男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:たくさんの愛情を注いだのに…彼女を真摯に愛していた男が、2年の交際を経て振られた理由は?



晃との出会いは、私の運命を変えた。

彼と出会ったのは、1ヶ月前のこと。女友達の絢音から「経営者が集まるお誕生日会があるから、優子も一緒に行こう」と誘われ、渋谷の地下にあるバーへ向かった私たち。そこに、晃はいた。

IT系のベンチャーの役員を務めるという晃は、Tシャツにデニム、その上に紺のジャケットというスタイルで、いかにも“若手経営者”という雰囲気だった。

わかりやすい派手さはないけれども、自信が満ち溢れている。仕事で成功した男の人が醸し出す、独特のオーラが放たれていた。

「晃の会社、もうすぐ上場を控えてるから」

そう男友達に言われて、困ったような顔をしていたのを覚えている。

しかしそんな晃から、私は交際を申し込まれることになる。

今年で28歳になる私。正直、見た目も普通だし身長も154cmしかない。際立ってスタイルが良いわけでもなければ、学歴も育った環境も至って普通だと思う。

それなのに、どうしてこんな素敵な彼が私と付き合いたいと思ってくれたのだろうか…?


Q1:男が、話していた女ではなくもう一人の女を誘った理由は?


そもそも、晃と出会った当日。彼は最初、私より絢音のほうに興味を持っているように見えた。

「晃の会社、もうすぐ上場を控えてるから」

そう友人から聞いた途端に、積極的な綺音はグイグイと晃のほうへ近づいていく。しかも綺音のさすがのコミュ力と天性の美貌で、すぐに二人は仲良くなった。

「晃さんは、今どちらにお住まいなんですか?」
「僕は赤坂だよ」
「え〜!私も前、赤坂に住んでいました。何丁目あたりですか?」
「赤坂いいよね。僕は今9丁目だよ。どの辺りに住んでいたの?」
「私は4丁目でした。でも晃さんは9丁目なんですね〜さすが」

家が近いということで盛り上がっている二人を横目に、私は何丁目なんて細かいところまではわかないので、静かに話を聞いていた。

その後、一通り地元トークが終わった二人が私に話を振ってきてくれたけれど、晃と話したのなんてゴルフをするかどうか、仕事は何をしているか…くらいだった。

けれどもこの会の翌日。晃からLINEが届き、私は少し驚いた。

― 晃:昨日はありがとう!全然話せなかったけど、良ければまたご飯でも行きましょう。

「え?私ほとんど話していないのに…」



驚いたけれど、純粋に誘ってくれるのは嬉しかった。だから私もすぐに返信を送り、私たちは二人で会うことになった。

しかし最初はご飯でもなく、「軽く飲まない?」という誘いだった。

呼び出された東京エディション虎ノ門の『ロビー バー』で、私は少し緊張しながら彼を待つ。



― ちゃんと話盛り上がるかな…。でもサクッと飲むくらいだから大丈夫か。

そんなことを考えながら待っていると、晃がやってきた。

「ごめんね、待たせちゃった?」
「いえいえ、全然です」
「何飲む?」
「どうしようかな…ジントニックにします」
「優子ちゃん、結構飲める人?」
「はい、人並みに。お酒好きなんです」
「意外だね!でもお酒飲める子っていいよね。一緒に盛り上がれるし」

前回ほとんど話していなかったので気がつかなかったけれど、晃はとても話し方が優しい人だった。

私が話す時はちゃんと目を見て聞いてくれるし、飲み方もスマート。話せば話すほど、私は彼に惹かれていく。

「優子ちゃんは、運動とか何かしているの?」
「はい、ジムに行ってます。時間ある時はランニングもしますし…」
「だからそんなスタイルいいんだ!」
「私ですか?全然ですよ。細くもないですし」
「そう?それくらいがちょうど良くない?」

どこからどう見ても、私のスタイルはごくごく一般的だと思う。身長154cmで体重は48kg。別に太っているわけではないけれど、細いわけでもない。

けれども最大限に肯定してくれる晃の言葉に、私も思わず嬉しくなる。

「晃さんは?何か運動されているんですか?」
「うん、今はパーソナルに週2で通っているよ。あとサウナ行ったりかな」
「サウナ流行っていますもんね」

そんな会話をしているうちに時間はあっという間に過ぎ、解散の時間になってしまった。

「優子ちゃん、次は食事へ誘ってもいい?」
「もちろんです」

こうして、ディナーデートをすることになった。けれどもここで、意外な展開となった。


Q2:男が惚れた瞬間は?


しかし忙しい晃と二度目のデートへ行くまで、3週間も空いてしまった。しかもその間、積極的に晃から連絡が来ていたわけでもない。

― お食事へ一緒に行ったところで、何か進むのかな…。

そんな思いを胸に、私は晃が予約しれくていた、赤坂にある『ルイ プリマ』へと向かう。



心躍るような味のある内装を興味津々と見ていると、晃が微笑みながらやってきた。

「このお店、いい感じでしょ?」
「はい!とっても素敵です」
「美味しいし雰囲気もあるし。お気に入りの店なんだ。しかも何食べても美味しいよ」

そしてこの言葉に偽りはなく、何を食べても美味しかった。

「何これ!美味しい」

「プリマ風 カプレーゼ」などの前菜を前にして、私は思わず目を輝かせてしまった。そんな私を見て、晃は笑っていた。



「はは。優子ちゃんって、美味しそうに食べるからいいよね」
「だって、本当に全部美味しくて…」
「好き嫌いとかないの?例えば炭水化物食べないとか…」
「私ですか?特に何も。もしかしてセーブされていますか?」
「いや、僕も食べるならばその分運動する派だから。ただ、前の奥さんがすごいこだわりある人で、サラダばかり食べていたから…」

この時、私は晃がバツイチであることを初めて知った。

「結婚されていたんですか?」
「うん、昔ね。とは言っても3年前だけど」
「そうだったんですね…」

結婚をしたことがないので、こういう時どんな言葉をかけていいのかわからない自分がもどかしい。

「晃さん。とりあえず、飲みますか」
「そうしよう。ちなみにここは手打ちのパスタが絶品からぜひ食べてほしいな」
「いいですね〜!でも全部美味しそうで迷っちゃうな」

こうして、楽しい夜はふけていった。

そしてこの帰り道。歩いて帰れるという晃に付き添い、六本木方面まで歩いて出ようとしていた時のことだった。

「優子ちゃん。今彼氏いないんだよね…?よければ、僕と付き合わない?将来を見据えた、真剣な交際で」
「え……?私ですか?」
「もちろんだよ(笑)他に誰もいないでしょ」
「う、嬉しいです。そしてもちろんです」

しかしYESと答えたものの、私の何が良かったのかまったくピンとこない。

― 別に私、特別なもの何も持っていないんだけどな…。

選びたい放題であろう晃。会話だってそこまで盛り上がれたのかわからない。それなのに、どうして私を選んでくれたのだろうか?


▶前回:たくさんの愛情を注いだのに…彼女を真摯に愛していた男が、2年の交際を経て振られた理由は?

▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由

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イイ女はたくさんいるかもだけど…男が女を選んだ理由は?