男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:「男はこういうコト、して欲しいんでしょ?」完璧な“イイ女”が、本命に選ばれない理由



それは、千春を家に招いた夜のことだった。僕は彼女をマンションの下まで見送りながら、呆然としていた。

「譲(ゆずる)くん、今日はありがとう。またね!」
「うん。またね。気をつけて帰ってね」

コンシェルジュが手配してくれたタクシーに乗り込み、颯爽と去っていく千春。

タクシーに乗る瞬間にちらりと見えた細くて綺麗な脚を思い出しながら、僕は今日のデートはなんだったのかと振り返る。

—なんで、家まで来たんだろう?

外でデートした後、家まで来てそういう流れになっていた。だが肝心なところで、千春はこう言ったのだ。

「ごめん譲くん。実はね、今日私、“あの日”なの…」

そう言われたらどうしようもない。…が、どうして家に来てから言ったのだろうか。

そもそも嘘なのか、本当なのか。僕は彼女の行動の真意がまったく読めずにいる。


女の言う「今日“あの日”なの」の意味とは!?

Q1:初対面で女が男に抱いた印象は?


千春とは、友人の紹介で出会った。最近彼氏と別れたらしく、僕のところに話がきたのだ。

「友達が彼氏募集中なんだけど、会ってみない?譲の好きそうな可愛い子だよ」

そう女友達に言われて紹介してもらうことになり、とりあえず3人でお茶をしたのだが、初めて彼女を見たとき僕は驚いてしまった。

可愛いと聞いてはいたものの、想像以上に美人だったからだ。

肌が白くて透明感が溢れている。しかも伏し目がちに話す仕草が妙に色っぽく、思わず彼女をじっと見つめずにはいられなかった。

「譲さんは、今付き合っている方とかいらっしゃらないんですか?」

千春から尋ねられ、僕は苦笑いをする。

「とにかく仕事が忙しくて、ここ2年くらいはずっとフリーです。あまりかまってあげられなくても怒らないような、寛大な人がいればいいんですけどね」

これは事実だった。この2年で何度かデートもしているが、毎回「仕事と私、どっちが大事なの?」と言われ、振られてきた。

しかも奥手で自分から誘えないため、新たに出会ってもなかなか発展しない。

「譲さん、フリーなんて意外ですね。じゃあもしよかったら、今度デートでもしてください♡」

その言葉にドキッとしたが、てっきり社交辞令かと思っていた。ところが千春は翌朝、ちゃんと連絡をくれたのだ。

—千春:譲さん、先日はありがとうございました。良ければまたご一緒させてください♡

もちろん、僕はこの後すぐに千春を食事に誘った。



こうして迎えた初めてのデートは、かなり楽しかった。

話しているうちに共通の知人も何名かいることが発覚した。千春が28歳、僕が31歳という年齢差もバランスがいい。盛り上がっているうちに、あっというまにディナータイムが終わってしまった。

17時から食事を始めたので、店を出てもまだ19時半である。

飲み足りない気持ちもあったが、そうかといって今は2軒目も開いていない。今日は大人しく解散することにしよう。

「残念だけど、どこも開いていないからねぇ…僕の家で飲み直してもいいんだけど、今日は解散しようか」
「そうですよね。残念ですが、今日は帰りますか」

二人の間に、名残惜しいムードが漂う。すると別れ際に、千春はこんなことを言ってくれた。

「次回は、もう少しゆっくり飲みたいです♡」
「もちろん。こちらこそだよ!」

—なんていい子なんだ。可愛いし、最高だな。

楽しいデートの余韻に浸りながら、僕はすぐにまた会いたいと思い、彼女にLINEを送った。

そして翌日には、次のデートの日程が決まっていたのだ。


順調に進み、家まで来た…それなのにナゼ(涙)!?

Q2:「今日“あの日”なの」は本当だったのか?


初デート以降、気がつけば週に一度くらいのペースで食事に行っていた。

そして、四度目の食事で“その時”はやってきた。

この日もいつも通り早め集合、早め解散のつもりだったが、1軒目で食事を終えても千春はまだ飲み足りないようで、タクシーに乗りたがらない。

「譲くん。もう少し、飲まない?」
「もちろんいいけど…それなら、うちに来る?」

開いている店がないので、選択肢として飲む場所は僕の家か彼女の家になる。

「行ってもいいんだったら…譲くんのお家に行きたいな♡」

ーこの時間に、彼女の方から“もう少し一緒にいたい”と言ってくれた。それってつまり…!?

胸がドキドキと高鳴っていたが、僕は必死で平静を装い、家の扉を開けた。

「千春ちゃん、何飲む?」
「何でもいいけど…ワインとかある?」
「あるよ!ワイン、開けようか」

部屋には、僕と千春の二人っきりという状況。リーデルのワイングラスを2脚出し、ボトルを開けながら、この後に起こりうることを考えていた。

そして案の定、 ワインが半分くらい空いたところで、僕たちはごく自然に抱き合った。



「千春ちゃん、いいの?」

思い返せば、今日で四度目のデートだ。千春のほうも、男女の関係になることを望んでいたのだろうか。

「うん……あ、でも待って!」

明かりを消した部屋のソファで抱き合っていると、少しの沈黙の後に突然千春が叫んだ。

「どうした?」
「ねぇ。私たちって付き合ってるのかな?」

この体勢での質問に、思わず失笑しそうになる。ナゼ今なのだろうか。

「今それ聞く?(笑)」
「あとね…」

一呼吸置いてから、千春が僕の耳元で、申し訳なさそうに囁いてきた。

「ごめん譲くん。実はね、今日私、“あの日”なの…」

—え…今このタイミングで、それを言う??

千春のブラホックに手を置いたまま、僕は固まってしまった。この状況で、一体どうしろというのだろう。

「そ、そうなんだ。そしたら仕方ないよね…!」

慌てて手をどけると、千春は僕の膝の上からスルリと降り、めくれ上がったニットを下ろしている。

「譲くん、ごめんね」
「いやいや、謝ることじゃないから。むしろこっちこそごめん」

だが僕の頭の中は大混乱だ。そしてふつふつと疑問が湧いてくる。

一つ目は、なぜ今このタイミングで言ったのか、ということ。

そして二つ目は、果たして本当に“その日”なのかどうか、ということだ。

—これって、どういう女心…?

千春を見送って部屋へ戻った後も、気分は晴れない。

彼女の口紅の跡がついたワイングラスをキッチンのシンクへ運びながら、僕は一生懸命今日の出来事は何だったのか、理解しようとしていた。


▶前回:「男はこういうコト、して欲しいんでしょ?」完璧な“イイ女”が、本命に選ばれない理由

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女が言い放った「今日はダメ」の真意とは