親友の彼氏から不意打ちのキス…!女が無意識にとった裏切りの行動とは

親友の彼氏から不意打ちのキス…!女が無意識にとった裏切りの行動とは

特別だと思っていたのは、私だけだったの−?

広告代理店でコピーライターをしている橋本杏(24歳)は、同期の沢口敦史(24歳)に淡い恋心を抱いている。

“友達以上”の態度をとる敦史に期待してしまう杏。

しかし学生時代からの親友・優香と敦史を引き合わせてしまったことから関係が一変。

強がることしかできない杏をよそに付き合い始めた二人。

だが優香はその裏で既婚者・入江との関係を清算しきれておらず、彼に誘われるままホテルで再会。

さらには敦史とのデート中に入江と電話で会う約束をし、修羅場を迎えてしまう。



別の男とデートをしてみても…


「そういえば、この前も敦史がね…」

そう声に出してしまった後で、私はハッと我に返り口を噤んだ。

−しまった。私ってば、さっきから敦史の話ばっかりしてる…。

健一と約束をしていた、とあるカメラマンの個展を見た帰り。

小腹が空いたので、私の自宅近くで食事しようという話になり恵比寿の『バンデルオーラ』に立ち寄った。

最初はお互い、好きに個展の感想を言い合っていたはず…そこからどうやって話題が変わってしまったのか。

優しい健一が終始穏やかに話を聞いてくれるものだから、いつのまにか私が一方的に話し、しかもずっと敦史の話題ばかりをもち出している。

自分の無神経さを恥じ、私は気まずさから黙り込んでしまう。

すると健一がそんな私をフォローするように言葉を続けた。

「…橋本って、やっぱり敦史のことが好きなんだな」


別の男とデートをしても、結局は敦史のことばかり。そんな杏に、健一がついに勝負に出る

「え!そんな、ちが…」

大げさに顔の前で手を振り、慌てて否定する。しかしその癖「違う」と言い切ることができない。

…そんな私に、健一は悲しげな笑顔を向けた。そして一呼吸を置くと、何かを吹っ切るように宙を見上げる。

「いいんだ別に。わかってたことだよ」

静かにそう呟いたあと、もう一度私に向けた瞳は、これまでに見たことのない真剣な眼差しでドキッとさせられた。

−来る。

咄嗟に身構えた、次の瞬間。私の最も恐れていた言葉が聞こえてしまった。

「でも…それでも俺は、橋本が好きだ」

−好きだ。

そのセリフに、私の胸はヒリヒリと痛む。

健一を傷つけたくない。けれど、彼の気持ちには応えられない。

敦史と優香から「付き合うことになった」と報告された時とはまた違う、逃げ出したくなるような痛みだ。

そしてその居た堪れない痛みは、健一が続ける言葉で益々、熱を抱えていった。

「俺、橋本が敦史と幸せになるんならそれでいいと思ってた。二人は仲がいいし、傍から見てても正直、お似合いだからさ。でも敦史から、橋本の友達と付き合い始めたって聞いて…なんだそれって。それなら俺、これ以上自分の気持ちを我慢する必要ないって、そう思って…」

しかしそこまで言うと、健一はふと言葉を切った。

おそらく…目の前で私が、困惑を隠せずにいることに気がついたから。

「いや、別に返事は急がない。だってほら、もう2年以上もずっと我慢してたんだ。今更待つのなんか、どうってことない」

急に明るい声を出し、私の沈んだ表情をどうにか回復させようと必死で取り繕う健一。深く傷ついているのは、他ならぬ自分自身のはずなのに…。

「…ありがとう」

ただただ胸が痛くて、申し訳なくて。私はそう小さく答えるのがやっとだった。


結局、私と健一はその後、気まずさを拭えないまま食事を終え、店を出た。

別れ際、健一は遠慮がちに「送ろうか」と尋ねた。しかし「大丈夫!」と答えるとすぐに引き下がり、私たちは別々の方向に視線を送るのだった。

「じゃあ…また」

健一が私に向ける、ぎこちない笑顔。

胸が痛む。…まるで敦史を前に無理やり笑う、自分を見ているようで。

私はその痛々しい光景から目を背けるようにして、「じゃあ」と自宅に向かい踵を返した。

残酷な仕打ちだとわかっていても、一刻も早くこの場から立ち去ってしまいたくて。

−まだ、23時過ぎだったのか。

足早に帰路を進みながら、私はスマホで時間を確認し、なんとも言えない気持ちになる。

敦史と二人で飲んでいるときは時間があっという間に過ぎて、日付が変わる前にお開きになることなんて一度もなかった。

−バカみたい、私…。

結局、他の誰かで埋めようなんて無理なんだ。

それなのに安易に健一の誘いに乗り、それで結局、敦史の話ばっかりして彼を傷つけた。

独りよがりな自分が嫌になって、私はひとり頭を振る。

するとその時、左手に持ったスマホが光るのが見えた。

“沢口敦史”

画面に浮かぶのは、思いがけない敦史の名前だった。



「杏、今どこにいる?」

慌てて応答ボタンを押した私に、敦史は間髪入れずそう尋ねた。

「えっ…」

突然の電話に驚き、息が上がってしまう。

動揺を隠せぬまま「どこって…恵比寿。家の近くだけど」と答えると、電話の向こうで、敦史が小さく「良かった」と呟くのが聞こえた。

−何?いきなり…今夜、私が健一とデートしてるの知ってるはずだよね?

それなのに敦史はなぜ今、電話を寄越したの…?

「...どうしたの?何かあった?」

まったく要件の検討がつかない。

しかし私の問いには答えぬまま、敦史はさらに突拍子も無いことを言い出すのだった。

「…じゃあ俺、今から杏の家の前まで行くよ」
「え…!今から?」

慌てて聞き直すが、敦史はまるで動じない。しかしその有無を言わさぬ口調に、私は彼の提案を断ることなどできなかった。

「…いいけど」

流されるがままに答える私。

「じゃ、後で」

混乱し、戸惑う私を置いてきぼりにしたまま、敦史はそう言って一方的に電話を切ってしまうのだった。


突然会いに来るという敦史。そして二人の関係は、予想外の方向へと動き出す

−本当に来るのかな。っていうか、何のために…?

帰路につく間、私の頭の中はずっと敦史のことでいっぱいだった。

…健一に「好きだ」と言われたことが、もう遠い昔の出来事のように思える。

今夜は健一とデートだと知っていながら、敦史はどうして私に連絡してきたのだろう。こんな夜遅くにわざわざ会いに来るなんて、一体どうしたっていうの。

突如として降りかかったその難題を解くのに、徒歩10分の道のりは短すぎる。気づけばあっという間に自宅マンションへとたどり着いていた。


…敦史は、本当にそこにいた。

植え込みが施された腰高のレンガに、明らかにしょんぼりとした様子で腰掛け佇んでいる。

「どうしたのよ、いきなり」

呆れ顔で問いかけても、敦史はこちらを見ることもせず、正面を向いたまま。そしてのんびりとした口調で、こう呟くのだった。

「どうしたんだろうなぁ…。なんか会いたくなった、杏に」
「え…」

その言葉に、私の心はぎゅっと掴まれてしまう。

心臓が口から飛び出しそうで、言葉を返すこともできず、息をするのもやっとなほどだ。

私は俯いたまましばし立ち尽くし、そして思い出したように、ほんの少しだけ距離を空けて彼の横に腰を下ろした。

「今まで健一と会ってたの?」

私が座るのを待って、敦史が抑揚のない声で尋ねる。顔をこちらに向けようとしないから、表情がよくわからない。

「えっ…?そう、ほら、仕事終わりに例のカメラマンの個展に行って、お腹空いたから恵比寿まで戻ってイタリアン食べて、それで…」

別に詳細を聞かれてもいないのに、私はなぜか慌てて、早口で経緯を説明してしまう。

そんな私の様子を見て敦史はふっと笑うと、まるで全てを見透かすような目でようやくこちらを見た。

「何をそんな慌ててるんだよ。…告白でもされたか?」
「…なっ、そんなわけ」

なぜだかはわからない。しかし私は咄嗟に否定をして、ムキになって敦史の方を向いた…その瞬間。

ふいに腕を掴まれたと思ったら、敦史が私の唇を奪った。



−え…?

「どうして」という疑問が浮かぶのと、私の理性が飛んでいったのは多分、同時だった。

ぐっと強く抱かれた肩と重なる唇。触れ合う感触だけが私を包む。

…もう、何も考えられない。まるで別世界にでも迷い込んだように、周囲の雑音が消えた。

私はすべてを忘れ去るように瞳を閉じる。そうして、敦史の唇にだけ神経を集中させた。


▶NEXT:8月24日 土曜更新予定
急展開を見せた二人の関係。思わず杏にキスした、敦史の本音とは


▶明日8月18日(日)は、人気連載『オトナの恋愛塾〜解説編〜』

〜この恋がうまくいかなかった理由、あなたは答えられるだろうか?今週の問題は、デートは楽しかったのに、「付き合えない」と思われた理由とは?解説は、明日の連載で!



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