結婚5年、隠していた手紙が妻にバレた。他の女に目移りした男が語る「妻とセカンド女の差」とは

結婚5年、隠していた手紙が妻にバレた。他の女に目移りした男が語る「妻とセカンド女の差」とは

−この人だけを一生愛し続ける−

そう心に誓った日はもう遠い昔…。

結婚生活が長くなれば、誰にだって“浮つく瞬間”が訪れるもの。美男美女が行き交う東京で暮らすハイスペ男女なら尚更だ。

では、東京の夫/妻たちは一体どうやってその浮気心を解消し、家庭円満をキープしているのか。

これは、既婚男女のリアルを紡いだオムニバス・ストーリー。



第5話:別の女に心揺れた夫・清水涼介が語る、「僕が浮気の恋を諦めたワケ」


“私たち、これからも夫婦としてやっていきましょう”

ダイニングテーブルに座りため息をついていた妻が、覚悟を決めたようにそう言ってくれた時。

僕は心の底から安堵し、一切の躊躇いもなく大きく頷いた。

「ああ、もちろん。僕も同じ気持ちだ」

妻が何の断りもなく日付が変わるまで外出していたことも、普段より明らかにオシャレしていることも、頬をほんのり蒸気させ、どこか上の空な様子で帰宅したことも…

彼女が僕の過ちを水に流してくれるというのなら、そんなことはどうでもいい。

あれは1ヶ月ほど前。クローゼットに隠していた、メッセージカード…美沙からの手紙を、あろうことか妻のあかりから手渡された時。

僕はただただ狼狽え、とっさに「違うんだ」と言い訳のセリフを吐いた。しかしそれ以降の言葉が続かなかった。…何も違わないのだから、当然だ。

浮気心に負け、妻がいながら別の女性…美沙と男女の関係になってしまったことに、弁解の余地はない。

だがそんな僕を責めることはせず、ひたすら黙って見つめる妻のまっすぐで力強い瞳。毅然とした態度。

そして彼女が静かに言ったある言葉で、僕は痛感したのだ。

人生をともにするべき相手は美沙じゃない。やはりあかりだ、と。


一度は浮気心に負けた男・涼介が語る、「妻とセカンド女の差」とは

長所と短所が紙一重というのは本当だと思う。

例えばあまり表に感情を見せない僕のことを、結婚当初、あかりは「穏やかで優しいところが好き」だと言ってくれた。

しかし同じ映画を観ても、ボロボロと涙を流すあかりの横で僕は淡々としている。話題のレストランに食事に行っても、リゾート地へ旅行しても、はしゃぐあかりとは対照的にいつだってポーカーフェイス。

そんな僕を、あかりは次第に「何考えてるかわからない」と評するようになった。

もちろん僕自身は何も変わっていない。同じ人間であっても、見る側の目や心が変われば違って見えてしまうものなのだ。

そしてそれは、僕があかりに対して抱く感情も同じだった。

あかりに初めて出会った時、僕は彼女の、まるで内側から発光しているような輝きに惹かれた。

都内の有名私大を卒業し、広告代理店で働くあかり。彼女は僕が経験してきた人生とは真逆の、華やかで煌びやかな世界を生きてきたに違いなかった。

美しい外見に惹かれたのは事実だが、その後ふたりでデートをするようになり、彼女を知れば知るほどその内面を尊敬するようになった。

どんな出来事もポジティブに受け止める姿勢や、誰に何を言われようが決してブレない芯の強さ。

恋愛は無い物ねだりだと言うが、自分にないものを持っているあかりに、僕はどんどん惹かれていった。

−彼女がそばにいてくれたら、きっと幸せな人生になる。

僕はそう確信し、付き合って2年目の記念日にプロポーズをした。


しかし、当たり前のことだが、人生は良い時ばかりではない。

…あかりには話していないが、昨年夏頃から、僕は仕事である悩みを抱えていた。

突然の人事異動で部長が変わったのだが、その上司とどうしてもウマが合わないのだ。

僕は大学院を卒業後、ずっと同じ製薬会社で研究職をしている。もともと人とのコミュニケーションが得意な方ではないものの、十分なキャリアもあるし、まさかこの歳で人間関係に悩むとは思わなかった。

−あなたは難しく考えすぎるの。もっと楽観的に、前向きに捉えればいいのに−

あかりに相談すれば、きっとそんな言葉で叱咤激励を受けるだろう。しかしこの時の僕が求めていたのは、そういう類の対応ではなかった。

彼女の強さやポジティブさに惹かれて結婚したはずが、いつの間にか“引け目”や“疲弊”を感じるようになっていたのだ。


男が別の女に心揺れる時


「清水さんは、何も悪くないと思います」

恵比寿の雑居ビルにあるバーで、隣に座った“彼女”がそう言ってくれたとき。

それは、乾ききった心に水が注がれていくような感覚だった。未だかつて感じたことのない、穏やかな感情で満たされる。そしてその柔らかな心地よさに、僕はまっすぐこちらを見上げる彼女の瞳を、つい受け止めてしまったのだ。


この夜、僕は大学院時代の仲間数人で飲んでいた。

途中で「男ばかりでむさ苦しい」と言い出した仲間の誰かが女性を呼び、やって来た女たちの中に彼女はいた。

小柳美沙(こやなぎ・みさ)。歳は30代前半だろうか。仕事は大学病院で医療事務をしていると話してくれた。

どういう繋がりで彼女がこの場に来たのか、よくは知らない。妻のあかりのような華やかさは皆無だが、色白で整った顔立ちをしている。

あかりと出会うずっと前…高校生の頃、初めてできた彼女に少し似ていた。

結婚しているのだろうか。その真偽を、僕は最後まで確かめようとしなかった。しかし少なくとも左手薬指に指輪はなかった。


美沙に、ほだされていく涼介。しかし最終的に「家に帰ろう」と思うに至った、その理由とは


浮気をするつもりなんてなかった。あかりを裏切るつもりも。

しかし結果的に、僕と彼女は“一夜の関係”だけでは終わらなかった。彼女…小柳美沙から誘われてしまうと、どうしても断ることができない。

最初に会った時にも感じたが、彼女はあかりとは正反対のタイプだ。大声をあげて笑うこともないし、静かに淡々と話す。

余計なことは言わず、会話が途切れても気にするそぶりもなく、沈黙のまま座っているような女。

その空気感が、僕を逆に饒舌にさせた。あかりには話すのを躊躇った職場での悩みも、なぜか美沙には遠慮なく愚痴ってしまった。

彼女は僕が何を言っても否定せず「うんうん」と話を聞いてくれるものだから、例の上司と一悶着あった日などは、家に帰るより美沙に慰めてもらいたくなる。


「これ…帰り道に読んで」

ある夜、情事の後。いつもどおり朝が来る前にホテルを出ようとしたら、美沙から小さな封筒を渡された。

手紙なんてもらうのは、いったいいつぶりだろうか。妻のあかりから貰ったのが最後のはずだが、それがいつ、何の時だったか、もはやさっぱり思い出せない。

「本当は、帰らないでほしい。ごめんなさい、私、どんどん嫌な女になっていくね…」

弱々しく呟く彼女の声が聞こえる。

裸のまま僕の背中を見送る彼女のしおらしい姿を振り返って、僕の心は罪悪感と後悔でいっぱいになった。

僕は…結婚する相手を間違えてしまったのだろうか?


妻と、セカンド女の差


美沙との関係をあかりに知られ、当然ながら僕と妻の関係は険悪なものとなった。

僕は何度も彼女と話し合うことを試みたが、あかりは一切聞く耳を持とうとしない。

「話を聞いてくれ」と懇願しても「何があったかも言い訳も、別に聞きたくない」の一点張りで埒が明かない。

しかし弱り果てた僕が、半ば投げやりに「…どうすればいいんだよ」と呟いた時。あかりははっきりとした口調で、僕にこう告げたのだ。

「辛くても苦しくても、自分の幸せに必要な決断をするだけよ」

その言葉で、僕はようやく目が覚めた。

弱さも狡さも何もかも受け入れてくれる美沙と過ごす時間はただただ“楽”だ。しかしそれはイコール、自堕落である。何の進歩もない。

すべてを受け入れてくれる美沙の存在は、確かに弱っていた僕の救世主だった。

しかしいつまでも逃げ続けるわけにはいかないのだ。そうしていったん前を向こうと決めたら、そばにいてほしいのは美沙じゃない。身勝手は百も承知だが、そのことにようやく気がついたのだ。

−美沙とは、きっぱり別れよう。

立ち尽くす僕をリビングに残し、妻はさっさとバスルームへ消えていく。

その迷いのない後ろ姿は凛として眩しく、出会った頃と変わらぬ光を纏っていた。


▶NEXT:1月31日 木曜更新予定
涼介にセカンド認定された女・小柳美沙。その隠された素性とは…?



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