男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

今週のテーマは「“忙しい”と言って会えない男の本音は?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:3週間ぶりに会えたのにそっけない彼氏。「忙しくて会えない」という男は本当に忙しいのか、それとも…



「ねぇ祥くん…」

彼女が、僕のベッドに潜り込んでくる。とっさに僕は、彼女の手を振り払ってしまった。

「なんでよ……。私のこと、本当は好きじゃないんでしょ?」

泣きながら、部屋を出て行った奈緒子。ドアがバタン、と閉まる音を聞きながら、「やってしまった」と後悔の念にかられる。

とはいえ追いかけることもできず、僕は部屋で呆然としていた。



奈緒子と付き合って2年ほど経つ。

出会いは、食事会だ。順調に交際へ発展し、幸せにやってきた。

だが徐々に“ある不満”が生まれ、それをとうとう彼女にぶつけてしまったのだ。


「忙しい」ばかり繰り返す男の本音。本当に忙しいのか?

A1:最初だから、頑張る


食事会に遅れて参加した僕を、じっと見つめる子がいた。それが奈緒子だった。清潔感があって目の綺麗な子だな、というのが第一印象。

「隣、いいですか?」

たまたま彼女の隣が空いていたので、僕は迷わずそこに座る。話していくうちにさらに仲良くなりたいと思い、食事に誘った。

「次は2人で会いませんか?」
「ぜひ!」
「いつがいいですか?」

その場で日程を決め、すぐに会うことになった僕たち。そして何度目かのデートで、付き合うことになった。

この時、僕はまだ今の部署に異動する前の話で、比較的時間があった。なるべく奈緒子に時間を割くようにしていたし、何より、この時はまだ彼女に好かれようと必死だった。



「祥太郎、次の休みはどこへ行きたい?」
「う〜ん。その日に決めたらいいんじゃない?」
「えー。せっかくだし、映画でも行かない?」
「奈緒子が行きたいなら、行こうか」

休みの日は家でのんびりしたい派の僕と、外へ出たい派の奈緒子。

本当は家にいたかったけれど、付き合ったばかりで毎回家デートも申し訳ないと思い、なるべく合わせるように努力していた。

「奈緒子、今度この店行ってみない?気になっていてさ」
「行きたい!!」

このときは、カッコつけたい部分もあった。だから奈緒子が好きそうな店があれば、僕から誘って一緒に行くようにしていたのだ。

「奈緒子、ごめん。今週末忙しそうだから、再来週にリスケでもいい?」
「うん、いいよ」

仮に予定が合わなくなっても、他の日を提示した。

ただ、しばらくして状況が変わり始めた。まず自粛期間に入り、家にいる時間が増え、僕の出不精が加速。

もともと家に引きこもるのが苦ではないうえに、仕事後の接待や無駄な飲み会がなくなり、時間ができた。

僕はその分、これまでできなかった勉強をしようと、自分のために時間を使うようにしたのだ。

けれども、彼女にはそれが理解できなかったようだ。

「ねぇ、毎日何しているの?暇じゃないの?」
「こんなにも時間あることが珍しいから、勉強したり」
「うっそ。でも家にいるんでしょ?どうして会えないの?」

会えないことはないけれど、毎日べったり一緒にいる必要はない。でもそれを言うと奈緒子が怒るのは予想できたので、なんとかその場をとりつくろう。

「奈緒子が来たいんだったら、夜なら別にうちに来てもいいよ?」

だがそのタイミングで部署異動があり、本格的に忙しくなってしまった。

同時に、奈緒子に対する思いもだんだんと変わってきたのだ。


自分自身に使える時間を味わってしまった男。女に求めていたコトとは…

A2:本当に忙しいのもあるが、疲れている時に会いたくないから


毎日忙しくしているうちに、だんだんと奈緒子の存在をないがしろにしていたことは否めない。

しかしそれには理由があった。

「ねぇ、次はいつ会える?」
「来週末会えると思うけど、確実なのは今月末かな…」

たぶん、来週末は休みだろう。他に約束もしていない。

でも平日かなり忙しかったので、週末は心置きなく寝たい。何もせず、ひたすらダラダラと過ごしたい…。というのが本音だった。

「そんな先?それまで会えないの?」
「ごめん。確約できなくて。最近、本当に仕事が忙しいんだよ」
「そっか…」

忙しいのは事実ではあるが、頑張って時間を作ろうと思えば作れるのかもしれない。

けれども休みの日に、奈緒子に会いたいと思えなかった。なぜなら彼女に会うと疲れるからだ。



「ねぇねぇ祥太郎、この前友だちがね…」
「あぁ…」

食事をしながら、ぼーっとしていた。平日に読めなかった漫画を早く読みたい、そんなことを考えていると奈緒子が急に不機嫌になっている。

「ちょっと、聞いてる?」
「え、聞いてる聞いてる!」
「人は、2回同じことを言う時は嘘ついている時らしいよ」

— あぁ、面倒臭い。

別に、奈緒子が悪いわけではない。よくしゃべる子だけれど、それが嫌なわけではない。

でもたまの休みの日くらい、ひとりで気兼ねなく、ゆっくり休みたいのだ。

「ちなみに、今夜って祥太郎の家に泊まってもいんだよね?」
「うん、いいけど…」

俗に言う、「忙しい」を言い訳にして浮気している男とは違うと思う(実際、その言葉を理由に浮気している男はゴマンといると思うが…)。

僕の場合、本当に疲れているのだ。

「祥太郎、私のこともう嫌いになったの?」
「そんなことないよ。ただ本当に、最近仕事が忙しくて。ごめん」
「連絡の回数も減っているし、もう少し構ってくれてもいいんじゃない?彼女なんだし」
「そうだよなぁ。ごめん。どこかで奈緒子に甘えていたのかも」
「別に謝ってほしいわけじゃないんだよ。むしろ、祥くんが忙しいなら、彼女だから癒してあげたいの」

— 癒す…?

果たして、彼女と会うことで“癒される”男はどれくらいいるのだろうか。本当に癒そうと考えてくれるならば、放置が一番だ。

一緒にいると多少なりとも気を使うし、体力も使う。だから「彼女と会うと、癒されるんだよなぁ」とかいう男は言葉だけな気がする。

だから最後に奈緒子が怒って僕の家を出て行ってしまっても、追いかける気力すらなかった。

だがそれと同時に、気がついた。

奈緒子にそこまでの情熱もなく、大好きで何としてでも追いかけたい、という気持ちが薄れてきていたことに。

僕みたいなタイプは、まだ気力と体力が残っている時…いわゆる「鉄は熱いうちに打つのが一番」だと気がついたのだ。

一度“疲れた”スパイラルに陥ると、だんだん手抜きになり、会うのも面倒になってくるから。

「あぁ、またやってしまった…」

忙しくなると、つい彼女を放置してしまう。それが悪いことなのはわかっているけれど、リアルに体力が追いつかなくて、1人で自己嫌悪に陥る。

別に彼女を嫌いなわけではない。浮気をしているわけでもない。

疲れているときは優しく見守ってくれると非常に嬉しい、というのはワガママなのだろうか…。


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