男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:“好き”とだけ言い残し、二度のデート以降連絡が途絶えた女。男の前から消えた理由は…



「奈緒子、ごめん。今日は疲れていて…」

彼氏の祥太郎の家で食事をして、一緒のベッドにもぐり込もうとした時。

冷たく手を振り払われ、思わず小さな声が出てしまう。

「え……」

会うのは3週間ぶりだ。久しぶりに会えたのに、彼は嬉しくはないのだろうか。

「なんでよ……。私のこと、本当はもう好きじゃないんでしょ?」

こんなことを言うつもりはなかった。でも祥太郎は忙しすぎて、なかなか会えない。やっと会えたと思ったら、このザマだ。

「ごめん、本当に疲れてるから、そういう話はまた今度でいいかな?」

さらにそっけない態度の彼に、虚しくて悲しくて涙が出てきた。

「もういいよ。勝手にすれば?」

私はお風呂上がりだったが着替え、彼の家を後にした。大通りまで歩いたが、追ってくる気配もない。

「どうせ、この程度の仲だったんだ…」

切なさが胸にこみ上げてきて、タクシーの中でも涙が止まらない。そしてふと考えた。

彼は本当に、3週間も会えないくらいに忙しかったのだろうか…?


男が言う「忙しいから会えない」の真意とは!?

Q1:最初は頻繁に会えていたのはなぜ?


祥太郎との出会いは、2年ほど前に開かれたお食事会。その日は金曜日だったのだが、彼は遅れてやってきた。

「ごめん、遅くなった」
「祥太郎、お前また遅刻かよ」

友人にそう言われると、端正な顔立ちの祥太郎は優しく微笑んだ。その笑顔にキュンとする。しかも外資系コンサル会社勤務らしく、年収もかなり良さそうだ。

「隣、いいですか?」

ラッキーなことに彼は私の隣に座ってくれたので、そこからずっと話し込み、気がつけばデートに誘われていた。

「次は2人で会いませんか?」
「ぜひ!」
「いつがいいですか?」

こうして、初デートまでトントン拍子で進んだ。

そして初デートで私たちはお互いの好意を確信し、3度目のデートで、祥太郎から“付き合ってほしい”と言われたのだ。

私の記憶にある限り、付き合った最初のほうの祥太郎は今みたいに忙しくなかった。なぜなら、もっと頻繁に会えていたから。



「祥太郎、次の休みはどこへ行きたい?」
「う〜ん。その日に決めたらいいんじゃない?」
「えー。せっかくだし、映画でも行かない?」
「奈緒子が行きたいなら、行こうか」

もともと、彼は積極的に外へ出るタイプではない。でも付き合った当初は、私を喜ばせるために努力してくれていたのだろう。

「奈緒子、今度この店行ってみない?気になっていてさ」
「行きたい!!」

気になるお店があれば連れて行ってくれたし、デートもよく外でしていた。

「奈緒子、ごめん。今週末忙しそうだから、再来週にリスケでもいい?」
「うん、いいよ」

仮に都合が悪くなった場合でも、きちんと他の日程を提示してくれていたのだ。

でも祥太郎が異動したタイミングだっただろうか。それとも、ちょうどその頃ステイホーム期間に入り、外へ出る機会がなくなったからだろうか。

彼の口から「忙しい」と聞くことが増えた。

ステイホームで家にいるはずなのに、会える日も減った。せっかく会えても家ばかりだし、正直文句も多くなってしまう。

「ねぇ、毎日何しているの?暇じゃないの?」
「こんなにも時間あることが珍しいから、勉強したり」
「うっそ。でも家にいるんでしょ?どうして会えないの?」
「奈緒子が来たいんだったら、夜なら別にうちに来てもいいよ?」

そう言ってくれているので、浮気はしていないと思う。けれどもだんだん、「忙しいから会えない」と言う頻度が増えてきたのだ。


男が会えない、本当の理由とは…?

Q2:男が会えないのは、忙しいから?


今年に入ってから、祥太郎はさらに忙しくなった。

「ねぇ、次はいつ会える?」

せっかく会えた日に次のデートを決めようとしても、祥太郎の答えはいつも一緒だ。

「来週末は会えると思うけど、確実なのは今月末かな…」
「そんな先?それまで会えないの?」
「ごめん。確約できなくて。最近、本当に仕事が忙しいんだよ」

「仕事が忙しい」と言われると、それ以上強くは言えなくなる。仕事に理解のない女だと思われるのは嫌だし、ワガママな彼女になるのはカッコ悪い。

「そっか…」

そう言いながらも、私は不満と同時に不安も募り始めた。

— 最近会えないのは、他に誰かできたから…??

そんな疑いも生じ始めていた。なぜなら、会える日数が少なくなっただけではない。一緒にいても、祥太郎の態度が冷たくなっていったのだ。



「ねぇねぇ祥太郎、この前友だちに会ったときにね…」
「あぁ…」

ご飯を食べながら祥太郎に話しかけても、曖昧な返事しか返ってこない。

「ちょっと、聞いてる?」

ボケっとしている祥太郎に、苛立ってしまう。せっかく久しぶりに会えたのに、彼はどこかつれない。

「え、聞いてる聞いてる!」
「人は、2回同じことを言う時は嘘ついている時らしいよ」
「そうなの?じゃあ言わない」
「ちなみに、今夜って祥太郎の家に泊まってもいんだよね?」
「うん、いいけど…」

— 怪しい。

泊まることに、全く乗り気ではない。交際当初はあんなにも盛り上がっていた夜だって、最近はご無沙汰だ。祥太郎は、今年で29歳になる。まだ若いし、枯れるには早すぎる。

私だってまだ26歳。毎日のケアのおかげで、男性からすればかなり魅力的な体つきだと思う。

それなのに、興味すらなさそうな態度の祥太郎。やはり他に女がいるから、抱こうともせず、会おうともしないのだろうか。

でも彼がお風呂に入っている間に部屋を探っても、浮気の決定的な証拠は出てこない。

「祥太郎、私のこともう嫌いになったの?」
「そんなことないよ。ただ本当に、最近仕事が忙しくて。ごめん」
「連絡の回数も減っているし、もう少し構ってくれてもいいんじゃない?彼女なんだし」
「そうだよなぁ、ごめん。どこかで奈緒子に甘えていたのかも」

甘えてくれるのは嬉しい。でも、そうではない。

「別に謝ってほしいわけじゃないんだよ。祥くんが忙しいなら、彼女だから癒してあげたいの」
「ありがとう」

そんなやり取りを繰り返していたが、ベッドに潜り込んで手を振り払われた瞬間、張り詰めていた糸がぷちんと切れてしまったようだ。

— 忙しいって本当に?それとも浮気しているか、私に飽きた…?

男心の本音は、一体どれなのだろうか…。


▶前回:“好き”とだけ言い残し、二度のデート以降連絡が途絶えた女。男の前から消えた理由は…

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やる気のない彼氏の本音