男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:久しぶりに外で飲める解放感に浮かれ過ぎた…?デート中にやらかしていた、男の失態



「やってしまった…」

明け方5時。パッと目が覚めると、我が家の天井とは違う景色が見えた。

慌てて飛び起き、とりあえず現状確認をする。

明らかに、私の家ではない。黒で統一されたシックな家具に、男性の香り。恐る恐る布団をめくると、隣には、晃がすやすやと眠っている。

「ヤバイ…どうしよう」

とりあえず彼を起こさぬようにそっとベッドから出て、フローリングの床に散らばっている洋服を拾い集めた。

今年で28歳。もうこんなことはしないと思っていたはずなのに、酔った勢いで久々にやらかしてしまった。

「どうしよう…」

正直、彼のことはいいなと思っていた。だから昨日も盛り上がったし、こうして家にも来た。

だが交際前にこんなことになり、“本命彼女”は絶望的だろう。

そう思っていた。

けれども不思議なことに、そのあと晃から積極的に連絡が来たのだ。

― あれ?これって。意外に大丈夫ってことかな?

交際前にやらかしてしまった私。それなのに、どうして晃とその後も仲良くできているのだろうか…?


うっかり体を許してしまった女。しかしそこから逆転できた理由は!?

Q1:男が女を誘った理由は?


晃と出会ったのは、数年前に友人の別荘で開かれたBBQだった。

「亜希ちゃん、飲んでる?」
「はい!晃さんは?飲んでいますか?」
「うん、ありがとう。亜希ちゃん会うのは初めてだよね?」
「そうですね。初めましてです」

実は晃を一目見た時から、密かにいいなと思っていた。

精悍な見た目で、明らかにモテそうな晃。しかも当時彼にはステディな彼女がおり、私は早々に諦めた。

しかしそのあと、晃はたまに連絡をくれた。

「亜希ちゃん、今日何してる?みんなで恵比寿で飲もうって話しているんだけど、もしよければ来ない?」
「いいよ!どこに行けばいいかな?」

あくまで友人関係で、2〜3度みんなで飲みには行った。

しかしそれ以降、世の中はコロナ一色になり、晃からの誘いもなくなった。

それと同時に私にも彼氏ができ、すっかり疎遠に。

しかし久しぶりに、晃と再会することになったのだ。



「あれ?亜希ちゃん?」
「え?晃くん!?」

それは、本当に偶然だった。知り合いのホムパに参加したら、晃がいたのだ。

「うわ、久しぶり〜!」
「本当、久しぶりだね。2年ぶりくらい?元気だった?」

久々に会えた感動と嬉しさで、思わず話も弾む。相変わらず晃はカッコよくて、年を重ねたせいかちょっと影のある雰囲気があり、それもまた良かった。

「晃くんは元気だった?」
「うん、亜希ちゃんは?というか、また綺麗になった?」
「またそういう適当なことを…。晃くんは?彼女さん元気?」
「あぁ。俺、別れたんだよね」

― え、そうなんだ。

一瞬顔がニヤケそうになるが、ここで笑ってはいけない。そう思い、慌てて顔を引き締める。

「そ、そうなんだ」
「亜希ちゃんは?」
「私は一瞬彼氏ができたけど、ちょっと前に別れちゃった」
「そうなんだ」

なぜか急に沈黙が流れる。やや気まずくて話を逸らそうとすると、晃が笑顔を向けてくれた。

「そっか、それはいいこと聞いた。また今度、飲みに行かない?」
「うん、行く!」

私たちはその場で日にちを決め、翌週2人で食事へ行くことになったのだ。

もちろん、この時点で交際はしていないし、「好き」とも言われていない。だが、しっかり体の関係だけ先に持ってしまったのだ…。


男が、朝起きた時に思ったこと。ワンナイトのお作法とは?

Q2:男が、翌日自ら連絡をくれた理由は?


「では、久しぶりに乾杯」

晃が予約してくれていたのは、最近話題で、一度行ってみたかった『肉割烹 岡田前』のカウンター席だった。

「なにこれ、美味しい…!!」

次々に出てくる最高級のお肉に、最高峰の食材のコラボレーション。すべてが美味しく、思わずほっぺたを押さえる。



「亜希ちゃん、相変わらず美味しそうに食べるね」
「ふふ。だって、美味しいから」

口の中で溶けていくお肉たち。心ときめくお料理とともに、もちろん赤ワインも驚くほど進んでいく。

「あぁ〜幸せ。最高。晃くん、今日は誘ってくれてありがとう」
「いやいや、こちらこそ。亜希ちゃんに再会できて嬉しいな」

そんなふうに言うのは、ズルい。純粋に嬉しくなった。

「亜希ちゃん、今彼氏とかいないの?」
「うん、いないよ。この前も話したけど、先月別れたばかりだから。晃くんは?」
「僕も今は特定の人、いないよ」

― これは、私にもチャンスがあるってことかな?

晃の発言に、いちいちドキドキしてしまう自分がいる。2年前は彼女がいたから諦めたけど、今なら土俵に立てるだろうか。

気づけば、なんとなく晃と私の距離は近くなっている。そして店を出て、麻布十番の商店街を少し歩きながら、2軒目を考えていた。

商店街の石畳が今日は歩きづらく感じ、思わず晃の腕を掴みかけた時だった。

「よければ…うち来る?家にワインあるんだよね。でも、嫌だったら無理しないで」

晃からの誘いに、私は静かにうなずいた。

「嫌じゃないよ。じゃあ、飲むだけね」

こうして私たちは一緒にタクシーに乗り込み、晃の家へと向かった。そしてたぶん彼の家でワインをさらに2本くらい空け、気がつけば朝になっていたのだ。



「ヤバイ…なんでやってしまったんだろう」

明け方5時半。拾ったタクシーに乗り込み、うっすら明るくなってきた東京の街並みを見ているうちに、虚しさが襲ってくる。

自分のバカさ加減が嫌になったのだ。酔っ払っていたとはいえ、簡単に体を許しすぎた。

彼を起こさないよう、さっさと出てきてしまったが、晃が目を覚ましたら何て思うのだろうか。

「はぁ。簡単な女…というか、完全に遊び相手で終わったな」

終了フラグが立っていた。

だがこの後。夕方くらいに、晃のほうから連絡が来たのだ。

― 晃:無事帰れた?
― 亜希:うん、ありがとう!お邪魔しました。

その後も、変わらない態度で接してくる晃。デートの約束や連絡の頻度を考えると、もうほぼ彼氏彼女の雰囲気である。

果たして、何が功を奏したのだろうか?


▶前回:久しぶりに外で飲める解放感に浮かれ過ぎた…?デート中にやらかしていた、男の失態

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男が朝起きて、思ったコトは?