東京タワーを間近に望む、芝公園。街の喧騒から離れたどこか落ち着いたこの場所に『イタリア料理 樋渡』はある。

素材を重視しシンプルでありながら、見た目も美しい旬のイタリアンを楽しめると話題を集めている。

温かみのある雰囲気に包まれながら頂く、極上の逸品をご紹介しよう。




※緊急事態宣言中の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。



店があるのは、芝公園にほど近い路地裏の一角。

ごく控えめな印象の扉の向こうに広がるのは、レストランというよりも瀟洒な個人宅のダイニングのような空間だ。

ゆったりしたカウンターの中に立つオーナーシェフ・原 耕平さんは、麻布十番『ラ・コメータ』や表参道『フェリチタ』のほか、ナポリの星つきレストランでも研鑽。

そして、原シェフが紡ぎ出すのは、イタリア料理への敬意と、日本の優れた食材への感謝と愛情を込めた料理だ。

ひとつひとつの素材と誠実に向き合って構成される味わいには〝端正〞という形容が、よく似合う。


素材を慈しむシンプルな調理から生まれる、旨みが凝縮した味わいに驚く


スペシャリテである「アサリと枝豆のリゾット」1,760円。

入れる具材は時季によって変わるが、お米はイタリア米ではなく、調理師学校時代からの友人・高橋英人さんが育てた魚沼産コシヒカリ一筋だ。

「米自体が味わい深いから、他の旨み要素を足す必要がないんです。食材の本質を第一に考えるからこそ、塩分は控えめ。食べ疲れしない料理とともにゆったりと過ごしていただければ」と、原シェフの食材に対する強いこだわりが伺える。



「国分牧場 ジャージー牛×黒毛ヒレ肉のステーキ ポルト酒のソース」4,400円。

なんと黒毛和牛に、乳牛であるジャージー牛を掛け合わせたことでほのかにミルキーな風味が漂う、埼玉『国分牧場』育ちの希少な牛肉を使用。

生産者と密にコミュニケーションを取って肉を仕入れる、仲卸『東京宝山』のセレクトだ。


芳しい香りを纏った鯛の軽快な食感に、思わず顔がほころぶ


「甘鯛のウロコ焼き フレッシュトマトのソース」3,300円。

主役である甘鯛の、豊かではあるが繊細な味わいを引き立たせることに心血を注ぐ。

そこに旬のトマトで作ったシンプルなソースと、バジルと塩、オイルのみのペーストを使用。下に敷くトマトのソースも、フレッシュで軽やかに。

そして、食べる前からパリパリの食感が想起できる、ウロコの焼き上がりも美しい。


一尾600g前後で餌にもこだわった甘鯛を使用!


1kg超の甘鯛も多いが「自分はこのくらいの重量がしっくりきます」と原シェフ。

エビを餌にしているものが多く、焼いていると芳しい香りが漂う。


オーセンティックな郷土料理も見逃せない!


「トリッパと白インゲン豆のトマト煮込み」1,960円。

一般的に使われる玉ねぎ、ニンジン、セロリ、ニンニクなどの香味野菜を使わず、あえて“丸い味”に仕上げている。

静謐な印象ながら、口にすれば素材のポテンシャルが伝わってくる、雄弁な料理が迎えてくれる。



抜群の雰囲気と素材の旨みがあふれる逸品に、思わずうっとりさせられる。

忙しい日常から離れ、ゆったりイタリアンを堪能したい日にピッタリの一軒だろう。


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