日本で年収が1億を超える人の割合は「0.019%」と少なく、彼らに出会える可能性はかなりレア。

だがその男たちを射止めた女たちは実際に存在する。それは一体どんな女性なのだろうか?

▶前回:「夫との写真をSNSにアップしたくない…。」父親と同い年の男と結婚した、26歳若妻のホンネ



【秘密だらけのミリオネア妻】
名前:桜子
年齢:28歳
職業:外資系企業勤務
夫の職業:某メーカー取締役


信じられないような偶然によって出会った2人


「あれ?この前の…」
「ええ…!?まさか…奇遇ですね」

彼との出会いは、まさに運命だった。

出張で福岡へ行くときの飛行機で隣の席になり、その一か月半後の仙台行きの新幹線でもまた、偶然隣になった。

―あの時…ハンカチを落として良かったわ。

桜子が飛行機の中で落としたハンカチを哲平が拾ってくれた。それでお互い薄っすらと顔を覚えていて、新幹線で再会したときに会話が始まったのだ。

隣の席の人がハンカチを落としても、気づかないふりをする人が多いだろう。でも哲平は「落としましたよ」と、上品な笑顔で声をかけてくれたのだ。

…その哲平は某メーカーの創業家の跡取りだったから、ますます幸運であった。それに目鼻立ちがくっきりした中性的な顔立ちは、今でも見る度にどきっとしてしまう。

「桜子〜!今日はビーフシチューが食べたい。買い物は僕が行くからさ」

多少甘えん坊なところはあるが、結婚したいまでも気遣いを忘れない。

―こんな人間的にできていて、育ちのいい男性はいない。

いつもそう思っている。

…だからこそ、絶対にバレてはいけない秘密があるのだ。


ミリオネア妻の黒い過去とは

誰だって秘密がある


桜子が結婚前まで住んでいたマンションは、賃貸ではなく持ち家である。

山手線の内側にある、9階建ての最上階で角部屋の1LDK。どの駅からも微妙に離れているが、3駅使えてとても便利だった。

哲平と一緒に暮らすときにその部屋は売却し、結果として1,070万ほどの利益を手にしている。

そのマンションが持ち家だと分かると、周囲の人たちは桜子ちゃんのお家はお金持ちなんだねぇとか、ずいぶん稼いでるんだね、と驚いた。

…しかし実は、どちらでもない。

例にもれず哲平も持ち家だと知ったとき、ご実家は資産家なんだねと呑気に言っていた。桜子は、そんな感じかな…とごまかしたが。

―ここでバレたら、終わり。

桜子の実家は代々商売を営んでいるとは言え、娘に都内のマンションを買い与えるほどの余裕はないし、勤務先は外資系企業だが、それほどまでの収入ではなかった。

実は学生時代、有名起業家の彼女としてマンションを買えるだけのお金を手にしたのだ。



「ねぇ、時給のいいバイトがあるんだけど、やらない?」

親友の貴子に誘われたそのアルバイトは、有名な経営者や起業家がよく訪れるというバーでの、バーテンダーの仕事だった。

大学に入るまで彼氏すらいなかった桜子が、そのアルバイトをやると決めたのは、完全な遊び心だ。実際バーテンダーとしてカウンターに立ち、品のいい常連と話すだけの仕事は、時給の割にとてもオイシイ仕事だった。

「明日、ドライブにでも行こうよ」

1番の常連客がそう声をかけてきたのは、アルバイトを始めてすぐのこと。

そして始めて一ヶ月でいわゆる“彼氏”を手に入れ、アルバイトは辞めた。

もちろん彼には家庭があったが、彼と付き合うのが楽しくてしょうがなく、分不相応な学生時代を謳歌したのだ。

だが終わりは呆気なくやってきた。

「俺、子どもはもう諦めているから、桜子と一緒になりたいな」

いつだったか、温泉宿の内風呂で寂しそうに言う彼の横顔を見て、彼への愛しさが最高潮になった直後。

ある事件が起きた。

『ねえ、雑誌見た?ありえなくない?』

貴子からの連絡で、コンビニに立ち寄り雑誌を買うと、そこには彼とその妻が載っていた。

妻がメインで取り上げられていたその女性誌には何と、「子供を授かるまでの苦労」が綴られていたのだ。

―子どもはもう、諦めたと言っていたのに…。

したたかな男の本質を見た気がして、男性経験の浅い桜子はずいぶん落ち込んだ。

そこで思いついたのが、手切れ金だ。

「別れるなら、今までのことを全部奥さんに言う」



彼は子供ができたら、手のひらを返したように有無を言わせず別れを望んだ。そのため手切れ金もかなりの額を、数回に分けて振り込んでくれた。

「いいか、桜子。不動産を持っていない金持ちっていうのはいないんだ」

大金を手にしたとき、桜子はこの彼の言葉を思い出し、手切れ金をマンションの軍資金としたのだ。

この他にもうひとつ、夫に秘密にしていることがある。


過去の秘密が多い妻に対し夫は…

「ご出身の大学はどちらなの?」

夫の母にそう言われて、桜子は学歴を“塗り替える”努力をしておいて良かった、と心底思った。

夫にも義父母にも言っていないが、桜子は短大から編入している。卒業した大学名に嘘はないし、あら素敵ねと義母は言ってくれたが、短大からの編入だと伝えたら、何と言われただろうか。

桜子はこうして無事、夫と結婚までこぎつけた。

夫にはバレていない。…これからも上手くやっていくつもりだ。



「そろそろ子どもが欲しいなあ」

桜子は、最近口癖のように言っている。次に欲しいのは子供。

疲れている夜でも彼は優しく応えてくれるから、きっと大丈夫。


夫:妻にはバレていないだろう


妻と偶然2回目の出会いを果たしたとき、これは運命だと感じたし、また実際交際してからも順調だった。

それに彼女の家も代々商売をしており、マンションは持ち家だと言っていた。手堅く儲けているのだろう、両親も納得してくれた。

また学歴だって都内の有名大学を卒業しているのだから、申し分ない。

でも1つだけ気になることがある。

妻がFacebookでプロフィール写真を変更したとき、妙なコメントをする60歳近い経営者たちがいることに、最近気が付いてしまったのだ。

『変わらないね、昔から』
『素敵だね!』

だがそういうコメントはすぐに削除され、挙句の果てには、友達リストから消えていた。

―何なんだよ…。俺の女に……。

いまになって妻の男性関係を疑っているが、伝えていない。そこに触れてはいけない何かがあるような気がしたのだ。

…でも僕にも秘密があるから、結局夫婦は似た者同士。

僕の上品だと言われる顔立ちは、“作りモノ”だ。

結婚式も昔の写真は少なめにしたし、両親を見て気づかないのも、母も同様に作りモノだからだ。

僕は母に似て、一重の目に低くて少しつぶれた鼻を持って生まれてきたから、本来はお世辞にもかっこいい男とは言えない。

だが日本最高峰の大学への入学切符を手にしたとき、同時に顔を綺麗にしたらウソみたいに女性が寄ってきたのだ。

この過去を妻は知らないし、一生言うつもりもない。

だから最近、子どもが欲しいと言われるたびに内心ドキドキしているのだ。もし、女の子を授かって俺に似たらと思うと…なんとも言えない感情になるだろう。

どうか、うまく切り抜けられればいいな、と思っている。

家柄、学歴、見た目…。

彼女には、全てにおいて完璧な僕だけを見ていて欲しいから。


―Fin.

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