コロナ禍の婚活において、すっかりメジャーとなった出会いの形。それは“マッチングアプリ”だ。

しかし、マッチングアプリでの恋愛や婚活を成功させるのにだって、テクニックが必要なのだ。

―リアルではモテるのに、どうしてアプリでは“いいね!”が貰えない?
―メッセージは盛り上がっていたのに、なんでフェードアウトされた?
―初めての顔合わせの後、どうして二度目に繋がらない…?

あなたも抱いたことがあるかもしれない、数々の疑問。その答えあわせを、今ここで。

▶前回:何もかも男に“おまかせ”しすぎたのがダメだった…?女と3回会った後、男の気が変わった理由



― もしかして、私とのデートが楽しくないのかな…。

日比谷線の中で、私は小さくため息をついた。それは、聡と3回目のデートを終えた帰り道。

心の中では、ある疑問が渦巻いていた。

― どうして彼って、“お茶”しかしないんだろう…。

聡はマッチングアプリで出会った男性だ。何度かメッセージをやり取りした後で、彼の方から会おうと誘ってきてくれたのだ。

初回で指定されたのは、恵比寿のカフェだった。

アプリでの出会いの場合、1度目のデートが夜ご飯、というのはちょっとしんどいから、お茶くらいがちょうどいいと思う。実際会ってみて「えっ?想像していた感じと違う」ということだって多いからだ。

この前デートした男性も、メッセージでは気が合いそうだったのに、会ってみたら自慢話ばかり。しかも香水が信じられないくらいキツくて、一刻も早く帰りたかった。

最初から長時間のデートは、ハードルが高い。私もそう思っていたから、「お茶しませんか?」という聡からの初デートの誘いは気軽にOKできた。

ただ、3回のデートすべてが“お茶”というのは、どういうことなのだろう。


一緒にいるのがつまらなかった?男が時計を気にし始めて…

Q1:初デートで男が考えていたこととは?


「奈々さん、貴重な土曜日にありがとう」
「こちらこそ。聡さん、昨日もお仕事で遅かったんじゃないですか?」

2か月前にマッチングアプリで知り合った聡は、6歳年上の33歳。広告代理店で働いていて、勤務時間はフレックスタイム制。土日が休みだと言うが、いつも忙しそうにしている。

一方の私はヨガインストラクターをしており、聡ほど忙しくはないものの、週末も仕事が入ることがほとんどだ。

聡はマメに連絡はくれるけれど、会う日程がなかなか決まらなかった。ところが、私が担当する土曜日のヨガのクラスがたまたま休講になって、奇跡的にデートが実現したのだ。

「奈々さんは仕事柄、食べる物にも気を使ってそうだね」
「すごくストイックというわけではないんですが、少しは。あ、でも甘い物とかジャンクフードも食べたりしますよ(笑)」

そう答えながら、オーガニックコーヒーを注文する。

ヨガインストラクターとして働き始めて2年。同僚も生徒も女性ばかりで、出会いがまったくといっていいほどない。

最後に彼氏がいたのはもう3年前だと気づき、思いきってマッチングアプリに登録してみたのだ。

聡とは、アプリを始めて最初の頃に知り合った。

こんなに素敵な人とアプリで出会えるなんて、正直期待していなかったから、初デートが決まったときはものすごく嬉しかったのを覚えている。



待ち合わせをしたのは、12時半だった。

ちょうどランチタイムということもあり、カフェの中には良い香りが漂っている。

― そういえば、お昼ご飯って食べないのかな?

「聡さん、お昼ご飯食べました?お腹空いてませんか?」
「実はさっき、家で軽く済ませてきて。コーヒーだけで大丈夫かな」

正直にいえば私はお腹が空いていたのだが、ひとりだけ食べるのはさすがに気が引ける。手に取ったメニューを、そっとテーブルの隅に追いやった。

注文したコーヒーが運ばれてくるのを待っていると、聡が話を切り出した。

「最近、“HIIT”とかいう筋トレ流行ってるよね。奈々さんどんなトレーニングか知ってる?」
「え?筋トレですか、うーん、私はやらないですね。ヨガの練習はするんですが」
「そうなんだ!僕もヨガやってみたいんだけど、男でも通いやすいスタジオってある?」
「男性かぁ。女性専用のスタジオなら詳しいんですが、ごめんなさい。知り合いに詳しい人がいるので聞いてみますね」

運動不足を解消したいという聡は、いろいろなトレーニングに興味があるようだ。家でできるストレッチもいいね、なんて話になり、そこそこ盛り上がった。

得意分野の話題につい仕事モードに入ってしまったと気付いたときには、30分以上話し続けてしまっていた。

― まだ時間あるのかな?もう少し話してみたいかも。

ところが、お互いに2杯目のコーヒーを飲み終える頃、聡はチラチラと時計を気にし始めた。

「聡さん、時間大丈夫ですか?」
「あ、ごめん。実はこのあと行かなくちゃいけないところがあって、そろそろ出ようか」

少し物足りなさを感じながら、店をあとにした。だが、聡ももっと話してみたいと思ってくれたのか、その夜連絡がきて「来週もお茶しませんか?」と誘われたのだ。


男が意地でも「お茶デート」しかしない理由とは?

Q2:デートが毎回お茶なのはナゼ?


2度目のデートは15時に待ち合わせをして、またカフェでコーヒーを飲んだ。

平日の昼間だったこともあり、聡は約束の直前まで打ち合わせをしていて、このあとは会社に戻るという。

「今日もバタバタしていてごめんね。でも、少しだけでも話ができたらって思って」
「いいえ、でも本当に忙しそうですね!」

多忙な聡が、自分のために時間を作ってくれたのだと思うと素直に嬉しかった。

だけど、お互いの仕事の話をした程度で大した会話はできていない。2時間弱でデートはあっという間に終わってしまい、もっと話してみたいという気持ちはこの日も満たされないままだった。

― お茶だけだと時間が短かすぎる…。

聡も「また会おうね」と言ってくれていたし、その言葉に嘘はないと信じたい。そこで私は思い切って、こんなメッセージを送ってみたのだ。

奈々:「聡さん、よかったら今度は夜ご飯を食べに行きませんか?」
聡:「そうだね、ゆっくりご飯でも行きたいね!あー、でもそれだとちょっと先になりそうかな。今週金曜日の14時過ぎから、1時間半くらいなら空いてるんだけど」

勇気を出して誘ってみたのに、なんとここでも聡の提案は“お茶”だった。



金曜日の14時。

この日も聡は仕事の合間をぬって出てきてくれて、いつものようにお茶をした。だが私はなんだかモヤモヤしてしまい、楽しむことができない。

― どうしていつもお茶なんだろう。いくら忙しいとは言っても、夜に全然時間が取れないって…。

夜に会えない理由とは何だろう。

― まさか既婚者ではないよね?それか彼女がいるのかも…?

思い浮かぶのはネガティブなことばかりだ。

もしかして私との会話がつまらなくて、長く一緒にいるのが嫌なのだろうか。

これまでのデートの様子を振り返ってみると、思い当たる節がある。

聡が興味深々だったトレーニングの話にはうまく答えられなかったし、ヨガスタジオの件も、知り合いに聞いておくと言ったまま放置していた。盛り上がったつもりでいたのは、私だけだったのかもしれない。

だけど、聡もそれなりに楽しんでくれていたからこそ、3回も誘ってくれたのではないだろうか。

1度目のデートがお茶というのは私も賛成だけれど、さすがに毎回お茶だと、お互いをより深く知るための会話に進めない。

お茶なら会ってくれる、だけど夜ご飯には行きたくない理由とはいったい何なんだろう。

― これじゃまるで、ビジネスマンと打ち合わせをしてるみたいな気分…。

悶々としながら向かいに座る聡を見ると、彼はコーヒーカップを片手にスマホ画面を眺めている。

「ごめん、ちょっとだけメールしていいかな?このあと会議があって、急ぎで確認したいことがあるんだ」

そう言い訳しながらスマホを見ているけれど、実際何を考えているのか、聡の頭の中がさっぱりわからない。

聡とはこのままデートを続けるべきなのだろうか…。


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▶前回:何もかも男に“おまかせ”しすぎたのがダメだった…?女と3回会った後、男の気が変わった理由