“カメレオン女優”という言葉がいま一番しっくりくる、ドラマ・舞台で活躍中の実力派俳優、奈緒さん。

2022年10月よりスタートする、ドラマ『ファーストペンギン』で初主演を務める。

27歳の彼女が、30代に向けて想うこと、考えることとは何なのだろうか。

そんな奈緒さんの魅力を紐解いたインタビューを、今日と10/4(火)の2回に渡ってお届けします!


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「正解がひとつでないものに魅せられます。演技も、だから楽しい」


「東京カレンダーには“大人の女性”という印象があったので、今回、撮影に臨ませていただいて、あらためて自分も大人になったのだと実感しました」

そう話す奈緒さんは福岡県出身の27歳。

聞けば、上京した二十歳の頃は、東京がただただ眩しく感じられ、恐れを抱くことすらあったという。

「友達はできるのだろうか。地方から出てきた自分は生きづらさを感じるようになるのではないか。得体の知れない不安に押しつぶされそうでした」

それでも東京にこだわったのは自身の活動の幅を広げるため。

子どもの頃から引っ込み思案な性格だったが、その弱さを克服したいという思いから芝居のワークショップに参加し、演じる楽しさに目覚めた。

そして、親の反対を押し切って地元を離れ、脚本家・野島伸司さんが総合監修を務める俳優養成所の門を叩いた。

「数学のように答えがひとつに限定されるものより、国語のように無数の答えが考えられるものが好き。だから、お芝居に惹きつけられたのだと思います。

あの頃は夢中でした。この先、これほど面白いと感じられることに出合えるかどうか分からない、しがみつかなければ、という一心でした」

芝居には正解がない。無限の可能性を秘めている。


「綺麗な花を咲かすには、大変な苦労があることを知っている人でありたい」


奈緒さんに、ふとこんな質問をしてみることにした。

30代を控えて守りたいものは?

「生活を大切にしたい」

彼女の答えに迷いはなかった。

「きちんと食べる。寝て起きる。自分が好きなモノやコトにしっかり向き合う。日常におけるありふれた営みを大切にできる人でありたい。女優は特別な人間ばかりを演じるのではないのですから」

たしかにそうだ。女優は華やかさの象徴でもあるが、市井の人を演じるなら地に足のついた生活を知っていた方がいいに違いないし、でなければ共感を呼べないだろう。

そんなことを思っていると、奈緒さんの口からはこんな言葉が漏れた。

「綺麗な花を咲かせるには、土いじりをしたり、湧いた虫を駆除したり、手間をかける必要があります。一夜で急に咲いたのではないということをわたしは常に意識していたい」

思わずはっとさせられた。発する言葉のひとつひとつが丁寧で選び抜かれている。何故なのか。

奈緒さんは懐かしそうに顔を綻ばせて、こう言った。

「福岡でタレント活動していた高校生の頃、リポーターとしていろんな方にインタビューさせていただきました。そのときスタッフさんが教えてくれたんです。

わたしたちが日頃何気なく使っているコップにしても、完成に至るまでにはさまざまな人が関わり、唯一無二の物語が紡がれている。そのことを理解するかしないかで、自分の目の前に広がる世界はまったく違って見えるのだと。

振り返れば、わたしは多くのひとに諭していただきました。恵まれていたとつくづく思います」


そうなのかもしれない。だが、人の助言に気づけない人もいる。

奈緒さんには気づける力があり、さらに自分の中でしっかりと消化できるから、演技の幅が広く、“カメレオン女優”とも称されるのだろう。

最後にプライベートの展望を聞いた。一般的な27歳といえば、仕事に慣れつつも結婚を意識する歳頃だ。

「実際、わたしのまわりでも、家族を作る友達も増え始めましたし、一方で家族を作らない選択をする友達もいます。

わたしは今の仕事がすごく好きだし、今の生活を守りたいという気持ちで日々を歩んできましたが、これからどうしていこうかと考えるようになりました。

自分と違うスタイルで生きてきた人と共に生きるのは、時に面倒臭いことかもしれません。でも、それ以上に尊いはず。今は、その面倒臭さを知りたくてたまりません」

奈緒さんが実際にそれを体験したら化学反応が起こり、その芝居にさらなる厚みが増すに違いない。

確信に近い予感があった。


【後編】 10/4に公開!
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■【WEB限定】撮影風景のメイキング動画

■プロフィール
奈緒 1995年生まれ。福岡県出身。2018年に連続テレビ小説『半分、青い。』で脚光を浴び、ドラマ『あなたの番です』など話題作に出演。舞台への出演も重ねる実力派女優。10月から日本テレビの連続ドラマ『ファーストペンギン!』に主演

■衣装
[奈緒さん]ドレス 99,000円〈3.1 フィリップ リム/3.1 フィリップ リム ジャパン customercare@31philliplim.co.jp〉、イヤリング 550,000円、リング 220,000円〈ともにロイヤル・アッシャー/ロイヤル・アッシャー・カスタマーサービス TEL:0120-407-957〉、バッグ 60,500円〈サガン ヴィエンナ/エドストローム オフィス TEL:03-6427-5901〉、パンプス 77,000円〈フリーランス/ストックマン TEL:03-5426-2251〉
[男性]スーツ 162,800円〈ラルディーニ〉、ニット 61,600円〈フィリッポ デ ローレンティス/ともにトヨダトレーディング プレスルーム TEL:03-5350-5567〉、シューズ 79,200円〈パラブーツ/パラブーツ青山店 TEL:03-5766-6688〉、その他スタイリスト私物


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東京カレンダー最新号では、奈緒さんのインタビュー全文をお読みいただけます。
東カレに語ってくれた、初主演ドラマ『ファーストペンギン!』の役柄と自身との共通点とは?

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