男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

今週のテーマは「妻が半年で“離婚したい”と言い出した理由は?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:愛する妻から、突然の離婚宣言。順調だった夫婦生活なのに、妻が夫に三行半を下した理由は…



「あれ?私、なんで結婚したんだろう…」

そう思い始めたのは、いつからだっただろうか。夫の律と結婚して、約半年。

ずっと1人で思い悩んでいたが、ついに本人に伝えることにした。

「りっ君と結婚したこと、間違ってたよ…」
「…なんで?」
「その理由すらわからないの?」

下の公園で遊んでいる、子どもたちの無邪気な笑い声が聞こえてくる。

「子どもが産まれる前に、別れたほうがいいと思うの」
「離婚ってこと…?」

別れるなら、今しかない。まだ私たちは若い。離婚するなら早いほうがいいだろう。

離婚したくないという夫を家に残し、2週間後、私は家を出た。

律に対するいろんな思いを抱えながら…。


妻が離婚したいと思うに至った経緯。夫が気づかぬうちに妻は…

A1:いわゆる“コロナ婚”だった


律と出会ったのは、約1年半前のこと。パンデミックの真っ只中で、仕事はリモートになり、出会いもなくなった。

そのタイミングで私はマッチングアプリを始めたのだが、実は最初にマッチしたのが律。

顔もカッコよかったし、会社も日系の大企業で安定している。それに彼は優しくて、いい人だった。

「こんなにも一緒にいて楽しい子、真央が初めてかも」
「本当に?嬉しいなぁ。私もだよ」

律の積極的なアプローチで、すぐに交際に発展。

そして、交際期間1年を経て私たちは結婚した。だけど、このタイミングが間違っていたのかもしれない。



「りっ君、今日の夜ご飯は何がいい?」

最初は、私も頑張っていた。夫のためにせっせと夕食を作り、家事も率先して行っていた。

私も仕事があったのでたまにキツイなと思う時もあったけど、律はそんな私の心情もちゃんと察してくれる人だった。

「真央、ありがとう。でもいつも真央ばかりで悪いから、たまには僕が作るよ」
「本当?ありがとう!」

でも、それは最初のうちだけ。

「真央、いつもごめんね」

私が洗い物をしていると、シンクの向こう側に申し訳なさそうな顔をした律が立っている。

「いいよ、大丈夫。りっ君がやるより私がやった方が早いから」

極力、喧嘩はしたくなかった。同じ屋根の下、喧嘩して過ごすのは辛いから。

「ごめんって言われても仕方ないし。そのゴミだけ、明日の朝出しておいてね」

― “ごめん”って言う暇があったら、少しは手伝えば?

そう言いたい気持ちをグッと抑え、私は笑顔を作る。ただこれが、離婚したいと思った一番の理由ではない。

家事は得意なほうがすればいいと思っていたし、仕方のないことだとどこかで諦めていたからだ。

それに律は基本的にいい旦那で、私たちは仲が良い夫婦だったと思う。

でも私の中で、何かが少しずつ変わっていった。キッカケは、律のこの発言だったのかもしれない。

「早く子どもが欲しいなぁ〜。真央と僕の子どもだったら、絶対可愛いよね」

そう言われたとき、咄嗟に反応できなかった。

― 私は、子どもが欲しいのかな…。

不意に、そう思った自分がいたのだ。


女が離婚したいと思った理由。男にはわからぬ妻の複雑な心境とは

A2:夫婦としての、価値観が違いすぎた。


結婚して半年で離婚を決めるのは早いと言う人もいるだろう。でも私のなかで、どうしても耐えられないことが出てきたのだ。

それは、10月に入ってからのこと。

律は緊急事態宣言が解除された途端に、連日“会食”という名の飲み会で、帰宅時間が遅くなったのだ。

夜中に帰宅することも多く、明日も仕事がある身としては大迷惑だ。

「今日も遅くなるの?」
「うん。今日は会食。あと明日も会食が入っちゃった」
「そうなんだ。誰と?」
「クライアントさんたちとだよ。明日は会社の後輩とだけど」
「女の子もいるの?」
「明日はいるかな。でも会社の子だし」

しかも女性がいる場にも平気で行く。これが、私からすると信じられなかった。

結婚して、私は異性の友達と(そもそも異性間での友情なんて成り立つはずがないと思っているけれど)、深夜まで飲むなんて考えられないし、絶対にしない。

でも律は平然とそれをやってのける。

「なんで行くの?」
「なんでと言われても、仕事だからね…」

この人は、「仕事」と言えばすべて許されると思っているのだろうか。

私だって仕事をしている。上司や後輩、クライアントさんとの交流が必要なことも理解はできるけれど、このご時世にわざわざそれが飲みの場である必要があるのだろうか?

そして律の帰りが連日遅いことは、私の日常にも支障をきたしていた。



「真央。今夜こそ先に寝ていていいからね」

そう言われても、広くない家で夜中に酔っ払って帰宅されたら、物音で目が覚めてしまう。

中途半端な時間に帰宅されると、眠りも浅くなるし肌の調子も悪くなる。翌日は眠いし、大迷惑だ。

「真央も仕事があるだろうし、本当に寝ててね」

こちらは寝ていたくても、起きてしまうのだ。一緒に暮らす以上、相手のことを思いやる気持ちはないのだろうか。

「なんで?りっ君が、早く帰ってくればいいだけの話じゃない」
「そうは言ってもね〜。先輩とかクライアントさんがいたら、自分だけ先に帰るわけにはいかないし」
「女の子もいるのに?」
「それは関係ないでしょ」

何度も、律に伝えた。でも彼は変わらなかった。

「りっ君は、なんでそんな毎日飲み歩いてるの?早く帰ってきてよ」
「そんな、連日なんて飲み歩いてないよ。それに仕事だから仕方ないでしょ?」

そもそも、何が悪いのかすらわかっていないようにも見えた。

出会って籍を入れてからずっとコロナ禍だったから、気がつかなかった。なぜならどこにも出かけられなかったから。

けれど世の中が動き出し、気がついてしまった。

律と私は、決定的に考え方が違うことに。

毎日でも飲み歩いて遊びたい律と、家にいたい私。そして少しでも早く子どもが欲しいと願う律と、そう思えない私。

「早く子どもが欲しいなぁ〜。真央と僕の子どもだったら、絶対可愛いよね」
「そうだねぇ。でも私は絶対に子どもが欲しいってわけでもないかな。りっ君は絶対に欲しいの?」
「うん、いたほうが嬉しいな」

こんな律との会話を思い出す。

仮に子どもができたらお腹を痛めて産むのは私なのに…と思うと、連日ヘラヘラと飲み歩いている夫の能天気な発言に、若干の苛立ちを覚える。

もし私がハッキリと「子どもは欲しくない」と言ったならば、きっと彼は「わかった」と言ってくれると思う。

でも、それで本当にお互い幸せなのだろうか?

私たちは、向いている方向が違いすぎる。

コロナ禍というタイミングで出会い、交際し、結婚した私たちは、まさに“コロナ婚”だ。だからこそ世の中が通常運転に戻り出したときに、ふと気がついてしまった。

― あれ?この人じゃないかも、と…。

そもそも、律のことを本気で好きだったのだろうか?

誰かと一緒にいたくても誰にも会えない状況で、一緒にいてくれた彼は戦友のようなもの。あのタイミングで出会えたことに、感謝はしている。

でもだからこそ、普段の生活に戻るとその魔法は消えてなくなっていく。

その時に冷静になって周りを見渡してみると、目の前にいる夫が急に色褪せて見えてしまうのだ。

価値観の違う人と一緒に生活をするのは、想像以上に辛い。

他人から見たら些細なことかもしれないけれど、一度嫌になってしまった相手を好きになれる自信もなく、生理的にも無理になっていったのだった。


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冬のデートではご注意…!?