男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:「このタイミングでそれを言う?」今夜こそは…!と思ったのに、男を激しく動揺させた女の一言



あれは、いつもどおり夕飯の支度をして、夫の隆太が帰ってくるのを待っていた日のことだった。

鍵が開く音がして、私は駆け足で玄関へと向かう。

「お帰りなさい♡」

今夜は、隆太の好きなビーフシチューだ。きっと喜んでくれるに違いない。しかし満面の笑顔の私とは対照的に、隆太の表情は浮かない。

「ビーフシチュー作ったよ♡」
「え?さっき、夕飯いらないって連絡していたんだけど…」
「え?」

慌ててスマホをチェックすると、たしかにLINEが入っていた。だが食事の支度でバタバタしていてスマホなんて見ていなかったし、夕飯がいらないならもっと早く言うべきである。

「もう少し、早く連絡くれればいいのに…」

ガッカリして小さくため息を吐き、隆太を見つめる。夕飯の準備はそれなりに大変なのだ。

ところがそんなことお構いなしとばかりに、隆太からは信じられない言葉が飛び出してきた。

「あのさ、奈美…僕たち、しばらく別々に暮らさないか?」

それは、突然の別居宣言だった。

そしてこの翌日。夫は、本当に家を出て行ってしまったのだ。


夫が家を突然出て行った理由とは…!?

Q1:結婚当初から、夫が気になっていた妻の言動とは?


隆太と結婚したのは、2年前のこと。

彼が33歳、私が30歳ということもあり、当初から結婚を視野に入れて交際していたので、婚約は当然の流れのことのようにも思えた。

籍を入れてから一緒に暮らし始めたが、赤の他人同士が一つ屋根の下で暮らしていると、さまざまな問題が起きる。

例えば食事についてだ。彼は関西出身で、私は東京出身。そのせいか、味の濃さに関しては二人の好みが合わず、よく揉めていた。

「奈美、今日の夕飯、ちょっとだけ塩味がキツかった …?もう少しだけ薄味だと嬉しいな」
「濃いとは思わなかったけど…ダメだった?」
「ううん、ごめん。いつもありがとう」

夫婦といえどもともとは他人同士なのだから、ほかにも洗濯のたたみ方や掃除の細かさなど、合わないところがあるのは仕方がないだろう。

けれども私たちは、毎回問題が発生するたびにちゃんと向き合い、話し合ってきた。



ただ一番多く揉めたのは、連絡頻度に関してだと思う。

「ねぇ、遅くなる時は早めに連絡してって言ったよね…」

彼の帰宅時間によって、起きて帰りを待っているか、それとも先に寝るかどうかなど、こちらの行動も変わってくる。

「ごめん、先輩に捕まっちゃって。でも“食事はいらないよ”って連絡はしたよね?」
「一応新婚だし、起きて待っていようかと思ってるのに」

私なりの気遣いだった。酔っ払って帰宅した夫をちゃんと介抱するのも、妻の仕事だろう。

それに、彼が何時に帰ってきたのか、変な女の匂いなどをつけて帰宅していないかを、ちゃんと把握しておきたいというのもある。

「先に寝ていていいよ。奈美も仕事があるし、帰宅が遅くて申し訳ないなぁとは思っているから」
「でも連絡するくらい1分もかからないし、子どもでもできることだよ?お手洗いに行った隙にとか…」
「わかった。とにかく、連絡はちゃんとするようにします」

こんなやり取りを何度繰り返しただろうか。

相当口を酸っぱくして言ったため、最近隆太は、遅くなる際にはちゃんと連絡をするようになった。LINEの返信も早くなった。

だから何も問題はないと思っていた。


夫が耐えられなかった、妻のある行動とは!?

Q2:夫が家を出て行こうと決意した、キッカケとは?


そんなある日のこと。隆太を連れて、私の友人である亜紗美宅で開催されたホムパヘ行くことになった。

亜紗美の自宅は白金にあるタワーマンションで、さらに子どもはインター通い。旦那さまは経営者ということもあり、かなりいい暮らしをしている。

ちなみに亜紗美と私たち以外にもう一組、仲良しの美穂も夫婦で参加することになっていた(ひな祭りシーズンにちなんで“ドレスコードは桜色”、とも決まっていた)。

「奈美、いらっしゃい。隆太くんも、お久しぶりですね」

亜紗美に出迎えられ、私たちは豪華な家の扉を開ける。中へ入ると既に美穂たちは到着していた。

美穂の旦那さまも同じく経営者なので、亜紗美の旦那さまとすでに話が盛り上がっているようだ。

「隆太も話に入れてもらったら?」

隆太をつついてみるものの、経営者ではない隆太は話に入れないようで、手持ち無沙汰になっている。

「業界も違うし、僕は聞き役に徹するよ」
「えぇ〜せっかくなのに…」

隆太は、こういう場で上手く振る舞えないタイプだ。だが私も準備を手伝わなくてはならないので、夫を一旦ダイニングテーブルに放置し、亜紗美と美穂のいるキッチンへと回った。



「ごめんね。うちの旦那、人見知りだから上手く立ち回れないみたいで」

隆太は家だとよく話すのに、外だと静かである。特に初対面の人がいる場では、かなり無口になる。

「まぁまぁ。私たちの旦那、年齢も上だしおじさんだから(笑)。でも改めて見ると、やっぱり隆太くんってイケメンだよね」

今年隆太は35歳になるが、顔はカッコイイ。それだけは自信があるし、私は純粋に隆太の顔が好きだった。

こう言ったら申し訳ないけれど、他の二人の旦那さんはいくら稼いでるとはいえ、年齢がかなり上のせいか、隆太と比べてしまうと年老いてみえる。

とはいえ、ストレートに自慢したら嫌味になってしまうので、私は慌てて謙遜し、首を横にふった。

「ありがとう。でももう隆太もいいオッサンだし、ハイスペな旦那さんのほうが羨ましいよ」
「そんなことないでしょ〜。広告代理店だっけ?稼いでいるし、いい旦那さんじゃない」
「ううん、二人のハイスペな旦那様たちに比べたら、うちは全然ダメだよ」

女同士は面倒くさいので、相手の旦那さんをたてておくのが無難である。そんな会話をしながら、私はその場をやり過ごしていた。

そして結局この日は、隆太はあまり多くを話さないまま解散となってしまった。

「ねぇ、そんなに今日嫌だった?隆太だけつまらなそうにしていたから」

帰りのタクシーの車内で、私は隆太の顔色を伺う。

「え?だって経営の話をされても、わかんないし。…それにしても、何で僕までピンク色の洋服着ないといけないの?変じゃない?」

今さらそう言われても、今日は桜色がテーマの会である。

「だってドレスコードがピンク色だったから…。嫌だったなら、無理強いしてごめん」
「なんか…変だね」
「付き合いだから、仕方ないよね」
「そっか。奈美も大変だね」

それっきり、隆太は何も言葉を発しないまま家に着いてしまった。



それから数日後。帰宅した隆太から別居宣言をされ、そしてそのまま家を出て行かれてしまった。

—そんなにピンク色の洋服を着るのが嫌だったのかな…。

ただそれに関しては、ちゃんと謝っている。

果たして、そこまで彼を追い詰めた理由はなんだったのだろうか?


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夫が妻に愛想をつかした理由とは