男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:2歳の娘を置いて出て行った、年収3,000万の夫。幸せだったはずの夫婦が崩壊した理由は…



「ゲンちゃん、お帰りなさい♡」

木曜19時半。

家の扉を開けたら、妻のもとみが玄関で出迎えてくれて、僕は腰が抜けそうになった。

「もとみ!?た、ただいま…」
「今日も1日お疲れさま♡今夜はね、ゲンちゃんが好きなハンバーグにしたよ」
「へ?ハンバーグ??あ、ありがとう…」

一般的な夫婦の会話に聞こえるかもしれない。幸せな夫婦だったら、こんな会話は毎日繰り広げられているのだろう。

だが仕事から帰宅して、妻が(しかもこんな笑顔で)玄関先まで迎えに来たのはいつぶりだろうか。

たぶん、結婚して初めてのような気がする。

— 明日、雨でも降るのかな。

そんなことを思いながら、妙に豪勢な食卓を見つめる。

「あ。そうだ。今週金曜の夜、同窓会があるから行ってきてもいい?ちょっと遅くなるかも。もしその日、夜ご飯が必要なら作っておくけど?」
「いや、大丈夫だよ」

今まで、こんなことを聞かれたことはない。

— なんだ?なんでこんなに、妻が優しいんだ?

高い鞄でも買わされるのだろうか。それとも、この間後輩の女の子と二人で食事したのがバレたのか…(ただし、何も変なことはしていない)。

妻が怖いのは嫌だが、優しいと逆に不気味でもあった。


いつもは機嫌の悪い妻が、突然優しくなった理由とは…?

Q1:妻が夫に対して抱いていた感情は?


妻と出会ったのは、もう4年以上前のことになる。

後輩がもとみと知り合いで、写真に写っていた彼女を見て、僕から“紹介してほしい”と頼んだのだ。

身長が高く、ハッとするほど美人なもとみ。

綺麗なロングヘアが印象的で、初めて会った時にはそのオーラに心も視線も奪われた。だがモテる彼女の周りには、いつも男がいた。

「もとみちゃん、今何人くらいとデートしているの?」
「それは秘密♡」
「もとみちゃん、僕と付き合ってほしい。絶対に、一生大切にするから」
「本当に?ずっと大切にしてくれるなら、いいよ」

積極的にアピールして、周囲の男を蹴散らすことに成功。交際に発展し、約1年後に結婚した。

現在、結婚生活は3年目だ。

だが結婚して、いろいろとわかったこともある。もとみは、とにかく気が強かった。



「ちょっと源太!休みの日だからって寝てばかりいないでよ!家事でもしたらどうなの?」

平日が激務だから休日くらいはゆっくりしたい。そんな僕の意見なんて聞き入れてもらえるはずもなく、容赦なく家事を任される。

「ごめん。今するから。ちょっと待って」
「ちょっとも待たないよ。平日、家事は一切やらないんだから、休みの日くらい何かしようと思わないの?」
「あ〜もうウルサイなぁ」

言ってから“しまった”と気がついたものの、時すでに遅し。

「今何て言った?」
「いや、ごめん。何でもない」
「あのさ。あなたのトイレ掃除をさせられるこっちの気持ちにもなってみてよ」
「ごめん。今からやる」

— ハァ。尻に敷かれてんなぁ。

何度もそう思ったが、仕方のないことだ。そんな彼女の強すぎる性格ゆえ、徐々に女性として見られなくなってきてもいた。

気がつけばここ2年くらい、夜の夫婦生活がない。

もちろん彼女のことを嫌いになったわけではない。人として大好きだし、もとみ以外の女性は眼中になかった。


恐妻家だけれども、仲良しだった二人。夫が見過ごしていた、妻からのサインは?

Q2:妻が急に優しくなった、本当の理由は?


ちなみに彼女が怖いのは、家の中だけではない。特にステイホーム前は、僕が飲み会などで遅くなると鬼のように連絡が来た。

— もとみ:今どこにいるの?もう2時だよ?何やっているの?
— 源太:ごめん、まだ飲んでる。
— もとみ:いつ帰ってくるの?
— 源太:わかんないけど、もう少ししたら帰るよ。

「はぁ…」

こちらとしては金曜日や土曜日くらい、次の日のことを気にせず楽しく飲みたいものである。

だが彼女は、僕の帰宅が遅いことが許せないようだった。

「あのさ、もとみ。僕にも付き合いってものがあるんだから、もう少し許容できない?」
「じゃあ私が遅くなっても何も言わない?」
「言わないよ。もとみの人生だし。だから僕の時間も許してほしい」
「わかった……考えておく」

何度か同じような話し合いが繰り広げられた後、だんだん僕に対して口うるさく言わなくなった。

— 話し合いの効果が出てきた!!

そう思っていた。



だが同時に、もとみも外出することが増えた。僕としてはそれでうるさく言われなくなるならば、構わなかった。

「今日も出かけるの?」
「うん。友達と会ってくる。源太は?何時に帰ってくる?」
「何時だろう。今日は会社の同期と一緒だから、そんなにも遅くならないと思うけど」
「そうなんだ。楽しんできてね♡」

鼻歌まじりで微笑みかけられ、思わずドキリとする。

同期の中には女性もいる。もしかしてそれを見通して、余裕の笑みを浮かべているのだろうか。女の第六感は当たるから、怖い。

「な、なんか今日ご機嫌だね?」
「そう?」

久しぶりにまじまじと妻を見ると、妙に綺麗になった気がする。それに、見たことない洋服だ。

— また洋服買ったのかな。あ、だからご機嫌なのか。

どうして女性は、服とか靴とかバッグをこんなに買うのだろうか。普段使う分だけで十分なのに。

また勝手に僕のカードを使ったのかどうか聞きたいところだが、聞いたらまた小言が増えそうなので今回は流すことにしよう。

「そういえば源太、来週出張って言っていたよね?」
「あぁ、それなくなったんだ」
「変更になったってこと?」
「ううん。キャンセル」
「そっか、了解」

僕なりに気を使っている結婚生活。

だからこそ、もとみが急に優しくなったことに驚いてしまうのだ。

— 本当に、どうしたんだろう?

態度が変わったもとみの考えていることが、よくわからずにいる。


▶前回:2歳の娘を置いて出て行った、年収3,000万の夫。幸せだったはずの夫婦が崩壊した理由は…

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妻が突然優しくなった時。そのココロとは…!?