新宿『オステリア・オリエーラ』や、広尾『リストランテ・ペガソ』を人気店に押し上げた実力派・古井繋規シェフ。そんなシェフが、今年2月に満を持して独立。

慣れ親しんだ街、新宿に『イルラート』を開業した!

シンプルに徹するコース料理の数々は、繊細さが記憶に残る逸品だ。



※緊急事態宣言中の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。



極限まで調味の無駄を削ぎ落とした、魚や野菜の滋味に癒される


「20種類のお野菜を使ったミネストローネ」は、小松菜やニンジンのほか豆が5種、芋が7種入り、基本は野菜の水分で成り立つスープだ。

均一に切った野菜を的確な時間差で投入し、煮込むこと3時間。

調味はごく少量のブロード、塩、オイルのみだが、食感を残しつつ複雑に溶け合う野菜が、奥行きのある味わいを演出する。

シンプルに見える料理にも緻密な作業が施されているのは、この道20年のベテランならでは。

料理はすべてコース(16,500円)より。



焼いては休ませを繰り返して、希少な銘柄牛の持ち味をダイレクトに


そんなシェフが「これまでの牛肉とは全く別物」と胸を張るのが但馬玄(たじまぐろ)だ。

一般的な和牛の融点が約25度なのに対し、約12度から溶け出すこの“幻の牛”には、その特性を活かす確かな腕が必要。

古井シェフは炭火で温めるように焼き、休ませを繰り返し、休ませるときにも熱を入れる算段で、最後は強火で仕上げる。

結果、香ばしい焼き目に歯を入れれば、さらりとした脂とともに肉の旨みがふわりと広がる。そこへサンジョベーゼでも飲めば、唯一無二の甘美なマリアージュが完成だ。



年間約25頭しか生産されない、兵庫県の「但馬玄」を入手!


上田畜産が育てる但馬玄は「いかに牛を健康にするか」という信念のもと生まれた銘柄。

天然素材の餌を与え、夏は放牧され、ストレスなく飼育されている。



シェフの技が光るスペシャリテ!


「金目鯛のソテー 蛤出汁のスープ仕立て」は、シェフのスペシャリテ。千葉県勝浦市で獲れた2.4kgの金目鯛が皿の上に鎮座する。

素材本来の質の高さもさることながら、蛤と野菜を入れたクリームソースが魚の旨みを引き立てる。



オーセンティックな郷土料理も見逃せない!


ピエモンテ伝統のパスタ、タヤリンを使った「タヤリン蝦夷鹿の赤ワイン煮込みのソース」。

卵黄のみを使用した歯切れの良い麺は、後半でも軽快な食べ心地だ。



無垢のウッドで統一された店のBGMは、オープンキッチンからの調理音。飾りは最低限だが、奥のワインセラーが艶やかな雰囲気を醸す。



「食材を突き詰めていくと、やはり日本のものにたどり着く。僕は最低限のことをしているだけ」と古井シェフは語る。

しかしその「最低限」は、シェフの経験値による、最上級の仕事なのだ。


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