の亜美と食事会に繰り出すが、そこで出会った男とのデートで散々な目に遭ってしまう。

だが、それまで意識していなかった会社の後輩と食事に出かけ、思いがけず良いムードになった。



見逃せない違和感


「秋元さん、ランチ行きましょう」

声をかけてきたのは、先日カナが食事を共にした相手である、後輩の中田悠介(29)だ。

離婚後の強烈な寂しさに、商社マンから暴言を吐かれるという一件が重なってすっかり弱り切っていたカナを、彼は絶妙なタイミングで誘ってくれたのだ。

先週、レストランから出た後に起こったことを思い出すと、今でも赤面してしまいそうになる。

とはいえ中田は、同じ社内、しかも同じ部署の後輩である。

カナは離婚したばかりでただでさえ人目が気になる上、社内恋愛は別れた時のリスクが高い。中田の情熱にほだされついキスをしてしまったが、きちんとした付き合いをするとなると、冷静かつ慎重にことを進めなければならないだろう。

ところが。

当の中田は、あのデートの夜以来、こうして毎日堂々とランチに誘ってくる。

その上、毎日のLINEは少なくとも10通。朝のおはようから夜のおやすみまで、中田の”自分報”が届き、その急激な距離感の縮め方に、カナは少しばかり辟易していた。

イケメンで、しかも自分のことを好いてくれる後輩からの積極的なアプローチが嬉しくないわけではないが、こうも露骨だと周囲に怪しまれるのでは、という不安が胸をよぎる。

ランチの時に思い切ってその話を打ち明けたところ、中田は意外すぎる反応を返してきたのであった。


とうとう表面化する違和感の正体とは?

カナさん、僕たち付き合ってますよね?


「ねぇ、中田くん。こうして毎日毎日一緒にお昼を食べることって、今までじゃ無かったじゃない。あんまりいつも2人でランチに行ってるってなると、会社のみんなにも疑われちゃうんじゃないかなぁ、って思うんだよね」

あくまでも周囲に怪しまれてしまうことを懸念しているとアピールし、カナは相手を傷つけないよう細心の注意を払う。

すると、中田は意外すぎる反応を返してきた。

「えっ?カナさん、だって僕たちってもう付き合ってるんだから、別にバレてもいいじゃないっすか」



カナは、中田の言葉が信じられなかった。

ーそ、そんなこと言ったっけ…?

あまりにも急な展開に戸惑っていると、中田がさらに続けた。

「それに僕は、カナさんと付き合ってるって周りにバレたって全然問題ありませんから。全然気にしないですよ、周りがなんて言おうと」

カナが脳をフル回転させて記憶を手繰り寄せても、どうしても”付き合う”となった経緯を思い出せない。

たしかに、たしかにカナは中田とキスをした。レストランで一緒にディナーに行き、店を出た後に盛り上がって、ついそういう流れになってしまったのだ。

だが、その後のLINEでも”付き合う”とか、”彼氏・彼女”とかいうワードが出たわけではない。

「ね、ねぇ…?」

カナは、慎重に言葉を選んだ。

「私たち…さ、付き合う、とかそんな話したっけ?」

キスをして毎日LINEのやり取りをする仲なら付き合っていると誤解されても仕方がないかもしれないが、社内でおおっぴらに関係性を開示されては困る。

ところが、ふと中田の整った顔が曇り、明らかに気分を害しているのが見て取れた。

「なんですか、それ。じゃあカナさん、付き合う気のない男と平気でキスとかしてたってことですか?」

「いや、そういうわけじゃないの。ただ、そんな話があったとか覚えてないし、それに会社のみんなにおおっぴらにするのも気が引けて…」

一生懸命フォローするも、どうも中田は拗ねてしまったようだ。あからさまに気を悪くした様子で、いつまでもそっぽを向いている。

ーなんか中田くん、結構子供っぽい…。

カナはそっとため息をついた。

そしてその夜、長文でカナを責めるLINEが来たあと、翌朝になると中田は、昨日までの親密ぶりが嘘のようにあからさまにカナを避けたのだ。

デートの夜には想像もしていなかった中田の本性を目の当たりにし、カナの中田に対する気持ちも嘘のように萎んでいったのであった。


面倒な事件を経て、カナが決断したこととは?

もう、恋愛はしばらくいい


「で?怒ってLINEこなくなったの?その子、かなり面倒くさい男の子だったんだね…」

今夜は仕事帰りに、亜美と丸ビル5階の『スパイス ビストロ ヴェー』に来ている。



「いやほんとね。顔はイケメンだし、優しいし、マメでしょ。完璧だと思ったんだけどね。なんか社内にバレてもいいじゃんみたいなノリ、可愛いと思えなくて。それって彼のこと、そんなに好きじゃなかったってことだよね?」

塩レモンサワー片手に力説するも、ふと亜美の表情が一瞬歪んだような気がした。

ーあれ?もしかして今の、自慢に聞こえたかも…。

離婚後のつらい時期を支えてくれる大事な女友達に甘え過ぎて、彼氏のいない亜美の気持ちを考えることを怠っていたかもしれない。そう気付いたカナは、慌てて取り繕う。

「いやそれにさ…あんだけ気分屋だし、なんか結局遊ばれそうな予感もしてたんだよね。私なんてどうせ、年上のバツイチ女だもん」

思い切り自虐すると、パッと亜美の表情が明るくなった。途端に、先ほどのようなテンポの良い会話が復活する。

「私、もう恋愛なんていいや。男の人なんて、面倒くさいことばっかり。仕事に生きるよ!」

そうカナが力説すると、亜美もノリ良く続く。

「そうよーカナ。仕事ってさ、やった分だけ裏切らないから。やっぱカナといると楽しいな。ね、今日もうち泊まりなよ!」

散々盛り上がって亜美の家に行こうとしたが、コンタクトの替えを持っていなかったためカナは結局自宅に戻った。

帰り道、自分で自分に言った”どうせ年上のバツイチ女”という一言が意外と重くのしかかり、その夜は少しだけモヤっとした気分を抱えながら眠りについたのだった。



土曜日の朝。

「男や恋愛よりも、自分の生活を立て直す」

そう決意して通い始めたヨガスタジオでポーズをとりながら、カナは自分の体があまりにも鈍っていることに驚愕した。

離婚以来、趣味のダンスを再開する気にもなれなかったが、固くなっている自分の体を自覚した途端、もっと体を動かしたいという意欲が湧いてきた。

「それでは、瞑想をしましょう。ご自身の内側の感覚に目を向けて。意識をだんだんと呼吸と心臓の音に向けて…」

先生の指示通り瞑想をしようとしても、元夫・司の不倫発覚のこと、商社マン高橋からの暴言、後輩・中田との残念な関係、そして将来への不安などが次々と浮かび瞑想どころではない。

だが、ヨガの後は不思議と気分が爽快だった。

まだ離婚の傷や寂しさは癒えてはいないが、少しずつだけれど自分の足で歩けそうな気がする。

そんな風に感じながらスタジオを出たタイミングで、亜美からLINEが届いた。

ーカナ、提案なんだけどさ。今度部屋が更新になるのね。で、良かったら私とルームシェアしないかな?と思って。

「ルームシェア!?」

あまりにも突然の提案に、カナは目を丸くしてトーク画面を見つめる。

確かに、離婚による寂しさを埋めるように男性に依存しようとしていたカナにとって、親友とのルームシェアは一見得策のようにも思えるがー。

ー家賃も半分になるし、何よりカナと二人で住んだら絶対楽しいと思うの!
ーね!お願い♡考えておいて!

まるでカナが既読にするのを待ち構えていたかのように、亜美からは続々とLINEが届く。その少し強引なメッセージに、カナは頭を悩ませるのだった。


▶NEXT:11月21日 水曜更新予定
大親友からのルームシェアの誘い。カナはどうする?



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