白いクロスに整然と並ぶナイフとフォーク、テーブルを照らすキャンドル、そして片手にはワイングラス。

これがクリスマスの正解だと信じていたけれど、大人になるにつれ聖なる夜の経験値も増え、もう一歩先を求めてしまう。

王道を経験済みの大人たちは、クリスマスらしからぬ意外なジャンルをディナーの舞台に選んでほしい。

そこには、これまでとは違う新鮮な空気に、心躍るクリスマスが待っている。


― 穴場クリスマスディナー 01:「割烹」でクリスマス ―


日本の食材は冬こそうまい。クリスマスにあえての和でひとつ格上の大人になる

『銀座よし澤』

冬の美食の最高峰と言えば日本料理に他ならない。

カニ、ふぐ、ぶり、白子……真冬の最上の味覚を思い描けばフレンチを筆頭とする洋食よりもだんぜん日本料理に軍配が上がるはず。もうそれは絶対的な大人の常識とさえいえる。



そしてもう一つ、割烹の強みは小空間ゆえ店主との距離が近いこと。目の前のゲストのために料理を作り、それをゲストが笑顔で返す。

ジャズのセッションにも似た作り手と食べ手の交流は、聖なる夜の粋な過ごし方といえる。

これまで、クリスマスといえば〝ふたりきりの世界〞が正義だった。でも今年は、こうして店主を交えた時間が楽しいと思える。そんな大人の余裕もなんだかいい。



名物「さわらのわら焼き」。12月は蓋つきの器に盛って、プレゼントを開ける楽しい気分を演出している。¥20800のコースより


― 穴場クリスマスディナー 02:「イタリアン」でクリスマス ―


年に一回の特別な夜は飾らずに過ごしたいから最高峰のイタリアンで

『Piacere』@シャングリ・ラ ホテル 東京

日本人にも馴染み深いイタリアン。フレンチにも引けを取らない華やかさはありながら、フレンチよりもカジュアルで肩ひじを張らないのが魅力だ。

特別な夜だからと堅苦しくせずいつもの自分たちらしく過ごしたい。そんなふたりの聖なる夜には、イタリアンが強力な味方となる。

ご馳走に華を添えるトリュフの芳醇な香りや、ヨーロッパの伝統的なクリスマスのデザートであるパネトーネまで……イタリアンでしか味わえない冬の食体験が待っている。


ラグジュアリーホテルの上階にあるダイニングなら、イタリアンの中でも最高峰といえる。ゴージャスなインテリアと都会の夜景を見下ろす華やかな夜を演出する。

モダンでスタイリッシュそれでいてカジュアルさをきちんと備えた華麗なディナーで心に残る最高のクリスマスを。


子供がいても楽しめる個室カウンターの鮨店の魅力とは!?

― 穴場クリスマスディナー 03:「鮨」でクリスマス ―


ファミリーにとっても特別な夜。上質な鮨を気兼ねなく楽しむ

『鮨心 はなれ』

贅沢の代名詞ともいえる鮨。ならば、特別な夜に行くのはもちろん正解といえる。

冬ならではの魚の美味しさも素材を活かす鮨だからこそダイレクトに堪能できる。大人にとっても敷居の高い鮨店が子どものいるファミリーのクリスマスディナーにおすすめといったら意外だろうか。



狙うべきは鮨店のカウンター個室。

ファミリーでも周囲に気兼ねなく寛げるのはもちろん、ただの個室とは一線を画す特別感がたまらない。



子どもにとっても鮨職人の華麗な手さばきを間近で眺められる経験がなりたい職業のひとつとして夢を広げてくれるかもしれない。そんな思いを寄せながら家族でカウンターを囲めば幸せな一体感がおのずと生まれる。

子どもも大人も幸せなクリスマス。それは鮨店のカウンターが叶えてくれるのだ。


― 穴場クリスマスディナー 04:「中華」でクリスマス ―


聖なる夜の女心をときめかすなら、食材と演出に贅を尽くした中華が正解

『Fff...TOSHI』

美味しいもの好きのふたりならもちろん、美味なるレストランを目指すのは必須。ただひとつ、そこに今年らしさをつけ加えるならば今最も勢いのある中華にこそ着目したい。

なぜかというと昨今の中華店はラグジュアリーな設えやカウンターキッチンなど親密な空気感を作り上げる手助けとしても優秀だからだ。

中華を再構築するようなイノベーティブなひと皿と少量多皿での提供はスペシャルなディナーのお約束だ。



中華ならではの高級食材との出合いも、聖なる夜の特別感をきちんと盛り上げる。

加えて目の前でドラマチックにあがる炎、パチパチと油がはぜる音など高揚感を掻き立てられる演出に心踊らされずにはいられない。

五感で魅せられるレストランにこそ一年で一番大切な夜の味方になってもらいたい。


― 穴場クリスマスディナー 05:「鉄板焼」でクリスマス ―


大切な人と横並びで絶品肉を楽しむ特別感。これは鉄板焼きでしか味わえない

『鉄板焼 赤坂』@ANAインターコンチネンタルホテル東京

聖なる夜は特別だからやっぱり贅沢に、お肉がいい。心ゆくまで存分にお肉を楽しめて、ゆったり落ち着いて過ごせる場所。

そう思ったら、自然と鉄板焼きに行きついた。高級かつ極上な素材をダイレクトに活かすから、〝肉〞を堪能したいふたりにはぴったりだ。



素材の質が味を左右するゆえ、手を加え過ぎないシンプルな料理こそ本物。それも数々のレストランを経験した大人だから分かることだろう。

また、シェフが目の前の鉄板で自分たちのためだけに肉を焼く、その圧倒的な優越感を味わいながら横並びで味わう鉄板焼きは極上のクリスマスディナーなのだ。



それも、イルミネーションが煌めく夜景が望める一流ホテルとなれば、至れり尽くせりなホスピタリティも聖なる夜にときめきを添えてくれるはずだ。


月刊誌東京カレンダーの最新号ではふたりで食べたい穴場レストランのクリスマスメニューや気になる店舗情報、店から見える夜景など、行ったつもりで店選びができるぐらい各店の詳細をたっぷり掲載!